急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
一応、所作(踊りですね)にカテゴライズされていますが、セリフもストーリーもありますし、踊る場面は全体のほんの一部分ですので、
少々中途半端な舞台です。
とはいえ、たいへん楽しい作品です。
もともとはもっとはっきりお芝居仕立てになっており、前半にもう少しお芝居らしい部分があったのですが、
今はざっくりカットになっています。
一応、いま出る演出を中心に書き、もともとの内容を補足して行こうと思います。
「京人形」とついていますが、舞台はいちおう江戸です。
現行上演だと場所は関係なくなっています。衣装などはどちらかというと上方風俗だと思います。
主人公は、彫物師の甚五郎(じんごろう)さんです。奥さんと娘と3人暮らしです。
主にお人形や小さい飾り物を作っています。
京都の人形、とくに女の子の姿を写した「おやま人形」は、細工が細かくてキレイなので評価が高いですよ。
始まりのところで夫婦の会話がああり、
甚五郎が病気だったこと、今日も医者に行って来たこと、でももうすっかり元気、みたいな話をします。
もともとはこの部分がもっと長く、
甚五郎が病気で前金を取ったまま仕事をしないので業者さんや下請けさんが押しかけてきたり、
さらに大家さんが「うるさいから出て行け」と言ったり大騒ぎなのですが、
今は全部カットです。夫婦しか出ません。
本当は医者が甚五郎を診察に来るシーンもあり、そいつが敵のスパイなのですが、これも出ません。
甚五郎は街で見かけた高級遊女の「小車太夫(こぐるま たゆう)」のあまりの美しさに恋焦がれ、
恋煩いで体調をくずしていたのですが、
このたび小車太夫に生き写しの等身大の人形を彫り上げました。
1/1フィギュアです。昔も今も日本人のやることはあまり変わっていないです。
あこがれの小車太夫のレプリカを作成してご満悦の甚五郎、すっかり元気になったのです。
いまは「病気だった」という設定自体が流されているのでこの事情もカットになっており、
「小車大夫の人形すごいだろう」というかんじのセリフしか出ません。
ノリノリの甚五郎は太夫の人形を相手に晩酌をはじめます。
細かい設定ですが、じつは隣の家で宴会があって有名な大夫さんが来ているという設定で、
なので高級遊郭と同じレベルの浄瑠璃や長唄を今日はタダで聞けるのです。横には小車太夫(レプリカ)。
すっかり遊郭のお大尽気分の甚五郎なのです。
奥さんは怒り狂いそうなシチュエーションですが、
奥さんの「おとく」さんは別に怒りもせず、仲居さんの役をやってお酒や肴を準備して手伝います。
「粋(すい)な女房だなあ」と感心してありがたがる甚五郎。夫婦仲はいいのです。
甚五郎はクリエイター、美しいものにほれ込むのは無理のないことです。
色欲のからむ恋愛感情とは少し違うのかもしれません。
※江戸ことばの「粋(いき)」が、趣味のよさや垢抜けたファッションを主に示すのにたいして、
上方の「粋(すい)」は、男女の仲について理解があり、察しがよく、協力的な様子を言います。
どちらも反対語は「野暮」なのは同じです。
「いき」と「すい」の使い分けについては諸説あるかと思いますが、
江戸期の歌舞伎や読み物にふれる上では、上記の理解で間違いないと思います。
さて、楽しく人形を眺めながら飲んでいたら、ふと目を離した間に、人形が動いて移動しますよ。
驚く甚五郎。
はじめは奥さんのいたずらかと思いますが、どうも人形に魂が入ってしまったようです。喜ぶ甚五郎。
ただ、入った魂が男である甚五郎のものなので、動きも甚五郎と同じです。荒っぽいです。ダメだこりゃ。
しかし、甚五郎は小車太夫が落とした鏡を持っていたのでした。鏡は女の魂ですよ。
小車太夫の鏡を人形のフトコロに入れると、人形は急に女らしくなって優雅に踊りますよ。
ここの踊りわけは、お人形の役の役者さんの踊りの力量が試されるところです。
甚五郎とお人形は楽しく一緒に踊ったり、途中でまた鏡が落ちて男性化したりして楽しいです。
この部分は、「長唄」が隣の座敷の宴会の唄で、これも恋の歌なので一応お芝居の内容と合っているのですが、
これに「常磐津(ときわず)」という色っぽい浄瑠璃が「かけあい」で絡み、
こっちが実際に起こっていることを語る、という凝った演出になっています。
ちょっと注意してお聞きになると楽しいかもしれません。
と、
ここから、イキナリまったく違うお話になります。
奥さんのおとくさんが「井筒姫(いづつひめ)をかくまっていることがバレた、役人が来るから姫を逃がさないと」と言います。
井筒姫誰だよ。
以降お人形は箱にしまわれてしまい、出ません。
まあ踊る部分がストーリーとは関係ないサービスシーンで、こっちが本筋なのですが、
前後関係がわからないことに変わりはありません。
「井筒姫」は、「おとく」さんが以前仕えていたお殿様の妹さんです。
一応「足利義照(あしかがの よしてる)」の妹という設定ですが細かいことは無視でいいです。
悪人の「松永大膳(まつなが だいぜん)」が井筒姫を狙っているので
周囲には娘だと言ってかくまっていたのです。
原型のお話ですと「井筒姫」は娘ではなくて姪だということになっており、
京都からやってきたのをしばらくあずかっているという設定で前半に出てきて周囲にあいさつもしています。
じつは好きになったイケメンの「今泉神酒之丞(いまいずみ みきのじょう)」さまを探して江戸までやってきたのです。
もちろん「松永大膳」からも逃げているのですが、主目的はこのイケメン探しで、
そのために「婿探し」をしている、という設定にもなっています。
足利義照に松永大膳とくれば、どう見てもお姫様は「応仁の乱」に巻き込まれているのだと思いますが、
お姫様なのでのんきです。
大膳の家来の悪い役人がやってきます。
「井筒姫」の家来筋なのは妻のおとくさんですから、今始めて井筒姫の正体を知ったフリをする甚五郎。
なんとかごまかして隣の家で待たせます。
原型だと、ここでやってくるのも、前半で出た例のスパイの医者なのですが、医者はもう出ません。
悪い役人たちを足止めしている間に井筒姫を逃がそうとするのですが、
そこに井筒姫の家来の奴さんが入ってきます。
ていうか誰だよオマエ!! イキナリ入ってくるなよ(ストーリーに)!!
そして、井筒姫と一緒にいる甚五郎を姫をさらった悪人だと勘違いしてイキナリ切りつけ、
甚五郎の腕を切り落としてしまいます。
まて。
急展開すぎです。
奴さんは照平(てるへい)と言います。まあいいですけどここまで来たら名前は何でも。
原型ですと、甚五郎は悪人たちに「じゃあ俺が首斬って渡すから」と言って待たせ、
ここで例のお人形の首を切るのです。
そして首桶に入れてニセ首として渡します。
そして、この奴さんの「照平」さんも最初からお芝居に出ており、「田舎からやってきた親類で、居候してまーす」
みたいな説明になっています。
そして、甚五郎が本当に「井筒姫」の首を斬ったと思いこんで、怒って甚五郎の腕を切るのです。
この展開ならばムリがありません。
今は前半に「照平」さんを出すとむしろわかりにくくなるので
多少強引ですが急に入って来る展開になっています。
事情を聞いてあやまる照平。許す甚五郎、
甚五郎は姫を照平に託し、ふたりを逃がすのでした。
ここで、さっきの悪いお侍の手下の、若い大工たちが甚五郎の家に攻め込んできます。
お姫様を守るため、甚五郎は片腕のまま大工道具を駆使して闘います。
この大工道具をいろいろに使った立ち回りが楽しいのです。
闘っているうちに、幕です。終わりです。
この片腕での立ち回り部分は、
「新薄雪物語(しん うすゆきものがたり)」というお芝居の「刀鍛冶正宗内(かたなかじ まさむね うち)」の幕が似た感じです。
というわけで、
「役者さんがお人形に扮してお人形のように動く楽しさ」
「大工道具を使っためずらしい立ち回り」
このふたつに商品価値があるので、ストーリーとしてはかなり断片的で意味不明になってしまいながら、
この作品は今日まで生き残っております。
一応細かく説明書きましたが、
もう細かいところは気にしないで、前半後半それぞれの見せ場を割り切って楽しんでください。
こういうのはむしろ後ろの席で見た方が細かい部分(アラ)が見えないので、より「人形」っぽく見えると思います。
原型のお話はかなり凝ったお芝居仕立てになっていますが、
実際は前後の段があるわけではないらしく、
「応仁の乱」や「業平もの」「お家騒動もの」のお約束をてきとうに組み合わせて
この場面だけ作ったもののようです。
見るほうもこういう「お約束」に慣れていたのでとくに混乱せずにお話について行けたのです。
じっさいワタクシずっと前後の段があると信じており、だいたいの展開も予想していました(笑)。
照平のカノジョは出て着ませんが、お姫様の侍女の誰かで、
ふたりでお姫様と「神酒之丞(みきのじょう)」さまの仲立をしたんだろうなとか
チナミに「神酒之丞(みきのじょう)」というのは、いかにもお家騒動で陥れられる役らしい名前なので
松永大膳の陰謀で盗まれた家宝を探して江戸をさすらっているに違いないとか、
「井筒姫」が「東国」にやってくる展開なので、おそらく彼は「業平」を意識していると思いますが、
たぶん江戸で「生駒」とかいう名前のカノジョをこしらえるに違いないとか、
そういうかんじです(笑)。
=50音索引に戻る=
一応、所作(踊りですね)にカテゴライズされていますが、セリフもストーリーもありますし、踊る場面は全体のほんの一部分ですので、
少々中途半端な舞台です。
とはいえ、たいへん楽しい作品です。
もともとはもっとはっきりお芝居仕立てになっており、前半にもう少しお芝居らしい部分があったのですが、
今はざっくりカットになっています。
一応、いま出る演出を中心に書き、もともとの内容を補足して行こうと思います。
「京人形」とついていますが、舞台はいちおう江戸です。
現行上演だと場所は関係なくなっています。衣装などはどちらかというと上方風俗だと思います。
主人公は、彫物師の甚五郎(じんごろう)さんです。奥さんと娘と3人暮らしです。
主にお人形や小さい飾り物を作っています。
京都の人形、とくに女の子の姿を写した「おやま人形」は、細工が細かくてキレイなので評価が高いですよ。
始まりのところで夫婦の会話がああり、
甚五郎が病気だったこと、今日も医者に行って来たこと、でももうすっかり元気、みたいな話をします。
もともとはこの部分がもっと長く、
甚五郎が病気で前金を取ったまま仕事をしないので業者さんや下請けさんが押しかけてきたり、
さらに大家さんが「うるさいから出て行け」と言ったり大騒ぎなのですが、
今は全部カットです。夫婦しか出ません。
本当は医者が甚五郎を診察に来るシーンもあり、そいつが敵のスパイなのですが、これも出ません。
甚五郎は街で見かけた高級遊女の「小車太夫(こぐるま たゆう)」のあまりの美しさに恋焦がれ、
恋煩いで体調をくずしていたのですが、
このたび小車太夫に生き写しの等身大の人形を彫り上げました。
1/1フィギュアです。昔も今も日本人のやることはあまり変わっていないです。
あこがれの小車太夫のレプリカを作成してご満悦の甚五郎、すっかり元気になったのです。
いまは「病気だった」という設定自体が流されているのでこの事情もカットになっており、
「小車大夫の人形すごいだろう」というかんじのセリフしか出ません。
ノリノリの甚五郎は太夫の人形を相手に晩酌をはじめます。
細かい設定ですが、じつは隣の家で宴会があって有名な大夫さんが来ているという設定で、
なので高級遊郭と同じレベルの浄瑠璃や長唄を今日はタダで聞けるのです。横には小車太夫(レプリカ)。
すっかり遊郭のお大尽気分の甚五郎なのです。
奥さんは怒り狂いそうなシチュエーションですが、
奥さんの「おとく」さんは別に怒りもせず、仲居さんの役をやってお酒や肴を準備して手伝います。
「粋(すい)な女房だなあ」と感心してありがたがる甚五郎。夫婦仲はいいのです。
甚五郎はクリエイター、美しいものにほれ込むのは無理のないことです。
色欲のからむ恋愛感情とは少し違うのかもしれません。
※江戸ことばの「粋(いき)」が、趣味のよさや垢抜けたファッションを主に示すのにたいして、
上方の「粋(すい)」は、男女の仲について理解があり、察しがよく、協力的な様子を言います。
どちらも反対語は「野暮」なのは同じです。
「いき」と「すい」の使い分けについては諸説あるかと思いますが、
江戸期の歌舞伎や読み物にふれる上では、上記の理解で間違いないと思います。
さて、楽しく人形を眺めながら飲んでいたら、ふと目を離した間に、人形が動いて移動しますよ。
驚く甚五郎。
はじめは奥さんのいたずらかと思いますが、どうも人形に魂が入ってしまったようです。喜ぶ甚五郎。
ただ、入った魂が男である甚五郎のものなので、動きも甚五郎と同じです。荒っぽいです。ダメだこりゃ。
しかし、甚五郎は小車太夫が落とした鏡を持っていたのでした。鏡は女の魂ですよ。
小車太夫の鏡を人形のフトコロに入れると、人形は急に女らしくなって優雅に踊りますよ。
ここの踊りわけは、お人形の役の役者さんの踊りの力量が試されるところです。
甚五郎とお人形は楽しく一緒に踊ったり、途中でまた鏡が落ちて男性化したりして楽しいです。
この部分は、「長唄」が隣の座敷の宴会の唄で、これも恋の歌なので一応お芝居の内容と合っているのですが、
これに「常磐津(ときわず)」という色っぽい浄瑠璃が「かけあい」で絡み、
こっちが実際に起こっていることを語る、という凝った演出になっています。
ちょっと注意してお聞きになると楽しいかもしれません。
と、
ここから、イキナリまったく違うお話になります。
奥さんのおとくさんが「井筒姫(いづつひめ)をかくまっていることがバレた、役人が来るから姫を逃がさないと」と言います。
井筒姫誰だよ。
以降お人形は箱にしまわれてしまい、出ません。
まあ踊る部分がストーリーとは関係ないサービスシーンで、こっちが本筋なのですが、
前後関係がわからないことに変わりはありません。
「井筒姫」は、「おとく」さんが以前仕えていたお殿様の妹さんです。
一応「足利義照(あしかがの よしてる)」の妹という設定ですが細かいことは無視でいいです。
悪人の「松永大膳(まつなが だいぜん)」が井筒姫を狙っているので
周囲には娘だと言ってかくまっていたのです。
原型のお話ですと「井筒姫」は娘ではなくて姪だということになっており、
京都からやってきたのをしばらくあずかっているという設定で前半に出てきて周囲にあいさつもしています。
じつは好きになったイケメンの「今泉神酒之丞(いまいずみ みきのじょう)」さまを探して江戸までやってきたのです。
もちろん「松永大膳」からも逃げているのですが、主目的はこのイケメン探しで、
そのために「婿探し」をしている、という設定にもなっています。
足利義照に松永大膳とくれば、どう見てもお姫様は「応仁の乱」に巻き込まれているのだと思いますが、
お姫様なのでのんきです。
大膳の家来の悪い役人がやってきます。
「井筒姫」の家来筋なのは妻のおとくさんですから、今始めて井筒姫の正体を知ったフリをする甚五郎。
なんとかごまかして隣の家で待たせます。
原型だと、ここでやってくるのも、前半で出た例のスパイの医者なのですが、医者はもう出ません。
悪い役人たちを足止めしている間に井筒姫を逃がそうとするのですが、
そこに井筒姫の家来の奴さんが入ってきます。
ていうか誰だよオマエ!! イキナリ入ってくるなよ(ストーリーに)!!
そして、井筒姫と一緒にいる甚五郎を姫をさらった悪人だと勘違いしてイキナリ切りつけ、
甚五郎の腕を切り落としてしまいます。
まて。
急展開すぎです。
奴さんは照平(てるへい)と言います。まあいいですけどここまで来たら名前は何でも。
原型ですと、甚五郎は悪人たちに「じゃあ俺が首斬って渡すから」と言って待たせ、
ここで例のお人形の首を切るのです。
そして首桶に入れてニセ首として渡します。
そして、この奴さんの「照平」さんも最初からお芝居に出ており、「田舎からやってきた親類で、居候してまーす」
みたいな説明になっています。
そして、甚五郎が本当に「井筒姫」の首を斬ったと思いこんで、怒って甚五郎の腕を切るのです。
この展開ならばムリがありません。
今は前半に「照平」さんを出すとむしろわかりにくくなるので
多少強引ですが急に入って来る展開になっています。
事情を聞いてあやまる照平。許す甚五郎、
甚五郎は姫を照平に託し、ふたりを逃がすのでした。
ここで、さっきの悪いお侍の手下の、若い大工たちが甚五郎の家に攻め込んできます。
お姫様を守るため、甚五郎は片腕のまま大工道具を駆使して闘います。
この大工道具をいろいろに使った立ち回りが楽しいのです。
闘っているうちに、幕です。終わりです。
この片腕での立ち回り部分は、
「新薄雪物語(しん うすゆきものがたり)」というお芝居の「刀鍛冶正宗内(かたなかじ まさむね うち)」の幕が似た感じです。
というわけで、
「役者さんがお人形に扮してお人形のように動く楽しさ」
「大工道具を使っためずらしい立ち回り」
このふたつに商品価値があるので、ストーリーとしてはかなり断片的で意味不明になってしまいながら、
この作品は今日まで生き残っております。
一応細かく説明書きましたが、
もう細かいところは気にしないで、前半後半それぞれの見せ場を割り切って楽しんでください。
こういうのはむしろ後ろの席で見た方が細かい部分(アラ)が見えないので、より「人形」っぽく見えると思います。
原型のお話はかなり凝ったお芝居仕立てになっていますが、
実際は前後の段があるわけではないらしく、
「応仁の乱」や「業平もの」「お家騒動もの」のお約束をてきとうに組み合わせて
この場面だけ作ったもののようです。
見るほうもこういう「お約束」に慣れていたのでとくに混乱せずにお話について行けたのです。
じっさいワタクシずっと前後の段があると信じており、だいたいの展開も予想していました(笑)。
照平のカノジョは出て着ませんが、お姫様の侍女の誰かで、
ふたりでお姫様と「神酒之丞(みきのじょう)」さまの仲立をしたんだろうなとか
チナミに「神酒之丞(みきのじょう)」というのは、いかにもお家騒動で陥れられる役らしい名前なので
松永大膳の陰謀で盗まれた家宝を探して江戸をさすらっているに違いないとか、
「井筒姫」が「東国」にやってくる展開なので、おそらく彼は「業平」を意識していると思いますが、
たぶん江戸で「生駒」とかいう名前のカノジョをこしらえるに違いないとか、
そういうかんじです(笑)。
=50音索引に戻る=
菊之助さんの踊りが、ものすっごくよかったです。鏡を懐にいれた途端ふわっと、しなっとなる感じ、そしてぺとりと鏡を落とすと、堅い木に戻ってしまう感じ、ほんとにおもしろかったです。
女房おとくを萬次郎さんがやってましたが、まさに粋(すい)な女房でして、この粋(すい)という言葉使いも気になってました。なるほど。
確かに、京人形がそそくさをしまわれて、姫がいきなり出てくる感じは、どっちかっていうとやっぱり余計でいらないと感じました。もっと京人形が踊ってくれるところを観たかったです。