「新薄雪物語」しん うすゆき ものがたり「新薄雪物語」しん うすゆき ものがたり =1=
書いてみたら長いので3つに分けました。長くて申し訳ありません。
「清水寺花見」はここです。
「伊賀守館(いがのいかみ やかた)」「三人笑(さんにんわらい)」は=こちら=です。
「刀鍛冶正宗内(かたなかじ まさむね うち)」は=こちら=です。
タイトルに「新」と付くのと、ほかの古典歌舞伎に比べてあっさりし . . . 本文を読む
作品の解説は別に書きます。 =こちら=です。
作品内の有名な「厄払い」のセリフの解説と全訳です。
主人公のひとり、美貌の女装青年のドロボウ、その名も「お嬢吉三(おじょうきちさ)」が、夜鷹(よたか、当時の路上晩春婦です)を殺して百両奪ったあと、
ゆったりと唄いあげる名文句です。
月も朧に白魚の 篝(かがり)もかすむ 春の空
つきもおぼろに しらうおの かがりもかすむ はるのそら
冷てえ風にほろ . . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
よく出る「大川端(おおかわばた)」のシーンと細かいウンチクはここです。
河竹黙阿弥(かわたけ もくあみ)の名作です。
「吉三(きちさ)」というのは、「吉三郎(きちさぶろう、きっさぶろう)」という名前の略ですよ。「きちぞう」とは読みません。
3人の「吉三」が出てくるものがたりです。
「和尚吉三(おしょう きちさ)」
「お坊吉三(おぼう きちさ) . . . 本文を読む
前半、「大川端」の解説と、細かいウンチクは=こちら=です。
1万文字超えたので分けました、すみません。
ここは通し上演のときの後半部分です。筋が入り組んでいるので少し細かく書いてあります。
・「土左衛門伝吉内」どざえもん でんきちない
この「内」というのは「○○さんの家の中」みたいな意味です。
下手に出入り口がある、だいたい決まった形の家のセットがあるので、その中でお芝居が進行する幕、と思えば . . . 本文を読む
・九段目「大石最後の一日」
最後の段です。
いちばん出る段だと思うので詳しめに書きます。
八段目もそうだと思うのですが、
この段も、関係した屋敷の内部の人間による、覚え書きがあり、それが底本になって作品が作られます。
なので先行作品の同一場面とどうしても似てしまう、ということについての断り書きが冒頭にあります。
さらにこのあと作られる忠臣蔵ものも、
史実に即したものを作るとどうしても似た内 . . . 本文を読む
六段目「南部坂雪の別れ」、七段目「吉良屋敷裏門」、八段目「千石屋敷」は、ここです。
・六段目 「南部坂雪の別れ」
前段からずいぶん時間がたって、
元禄十五年の12月13日です。
討ち入りの前日になります。
9ヶ月間ずっと大石は、浅野家再興の話が立ち消えるのを待ちながら
吉良を確実に討てる機会を待っていたことになります。
まず、高輪泉岳寺(たかなわ せんがくじ)の場面から始まります。
泉岳寺 . . . 本文を読む
四段目「伏見撞木町」、五段目「御浜御殿綱豊卿」は、ここです。
・四段目 「伏見撞木町(ふしみ しゅもくちょう)」
京都の撞木町といえば有名な遊郭町ですし、
場面は従来の「忠臣蔵」でいうと七段目にあたるところなので、
華やかは遊郭のセットを想像してしまうのですが、
元禄末期の撞木町は遊郭が何軒かある以外はえらく荒廃していたそうで、
舞台面も原っぱに川、橋、というかんじです。
前半は大石は出てこ . . . 本文を読む
「時平の七笑」(しへいの ななわらい)の別称でも知られています。
タイトルどおり、藤原時平(ふじわらの ときひら)が出る、
つまり菅原道真(すがわらの みちざね)も出る、平安時代の政変を題材にした作品です。
江戸時代の作品なので、一応長いのですが、
今はこの「七笑い」の場面しか出ません。
全部出した場合のおおまかな設定や流れは、
名作「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅ てならいかがみ)とほぼ . . . 本文を読む
2013年11月、大幅に加筆しました。
読み返してみたら前のわかりにくかった…。申し訳ありません。
一段ずつ書いてあります。
クリックすると各段のページが開きます。
・全体の説明と、大序(だいじょ)
・二段目 桃井若狭介屋敷(もものい わかさのすけ やしき)
・三段目 進物場(しんもつば)、刃傷場(にんじょうば)
・四段目 判官切腹(はんがん せっぷく)
・道行旅路花婿(みちゆき たびじのはな . . . 本文を読む
全体についてのおおまかな説明と「大序(だいじょ、序段のことです)」の解説です。
「忠臣蔵」じたいは、テレビの時代劇でときどきやるので、なんとなく筋はおわかりのかたも多いんじゃないかと思いますが、
まあ、江戸時代の作品でございますので、
当時は幕府が風紀の取り締まりにうるさかったので実際の事件をそのままネタにすることができず、
表向き「太平記」の設定を使っております。
なので、歌舞伎の「仮名手本忠 . . . 本文を読む
全体についての説明と、登場人物名の史実との対応一覧は、
「序段」ページにありますよ。
桃井若狭助館 もののい わかさのすけ やかた
「松切りの場」と呼ばれます。
現行上演めったに出ません。通し上演のときでもこの二段目はカットです。出せよ、討ち入りなんか出すヒマあったらさあ。
ていうか、歌舞伎と違ってノーカットが売り物のはずの文楽の通し上演ですら、前半カットしてました。
マジですか、出そうよ . . . 本文を読む
全体についての説明と、登場人物名の史実との対応一覧は、
「序段」ページにありますよ。
ここが有名な刃傷場(にんじょうば)です。さあ斬るぞ、松の廊下で。
動きだけだとわかりにくいかもしれないので、「セリフ聞き取れない」前提で説明書きます。
まず前半です。
「進物場」しんもつば と呼ばれます。
京都(室町幕府があったころ)から来た足利直義(ただよし)の逗留と饗応のために新しく御殿が作られ . . . 本文を読む
「道行旅路花婿」みちゆき たびぢのはなむこ
「仮名手本忠臣蔵(かなでほん ちゅうしんぐら)」の、
長いお話の一場面を、所作(しょさ、踊りね)としてアレンジした舞台です。
「道行(みちゆき)」というのは、登場人物が何らかの目的で旅をするシーンを、所作(しょさ、踊りですよ)で表現するものです。
恋人同士の逃避行が多いですが、いろいろなバリエーションがあります。下のほうでもうちょっと詳しく書きます。 . . . 本文を読む
全体についての説明と、登場人物名の史実との対応一覧は、
「序段」ページにありますよ。
切腹場です。さあ切るぞ(おい)
塩治判官(えんや はんがん)のお屋敷が舞台です。
塩治判官(えんや はんがん)は、史実の浅野内匠守(あさの たくみのかみ)にあたりますよ。
三段目で高師直(こうの もろのう、吉良上野介ですね)のイジワルに耐えかねて刀を抜いて斬りつけた塩治判官(えんや はんがん)は、、
. . . 本文を読む
全体についての説明と、登場人物名の史実との対応一覧は、
「序段」ページにありますよ。
三段目に出てきた、塩治判官(えんや はんがん 浅野内匠守ですよ)の家来の若侍、早野勘平(はやの かんぺい)くんが
この段の主人公です。
恋人の腰元お軽ちゃんにさそわれたので、つい職場放棄していたら、その間に主君の判官が城中で刃傷沙汰、
お城の外でフラフラしていた勘平は城中にも入れず、塩治(えんや)のお屋敷にも戻 . . . 本文を読む