文字のゴチソウ「食問答」にようこそ。
食問答では食に関する疑問や不思議な事を問題提起、そして解決をしていこうと言うコラムです。
50音順に始まる言葉をチョイスし、その言葉から連想されるモノについて色々考えていこうと思います。
第三問目は「う」です。
“うに”に“うろこ”に“うぐいす”“ういろう”いろいろあります。でもやっぱり“うまい”これにしましょうか。
実はこの原稿、7回書き直しています。というのが、「美味い」とは本当に考えれば考えるほど奥の深いもので、もっと簡単なテーマにしようと思いましたが、これは自分に課された試練だと思い、思い切って取り上げてみました。
まず、「美味いとは何か」こんな哲学的な問題、どう解きましょう。
今まで「美味い」をさんざん姿を変えて使ってきましたが、「美味い」とはどういう事をさすのでしょう。
美味いとは簡単に使いますが、この言葉は「わび・さび」のような意味の曖昧な言葉と同じで言葉の概念規定が無いように思います。
いろんな人が「美味いとは何か」を説明しているのですが、的確に示しているのはあまりありません。
数少ないなるほどと納得して思ったのは、ある人は「美味いとは香りがよいこと」またある人は「美味いとは心と体を満足させてくれるもの」と明言しています。
僕が考えるに「美味い」とは「五感を喜ばせてくれるもの 」だと思います。
五感とは視・聴・嗅・触・味の五つの感覚のことです。
まず視。
どんなすばらしいお料理でも目隠しで食べると味そのものがしっかりととらえられない状態に陥ります。
めちゃイケのコーナーでもありますよね。
続いて聴。
あの肉が焼けるジュージューとしたシズル感。たまりません。
揚げ物のパリッ、サクッと言った音。あれが無ければよろしくありませんね。
そして嗅。
風邪を引いているときにいくら高級ワインを飲んでも本当のすばらしさがわからないと思います。
さらに触。
果物のサクッとした感じや、トロが舌の上でとろける瞬間の感触は同じ味でも液体のそれになると味気ないものになってしまいます。
最後に味。
舌にある味雷の味覚細胞が味情報を受け取り、味覚神経線維を介して脳に伝達して「快い」か「そうでないか」を判断します。
簡単に五感の作用を説明しましたが、このうちのほとんどを満たしたものが、「美味い」と認識されると思います。
どれも独立した一つだけでは「美味い」とは結びつかないでしょう。
この五つの感覚が結びついて初めて頭の中で「美味い」と認識されると思います。
その五感を喜ばせるために持っている要素がそのモノに含まれていればそれは「美味いもの」の前提になりうるわけです。
僕が尊敬する桂枝雀師匠は「笑いとは緊張の緩和である」とずっと言い続けていました。
なるほどなぁ、これは長年考えてやっと導き出した定義だと思います。
僕も今はまだ「五感を喜ばせるもの」としか定義していませんが、これから人生進んでいくうちにいろんな経験をして「美味いとは何か」を美味く説明できればいいと思います。
ごぞんじ。
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第三問目は「う」です。
“うに”に“うろこ”に“うぐいす”“ういろう”いろいろあります。でもやっぱり“うまい”これにしましょうか。
実はこの原稿、7回書き直しています。というのが、「美味い」とは本当に考えれば考えるほど奥の深いもので、もっと簡単なテーマにしようと思いましたが、これは自分に課された試練だと思い、思い切って取り上げてみました。
まず、「美味いとは何か」こんな哲学的な問題、どう解きましょう。
今まで「美味い」をさんざん姿を変えて使ってきましたが、「美味い」とはどういう事をさすのでしょう。
美味いとは簡単に使いますが、この言葉は「わび・さび」のような意味の曖昧な言葉と同じで言葉の概念規定が無いように思います。
いろんな人が「美味いとは何か」を説明しているのですが、的確に示しているのはあまりありません。
数少ないなるほどと納得して思ったのは、ある人は「美味いとは香りがよいこと」またある人は「美味いとは心と体を満足させてくれるもの」と明言しています。
僕が考えるに「美味い」とは「五感を喜ばせてくれるもの 」だと思います。
五感とは視・聴・嗅・触・味の五つの感覚のことです。
まず視。
どんなすばらしいお料理でも目隠しで食べると味そのものがしっかりととらえられない状態に陥ります。
めちゃイケのコーナーでもありますよね。
続いて聴。
あの肉が焼けるジュージューとしたシズル感。たまりません。
揚げ物のパリッ、サクッと言った音。あれが無ければよろしくありませんね。
そして嗅。
風邪を引いているときにいくら高級ワインを飲んでも本当のすばらしさがわからないと思います。
さらに触。
果物のサクッとした感じや、トロが舌の上でとろける瞬間の感触は同じ味でも液体のそれになると味気ないものになってしまいます。
最後に味。
舌にある味雷の味覚細胞が味情報を受け取り、味覚神経線維を介して脳に伝達して「快い」か「そうでないか」を判断します。
簡単に五感の作用を説明しましたが、このうちのほとんどを満たしたものが、「美味い」と認識されると思います。
どれも独立した一つだけでは「美味い」とは結びつかないでしょう。
この五つの感覚が結びついて初めて頭の中で「美味い」と認識されると思います。
その五感を喜ばせるために持っている要素がそのモノに含まれていればそれは「美味いもの」の前提になりうるわけです。
僕が尊敬する桂枝雀師匠は「笑いとは緊張の緩和である」とずっと言い続けていました。
なるほどなぁ、これは長年考えてやっと導き出した定義だと思います。
僕も今はまだ「五感を喜ばせるもの」としか定義していませんが、これから人生進んでいくうちにいろんな経験をして「美味いとは何か」を美味く説明できればいいと思います。
ごぞんじ。
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