斬剣次郎の鉄道・バス斬り

 拙者、斬剣次郎である。たった今から、鉄道・バスを斬る

新型エアロスター(MP38系)登場

2014年08月24日 19時35分07秒 | バス
 三菱ふそうの
 エアロスター
 について、フロントデザインの一新などが行われた新モデルを発売し、7月頃から順次各事業者に納車され、走り始めました。特にノンステについて、多数のマイナーチェンジが行われ、型式もMP37系からMP38系へチェンジしました。そんな新型エアロスターについてみてみましょう。




 新型エアロスターでは
 フロントデザインの一新
 が行われましたが、前面灯が左右各2灯から各2灯にまとめられたことが最大のポイントで、同時に視認性や寿命に優れているHIDライト(ディスチャージヘッドランプ)が標準になりました。でも、灯火器規制により、前面灯が左右各1個でなければならなくなるので、それを機にモデルチェンジした感じでしょうか・・・。でも、モデルチェンジにより、以前より重層な感じになったと感じています。今回のモデルチェンジにより、バンパー上のお掃除ステップが拡大されたこともポイントです。
 ただ、新しいデザインに対して、各事業者のカラーデザインをどう対応していくかも見どころですね・・・。



 HIDライトを点灯した時のものです。HIDライトは観光バスタイプでは標準になっていますが、一般路線車は名鉄バスがほとんどの車両に対して交換したぐらいでまだ一般的ではありません。でも、三菱ふそうはそこに一石を投じた感じなので、他のメーカーが追従するか、また現場はどう評価するかこれからの見どころですね・・・。





 新型エアロスターでは
 ノンステエリアの拡大
 が行われています。MP37系と比べてホイールスペースが195~250mm拡大されています。そのため、前中扉間の窓配置に変化が起きています。上の写真はM尺ですが、逆T字窓のサイズが大きくなっています。中の写真はK尺ですが、MP37系では逆T字窓と固定窓の組み合わせだったのが2つとも逆T字窓になっています。尚、前中扉間に側面行先表示器を取り付けた場合、もうひとつの窓は固定窓になるのですが、サイズが少し大きくなっています(下の写真)。
 ノンステエリアの拡大により、非公式側について、座席を5席設置することが可能になりました。これまでは4席が限界で、床のかさ上げなどで5席に対応する程度でした。



 新型エアロスターでは
 給油口
 が地面から約120cmと高くなりました。これは安全かつ楽な姿勢で給油できるように配慮しているのことだそうです。そのため、前タイヤの後ろにタンクが設けられています。給油口について、低床化対応で給油口が低い位置になっていたので、これを改善するという意味合いもあるのでしょうか・・・。尚、このチェンジはノンステのみで、ワンステは従来通りです。因みにこれは左側給油の時のものですが、右側給油についてオプションで設定されているので、どんな形になるのでしょうね・・・。


 給油口の見直しにより、これまで給油タンク設置のために床のかさ上げが必要だったものが不要になったため、優先座席について前向き座席の設置が可能になりました。写真のM尺では3脚が設置されています。特に最後尾は後ろが出入口なので乗客とぶつかるのを考慮してなのか背ずりが高くなっています。
 因みにオプションで横向き座席にすることも可能で、着席人数は従来通りです。



 新型エアロスターでは
 反転式スロープ板
 が採用されています。今のノンステのスロープ板は着脱式が標準になっているのですが、着脱式はスロープ板の取り出しなどで手間がかかっており、反転式にすることによりスピーディに作業ができるようにしたことがポイントでしょうか。
 スロープ板といえば、初期は電動式が多かったのが故障多発を理由に着脱式になった経緯があり、ある意味変化点になりますね・・・。因みにオプションで着脱式も設定されています。


 運転席です。基本的にMP37系と変わりなく、排ガス規制記号もQKG代のままです。
 尚、ワンステやツーステについてはフロントデザインの一新が行われたものの、基本的な仕様は従来通りだそうなので、型式もMP35系のままです。


 MP38系が最初に納車されたのが神奈中ですが、最初に営業運転を開始したのが
 名鉄バス
 です。名鉄バスではQKG-MP38FKが各営業所に投入されています。名鉄バスはこれまでM尺を入れていましたが、今回から短尺のK尺が選択されています。どういったいきさつでK尺になったのかは謎ですが・・・。尚、名鉄バスでは三菱重工製クーラーが採用されていますが、MP38系でもオプションで設定されているようですね・・・。




 東急バス
 に入ったQKG-MP38FKです。東急バスでは事業計画のところに新型エアロスターのスケッチが載っていましたが、そのまま投入されました。新型エアロスターになっても側面行先表示器が前扉後ろ、そして銀色の窓サッシはそのまま採用されています。


 帝産湖南交通
 に入ったQKG-MP38FMです。M尺の初投入先は帝産湖南交通となりました。更に関西での初投入先は意外と帝産湖南交通でした。この車両については後ほど別記事にてレポートします。

 車庫内及び車内での撮影については事務室の許可をいただいております。また、本ブログへの画像の使用についても許可をいただいております。
 以上です。

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (冬みかん)
2014-08-24 22:43:14
関西初は帝産でしたか!
意外ですね。神姫かなーと思ってたんですが……
前のエアロが割とどんな色でも馴染むデザインだったのに対して、新エアロはかなり塗装を選びそうなデザインですね。特にバンパーの形状が特殊なあたり、今後投入される各社がどう塗り分けるのか楽しみです。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2014-08-25 01:22:45
 冬みかん様
 コメントありがとうございます。

 関西初は帝産バスのことで意外でした。関西といえば阪急バス、神姫バスなどが多数入っているので、そっちが先かと思ったのですが・・・。
 新型エアロスターのバンパーにおける塗り分けについて、各事業者で色々試行錯誤しているような感じですね。名鉄バスではいくつかの塗り分けを行って検討したみたいですし・・・。
返信する
3代目のエアロスター (クロネコヤマト)
2014-09-19 20:04:44
別のところでも書かせて頂きましたが、初代のエアロスターも残っている帝産湖南交通に阪急バス・神姫バスより早く、3代目のエアロスターが入ったので、ビックリしました。
地元の阪急バスでも3代目のエアロスターを見たいし、バスコレ等のバスミニカーでも3代目のエアロスターを作って欲しいですね。

バスラマの特別号でエアロスターが登場してから30年になりますが、この30年間に製造されたエアロスターのそれぞれの形式の製造台数を見ましたが、1ケタしか作られなかった形式もあるんですね。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2014-09-25 03:49:06
 クロネコヤマト様
 コメントありがとうございます。

 エアロスターの中で生産台数が数台しか作られなかった車両ってある意味レアな存在なんでしょうね。
返信する
新型エアロスターの大阪府内での導入第1号は阪急バスでは無かった〓 (クロネコヤマト)
2014-11-06 23:36:04
題名の通り、新型エアロスターの大阪府内の導入第1号は、阪急バスではありませんでした。

新型エアロスターの大阪府内の導入第1号が阪急バスでは無く南海バスであると知ったのは、あるTwitterの記事でした。
その新型エアロスターの大阪府内の第1号は、南海バスの堺営業所に入ったノンステ車で、南海バスとして初の「ゲテノン」車みたいなんです。
画像ではリアしか写っていないので、フロント部分をみたいですね。
カラーは現在の通常カラーです。
大阪府内での第1号車は、南海バスになりましたが、兵庫県内・京都府内の導入第1号を楽しみにしたいです。
特に、京都府内に入った2代目エアロスターの「ゲテノン」車の導入は阪急バスだけですし(京阪バスの「ゲテノン」車は滋賀地区に入っています)、「ゲテノン」車を含む2代目エアロスターは京都市内を中心にしか走っていないので、京都府内のエアロスターの導入は、阪急バスの他、京都市バス・京阪バス・西日本JRバスと限られてきますよ。(京都バス・丹海バス[丹後海陸交通バス]では、Jバス製ですからね。)

阪急バスで新型エアロスターは絶対に入ると思いますが、年内での導入が難しくなったと自分自身そう思っています。
返信する
帝産湖南交通のエアロスターに、後から「FUSO」のステッカー等が… (クロネコヤマト)
2014-11-10 00:56:44
この記事を管理人さんが書いたのは8月ですが、9~10月にかけて発売した「バスラマ」の新型エアロスターの発売特別号や「バスマガジン」にも帝産湖南交通に入った新型のエアロスターが載っていますが、その写真を見ると管理人さんが撮影した後に「FUSO」のエンブレムや三菱のスリーダイヤモンドマークが付けられています。

ワンステ車とノンステ車に貼られている車椅子のステッカーは、フロント部分・乗車口の他に、リアの部分でも貼られていますが、この帝産湖南交通のエアロスターのノンステ車は、リアには貼られていなくて、なぜなのか分かりませんが、車体右側面のエンジンルーパー辺りに貼られています。
返信する
車体左右のウインカーが〓 (クロネコヤマト)
2015-03-28 23:48:45
エアロスターの2代目後期のノンステ車(PKG・LKG・MP37系のQKG車)を導入していた車両と新型エアロスターをよく見ると、車体左右のウインカーの位置は少し後ろになっています。
ウインカーの位置が少し後ろになっているのは、バス好きの方だったら誰でも分かりますが、阪急バスや神姫バス・神奈中などのエアロスターのノンステ車で見たら分かるのですが、2代目で付けられていた位置から、わずか数cm高い所にずらして取り付けられています。

阪急・神姫・神奈中では窓際にライン等が入っていますので、2代目後期のノンステ車(PKG・LKG・MP37系のQKG車)と新型エアロスターのノンステ車を車体の左右を比べたら、新型エアロスターの車体左右のウインカーは若干高いなぁと思う人がいると思います。
返信する

コメントを投稿