きのうは憂国忌であった。
1970年11月25日、
三島由紀夫と楯の会メンバーが
市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部を占拠し
昭和維新の必要性を訴えたが
自衛隊の支持を得られずその場で割腹自決した。
「われわれ楯の会は自衛隊によって育てられ
いわば、自衛隊はわれわれの父であり、兄でもある。
その恩義に報いるにこのような忘恩的行為に
出たのは何故であるか・・・・・・・・云々」
長い檄文をテレビで聞いていて
当時28歳のぼくには今、何が起きているのか解からなかった。
戦後の日本人の精神の在り方,
武士道の美学を
命を賭して訴えたのである。
そのあとを追うように二年後、ガス自殺した川端康成にも
少なからず影響を与えたものと思う。
あれから時代が経つほどに
その憂いが現実となってひしひし身に迫ってくる。
知行合一を旨としてその美学に殉じた
ラストサムライ、三島由紀夫・・・・・・
せめて彼の好きだったワーグナーなどかけてあげようか。
憂国忌のひと日ぼんやり過ぎにけり