人間、
還暦過ぎたら自分自身の人生を生きても
許されることと思う。
これまでの社会人としての生き方から一歩離れた人生、
世俗的なしがらみから抜け出して
ほんとうの自分探しの人生・・・・。
五木寛之氏の著書『林住期』の中でも
人生の仕上げに向けての大事な時期を示唆している。
〈 何の役にも得にもならないことを・・・ 〉 と、
友人たちの揶揄が今にも聞こえてきそうだが
林住期に該当するぼくは
徐々に不義理を重ねながら
下手な詩をせっせ、せっせ、書き綴っている。
抒情詩や叙事詩、あるいは社会派のような
沢山なスタイルの詩が氾濫しているが
ぼくの書くものはそのどれにも属していないような気がする。
より私的で視座の狭い作品である。
しかし、それが自分なのであるから
それでいいと考えている。
誰のためでもなく
自分自身のために書いている。
もしかしてぼくの詩作は写経のようなものかもしれない。
テレビ消して虫の思ひを思ひけり やす