はじめての歌舞伎。
子供のころは、いや若いときは、「歌舞伎なんて古臭い」って決め付けて、何やってるのか何言ってるのかよくわかんないし・・・で、歌舞伎役者さんたちは知っていても演目も主なものは知識としては知っていても歌舞伎自体を見に行くほどには興味も持てず。
それが。
猿之助さんのスーパー歌舞伎が気になり、友人からコクーン歌舞伎の話を聞き、三谷幸喜さんってことで思い切ってチケット取ろうとしたけど外れたPARCO歌舞伎をwowowで見て、コクーン歌舞伎「四谷怪談」もwowowで見て・・・。
比べ物にならないほど歌舞伎への興味は大きくなってきてはいたけどそれでもまだ直接見に行きたいってほどでもなく。チケットとっても2ヶ月も前だとその日に家人が休めるか、また私も有休取れるか不安だし。・・・高いし。幕見の券も知っているけど、当日販売だから行って買えないと、ねえ。そう、wowowでNHKで放映してるし。ゆっくり見れるし。
が!
山本さんの舞台から生の舞台のその楽しさ面白さに目覚めた私には、それを家人にも味あわせたい気持ちもあり、では、と探していたら飛び込んできたのが、ず~っと前から気になっていた「コクーン歌舞伎」のぴあのプレリザーブのお知らせメール。来たときに即決だった。
で『三人吉三』。
はあ~。
様式美。色。艶。
切れない因縁。親子兄妹愛憎敵。陰。闇。
どこへ行くどこにも行けないどうにもならない・・・
切なさ哀しみ・・・
日本人でよかったなあと、なんだか思う。なぜだろう。
日本人だからなんだろね。
チケットは確かに高かった。でも、それだけのことがあった。初心者にはまったくもって“魅惑的な”舞台で、すっかり歌舞伎が気になってしまって、はまるかも・・・どうしよう、もうすでに歌舞伎座の公演が気になっている私。そう、正統の歌舞伎が見たくなって。もちろんコクーン歌舞伎がそうではないと言うことではけっして、けっしてない。
そう、あの、たぶんほとんどの人が知ってると思うきめ台詞「月もおぼろに白魚の・・・こいつは春から縁起がいいわいええ」は、このお芝居だったんだってことも、事前予習で知って、わくわくドキドキしながら見入ってしまって。気づけば息止めてた自分。
笑って泣いて。
堪能。
至福の3時間半。
勘三郎さん・・・私の年代では「勘九郎」のほうが馴染み深い。それこそ子供のころから両親祖父母親戚の話題に乗らないことはなかった。興味はなくとも自然とTVで“見知った顔”だった。ほんと、大きくなって・・・って、なんだか変な感じで(ヲイ!)。いや、ほんと、小さいときから刷り込まれてきたおかげで、もっとも身近な歌舞伎役者さんでmそしてやっぱりすごい方だった。今からタイムトリップして、当時の親たちの話に加わりたい気分。
もちろん他も知ってる方たちばかりで。橋之助さんは、もう、なんとも素敵だし、福助さんは妖しいし、七之助さんはまあきれいな女形で、そしてへーすけ立派になって・・・いや勘太郎さんにも感服。
・・・演じているのも親子兄弟だわっ。