
アンプの故障で、永らく”休演”していた私のステレオを、ひょんなことでアンプを借りたことで“復活”。永年なじんできた懐かしい音に触れてしばらく心が休まりました。ふっくらとした温かい音色に包まれると、少し若さをいただいたかなと思ったりします。思えば、独身寮時代、1965年ごろ、雨の休日を持て余していた私に隣室の友にオーデイオを手ほどきしていただきました。狭い部屋に装置を運び込むとベッドの耳元で鳴る美しい音に魅かれていきました。それから雑誌「レコード芸術」を繰りながら月一枚のペースでLPを買いました。そしてざっと20年、レコードはずいぶん溜まり置き場に困るようになりましたが、自営業に転換してから、オーデイオは遠ざかっていき、時々聴くもメンテをしないで、ついに数年前にアンプがお陀仏、今はお荷物でした。それがアンプを借りることができて突然、音がよみがえり、誇りをかぶっていたLPを取り出して往時を追体験しています。今は技術革新の時代、昔の道具は遠慮なく断捨離されます。長時間使えるLEDや、万能機のスマホが大活躍するこの時代、我々高齢者にとって、その便利さよりも古き時代を生々しく振り返り、アナログの匂いを嗅いでいる自分の方が安らぎを感じます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます