鎌倉の北西辺りというと、化粧坂の切り通しから葛原岡、台を経て天神山あるいは洲崎で平地に出る。
鎌倉を取り巻く山襞は複雑に出入りしながら南へと続いている。
さて、鎌倉の西はどうだろう。
笛田、梶原辺りからまっすぐ西へと向かう平地があり、手広、川名と田園地帯が続き、境川(すぐ上流で大船からの柏尾川が合流)を渡ると藤沢だ。
西から鎌倉を目指してきた人々は、この境川を越えたところで南へと連なる丘陵地帯に出会う。
単なる岡ではない。
山際が掘削されて、切岸とされている。
即ち高さ20メートルほどの壁が江の島近くまで続いているのだ。
その北端部に、新林公園がある。
谷戸を整備し、古い家を移築して、江戸時代の農村風景を再現している。
ちょっと違うのは、綺麗な池や庭園だろう。
遊具を備えた平場もある。これらは興ざめだが、まあいい。
上の写真は、谷戸を構成する山襞の上。即ち切岸の上からの眺め。
今は展望台とされているが、おそらくその昔も監視のための施設が置かれていたと思う。
この西はずっと平地で、藤沢のかなり先まで見渡せるのだ。
この下に幾段かの平場がある。
ここに武家の屋敷があって良いだろうと普通に考える。