放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

アムド高地旅(6)ハダカムギと文明的中国汽車

2020年01月28日 | 2018年アムドの旅
夏河や合作、郎木寺などのアムドエリアに、高速鉄道が通るらしいという情報を見た。
僕が旅をした2018年には、夏河や合作までは鉄道工事をしていたけれど、もう少し路線が伸びて郎木寺まで通る時代になってくるとは。
バスでチョコチョコ移動している時代は終わりそうですな…。


という話題はさておき、旅の続き。


拉卜楞寺の観光を終えて、町を散歩していたらスーパーを見つけた。
明日の移動用の食料や水などを買っていたら、


酒のコーナーに、こんなにおいしそうな甕が並んでいるではないか。

チベットでよく飲まれているという青稞(ハダカムギ)の酒だ。
高地にいることは知っていたが、息がきれるほどではないので、大丈夫だろうと、試しに購入。量り売り。


ポリタンク的なものは大きいけれど、お試しで500ml程度(お試しの量ではない…)。

宿に戻って飲んでみたが、喉元でカーーッとなる、白酒のような。
風味もめちゃくちゃいいということもないので、酔うための酒って感じ。
嫁さんは高地順応のため、まったくアルコールは飲んでいなかったので、一人で空けようと思ったが、さすがに無理で青島ビールに逃げました。



夜は、我が寝床の隣に建つゲストハウス的な飯店付属のレストランにて。
英語メニューも置いているので、欧米人も客が多かった。


夏場だが、夕方になるとほどよく冷え込んできたため、鍋物を注文。



セロリとキクラゲの炒め物。
こんな高地でもセロリ採れるのかと思ったが、もちろん下界からの輸入品。



そして、チベットの主食といえば、このツァンパ。
これも酒と同様、ハダカムギからできていて、粉をバター茶やお湯で練って食べる。
正直いうと、僕が人生で食べてきたもののなかでも、主食という枠内では、ワーストにまずい。こんなものを一生食べなければいけないチベット人の生活は、まさに修行だなと心から思う。
レストランでは、一応何かの型で美しく形成されていた。
もしかしておいしいのかもしれないと、一口食べたが、口の中で脂っこいものがモッサモサといつまでも居続けるその味は、ザ・ツァンパであった。
嫁さんは、これを案外イケるわーとおいしそうに完食。まじかよ。



翌朝。


バスターミナル横の飯屋で肉まんの朝食をとり、いよいよ出発。



バスは、普通に近代化したもの。
そういえば、僕が中国を旅し始めた20年ほど前は、長距離バスといえば寝台バスで、最後尾には5人か6人が雑魚寝するタイプのベッドがつけられていたり…。車内でもタバコの煙がモックモクでえらい苦労したり…したことがあったが、さすが21世紀、中国も文明的になっておりました。


今回驚いたのは、バスに乗る際に大きな荷物はバスの下の荷台に入れるのだけれど、中国人の荷物が軒並み少なめになっていたことと、乗客がさっさと自分の荷物を荷台に入れたら、すぐに座席に座って車内で発車を待っていたこと。
荷物が少ないってことは、目的地の田舎でも物資が簡単に手に入るようになっているからだろうし、荷台から目を離しても安心しているのは、盗人の類がいなくなっているからだろう。
それに、マナーの悪い連中がほとんどいなかった。
もう日本で長距離バスに乗っているほうがマナー悪いやつを目にするくらい。





バスが出発したら、たいてい町を離れる直前でガソリンスタンドに寄って給油したり、道端で手を挙げる農民どもをこれでもかと途中停車で乗せまくったりするのが、田舎のバスだと思っていたが、今回はこれもなし。
なんか拍子抜けするわ。
座席の間隔も広いし、ガンガン飛ばすけれど、道はフラットだし。
楽になったなあ。


(つづく)

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