放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

アムド高地旅(5)牛肉麺と拉卜楞寺

2019年12月27日 | 2018年アムドの旅
中国は朝が早い。
なぜ中国人はあれだけ朝早くから動こうとするのだろうか。
よくわからないが、中国を旅していると、つられて朝早く起きてしまう。


夏河の朝食だが、昨日街を散歩している際に、蘭州牛肉麺の有名店の支店を発見したので、そこで2日連続の牛肉麺を食べることにした。

東方宮。
蘭州で行こうと思っていたが、夏河で食べられるとは思わなかった。

チケットを購入し、並ぶ。
漢民族が多いが、チベタンもちらほら。



その場で麺を伸ばし、茹で、熱々のスープをかける。
提供直前にラー油と香菜をかけてくれる。
ラー油は本当に辛いので適量、香菜多めが僕のスタイル。


蘭州牛肉麺!
間違いない味。
いい朝食は、一日の活力。




そして、夏河のメインである拉卜楞寺(ラプラン寺)へ。
チケットセンターが、寺かと思うくらいデカい。

チケット40元。
高けーなー。
学生のときに来ていたら無料に近い値段だっただろうに。
でも、外国人料金などもなく、中国人の列に並び、統一価格で購入できることを考えると、高いなんて言っているのは僕くらいだろう。


チケット売り場横にいた、ヤク(のぬいぐるみ)。
これ、どこかで売ってないか探したが、非売品だった。


寺に入場するために、並ばされる。
もちろん全員、漢民族(と外国人)。チベタンは無料でスルー。


時間が来たのか、何なのかわからないが、並んでいた人たちと一緒に境内へ。
先頭にはガイドっぽい人がいるので、どうやらガイド付きで、この人たちと一緒に回らないといけないようだ。
まあ、放っておくと中国人がいろんなところでいろんなことしちゃうから、秩序を守るためには仕方ないことなのかもしれない。
自由に巡りたい身としては、いささか不満だが。



むむ。いい雰囲気になってきたぞ。



壁の雰囲気もいい。



寺院に到着。
これからいくつか巡るようだが、



寺院前にはこの人だかり。
出入口は一つなので、もうしっちゃかめっちゃかになってる。


だから、人多いって。
もう信仰の場ではなく、完全に観光地やね。


寺院内部は撮影厳禁なのだが、唯一、バターで作った仏像を展示するところだけは撮影OKだった。
こういう極彩色を使えちゃう感覚って、すごいと思う。


境内は、どこを見ても漢民族の姿が。
これを、現在のチベットの状況を重ね合わせて憤っているのは、たぶん僕くらい。




ガイドさんについて、次へと進む。
それにしても、建物ごとにガイドが説明してくれるのだが、当然何を言っているのかわからず、さらに結構なスピードで次へと進んでしまう。
もう少しゆっくり見たいのに。

途中から、いろんなグループが境内にいることを利用して、何度も観れるのではないかと気づいた。
まず今のグループで一巡して、ゆっくり観たいところは再訪する作戦に。



境内を巡礼する老婆。
やはりここは信仰の場である。


モップのような犬もコルラする。


ガイドに連れられてのツアーも、30分程度で終了。
中国人たちは、記念写真を撮ったあと、終わった終わったと、寺院から去っていく。

一通り巡って気がついたのだが、漢民族たちは寺院の中に入り、大迫力の仏像を目の前にしても、拝むどころか手を合わせることもせず、ざっと見回して次へと進んでいた。100人いたら、手を合わせているのは2〜3人くらい。
さすが共産党! しっかり教えが根付いていますね!


こんな光景が毎日繰り広げられている修行僧たちのことを考えると、いたたまれなくなってきた。









中国人ツアーをはずれて、自分のペースで巡り始めると、ガイドコースに入っていないエリアでは、漢民族の姿を目にしなくなった。




高地の空気の薄さと反比例するかのような、目に焼きつくような色合いが美しい。





寺院の外周にはマニ車があり、チベタンはグルグルグルグルと回しながら、コルラしていた。
当然、僕と嫁さんも、ガイドに説明されるものなんかより、こっちのほうが楽しいのである。



寺は広いので、商店などもある。


山道をコルラ。
チベタンの世界。
心なしか、進む人たちの顔がやさしいような気がした。

山道をコルラしていると、数人のチベタンから話かけられたりした。
街なかで散歩しているときは、僕たちも漢民族に見られるようなので、そういうことはなかったが、コルラをしている=仏教徒という同族意識があるからだろうか。



少し小高い丘から寺院を眺める。
一周30分ほどの小旅行。




仏塔のまわりも、グルグル回る。


そして、板の上では五体投地をして、ひたすらに仏に身も心も委ねていく。
オムマニペメフムという真言が、寺院に響いていた。





(つづく)





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