やなさん浜松E-RA日記

浜松暮らしを楽しむ人を応援する柳原新聞店社長の日記です

企業の「社会貢献」とは何か

2007年06月11日 | ビジネスシーン
ここ数年、大企業の不祥事が相次いだことから、企業の「社会的責任」(CSR)について話題に上ることが増えています。

一方「社会貢献」についても、これは特に企業側からのPRメッセージとして新聞広告やTVCMで目にする機会が増えている気がします。

またそれぞれの業界団体で社会貢献活動を表彰する制度や、企業の活動をまとめた冊子の発行なども増えているように、大企業ばかりでなく、中小企業でもCSRや社会貢献に取り組まなくてはならないような状況になってきたようです。

しかしながら企業によって貢献活動のとらえ方は様々、利益の何パーセントを寄付といった活動だったり、植林を進めるボランティアだったりというように、本業との関連のないものも多いような気がします。

私が社会貢献を意識するようになったのは、この2~3年のことですが、それはCS(顧客満足)経営を追求していく中で、自然の流れとして社会貢献活動に向かっていったような気がします。

そして「社会貢献」を学ぶ中でもっとも共感したのは、田坂広志さんが主宰する社会企業家フォーラムでの論文「企業の社会貢献とは何か」でした。

ここでは社会責任と社会貢献について経営者に求められる10の視点について書かれていますが、その中で特に強く印象に残ったのは下記の部分です。


第2の視点 競争に生き残れないから「社会責任」を重視するのではない
第3の視点 受動的な「社会責任」から能動的な「社会貢献」に向かう


激しい企業競争の中でつい口にされる「生き残り」「勝ち残り」「サバイバル」という言葉。
そのために社会責任を果たすという発想はマズローの欲求5段階説にあてはめれば「生存の欲求」という最底辺の思想に他ならない。
このような受動的な義務としてではなく、「理念ある生き方」そして「能動的な使命」としてとらえ社会貢献にむかうべきではないか。



第4の視点 「社会貢献」とは利益の一部を使う行為ではない
第5の視点 「本業」を通じて社会貢献することこそ王道


「企業利益=私益」「社会貢献=公益」と相反するものであるという考え方から、利益の一部を社会貢献に使うといった誤解が生まれている。
確かに「株主利益の最大化」を追求する米国型経営ではそのような思想もあるが、世界標準とするには欧州をはじめ異論が多い。

本来、日本型経営の真髄は「企業活動の目的は社会貢献にあり」とする思想であり、企業利益と社会貢献を一体のものと見なす思想である。
「どうすれば当社は本業を通じて社会貢献できるか」という考え方を経営者と社員が共有し、真摯にその実現を求め、王道を歩むことである。


第10の視点 経営者には「深みのある思想」が求められる

経営者は社会貢献や社会責任などについて「深みのある思想」をもって答えることができなければならない。それは社員の「目の輝き」によって映し出される。


私には大変難解な文章で何度も読み返していますが、そのたびに気づかされるものがあります。

田坂さんの言うような企業になるにはまだまだ時間がかかりますが、この「思想」を土台として努力を積み重ねていきたいと思います。


社会起業家フォーラム

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