■ NHKはなぜ「ブッシュのアメリカ」を取材しないのか?
2009/03/25 「JanJan」
http://www.news.janjan.jp/media/0903/0903240064/1.php
3月22日(日)の夜9時からNHKスペシャルで「プーチンのロシアー独立化か服従かー グルジアの苦悩」が一時間にわたって放送されました。ご覧になった方も多いと思われます。
昨年8月に突然起こった大国ロシアと小国グルジアの南オセチアを巡っての軍事衝突の結果、圧倒的な軍事力に勝るロシア軍が圧勝し、グルジア側に3000人以上の市民の犠牲と南オセチアのグルジアからの「独立」で終わりました。
番組では、この軍事衝突をきっかけにしてそれまでの生活が一変してしまった二組のグルジア人家族の生活が紹介されていました。
一組は、南オセチアでりんご栽培をし南オセチアとロシアでりんごの販売で生計を立てていた小さな子供3人を抱える五人家族です。南オセチアに近い村にあった自宅は侵攻してきたロシア軍と南オセチア民兵によって放火・略奪され完全に破壊されてしまいました。
近くの大きな町リガで避難生活を余儀なくされましたが、その避難所も半年で閉鎖され、電気も水道もガスも止まってしまった自宅に帰らざるを得なくなりました。南オセチアに近い村では南オセチアに駐留するロシア軍からの攻撃が散発的に続いていて危険な状況ですが、村に帰ってこの春からりんごの栽培を再開しなければ食べていけない状況なのです。
もう一組は、八年前に夫婦でグルジアからモスクワに出稼ぎに行き、武力衝突が起こった昨年八月までモスクワで平和に暮らしていた柔道教師の夫と妻と11歳の娘の三人家族です。
夫は武力衝突で国交断然となったため、グルジアの母親の元に妻と娘を帰国させ、一人モスクワに残り柔道教室を細々と継続しています。しかしグルジア人への風当たりが強くなり、多くの生徒が辞めていく中で柔道教室の場所が見つからず寒い屋外で練習せざるを得ない状態です。
グルジアに帰っても職がないためモスクワに留まざるを得ないのです。
グルジアは戦争がなくてももともと貧しい国で、100万人ものロシアへの出稼ぎ労働者の送金で国の経済が維持されている状態です。
戦争によってそれまで平和に暮らしていた市民は、命をなくし、家をなくし、仕事をなくし、生活が破壊され、さらに貧しい暮らしを余儀なくされます。
戦争は常に庶民に犠牲を強いるものであり、戦争を仕掛けた支配層は何の犠牲も払わず逆に肥え太ることがわかります。
▲ 昨年8月のグルジアとロシアの南オセチアをめぐる軍事衝突の真実
昨年8月のグルジアとロシアの南オセチアをめぐる軍事衝突に関して、欧米日のマスメディアはロシア軍が最初に侵攻・攻撃したとの報道を繰り返していますが、実際は米国とイスラエルに支援されたサアカシビリ大統領のグルジア軍がプーチンの留守を狙って南オセチアに侵攻したことが事実のようです。
丁度そのとき、米国では次期大統領選の真っ最中で、民主党オバマ・ヒラリー両候補に対して共和党マケイン候補の劣勢が誰の目にも明らかになった時期であり、ブッシュ政権はマケイン候補の逆転を狙って、お得意の「戦争を仕掛けて国民的合意を形成する」最後の掛けに打って出たのだと推測されます。
おそらくブッシュとチェイニー副大統領がイスラエルと組んで企画し実行させたのでしょう。
ウクライナのオレンジ革命やグルジアのバラ革命などロシアの支配から離脱してEU加盟を志向する旧ソ連圏の人々の自由化運動の背後には、ほとんどすべて米国CIAがいて、CIAに支援された人権団体やNPOが自由化運動のノウハウや財政援助をしているのが真実だと思います。
▲ NHKはなぜ同じ熱心さで「ブッシュのアメリカ」を取材しNHKスペシャルで放送しないのか?
NHKスペシャルの「プーチンのロシア」のシリーズ番組は大変よく取材していてさすが財政豊富なNHKだと思われますが、シリーズを観た多くの日本国民はロシアに対して親近感ではなく警戒感をより強く持ったと思われます。
NHKは同じ熱心さで「ブッシュのアメリカ」を取材すべきです。豊富な資金と取材力を使って、ブッシュ政権が八年の間に世界中で巻き起こした「戦争」と「人権侵害」と「貧困」と「経済破たん」の実態を今こそ検証すべきではないかと思います。
「プーチンのロシア」を検証して「ブッシュのアメリカ」を検証しないこのバランスの悪さが、NHKの独立性・中立性を誰もが疑う根拠となっているのです。
(終わり)
2009/03/25 「JanJan」
http://www.news.janjan.jp/media/0903/0903240064/1.php
3月22日(日)の夜9時からNHKスペシャルで「プーチンのロシアー独立化か服従かー グルジアの苦悩」が一時間にわたって放送されました。ご覧になった方も多いと思われます。
昨年8月に突然起こった大国ロシアと小国グルジアの南オセチアを巡っての軍事衝突の結果、圧倒的な軍事力に勝るロシア軍が圧勝し、グルジア側に3000人以上の市民の犠牲と南オセチアのグルジアからの「独立」で終わりました。
番組では、この軍事衝突をきっかけにしてそれまでの生活が一変してしまった二組のグルジア人家族の生活が紹介されていました。
一組は、南オセチアでりんご栽培をし南オセチアとロシアでりんごの販売で生計を立てていた小さな子供3人を抱える五人家族です。南オセチアに近い村にあった自宅は侵攻してきたロシア軍と南オセチア民兵によって放火・略奪され完全に破壊されてしまいました。
近くの大きな町リガで避難生活を余儀なくされましたが、その避難所も半年で閉鎖され、電気も水道もガスも止まってしまった自宅に帰らざるを得なくなりました。南オセチアに近い村では南オセチアに駐留するロシア軍からの攻撃が散発的に続いていて危険な状況ですが、村に帰ってこの春からりんごの栽培を再開しなければ食べていけない状況なのです。
もう一組は、八年前に夫婦でグルジアからモスクワに出稼ぎに行き、武力衝突が起こった昨年八月までモスクワで平和に暮らしていた柔道教師の夫と妻と11歳の娘の三人家族です。
夫は武力衝突で国交断然となったため、グルジアの母親の元に妻と娘を帰国させ、一人モスクワに残り柔道教室を細々と継続しています。しかしグルジア人への風当たりが強くなり、多くの生徒が辞めていく中で柔道教室の場所が見つからず寒い屋外で練習せざるを得ない状態です。
グルジアに帰っても職がないためモスクワに留まざるを得ないのです。
グルジアは戦争がなくてももともと貧しい国で、100万人ものロシアへの出稼ぎ労働者の送金で国の経済が維持されている状態です。
戦争によってそれまで平和に暮らしていた市民は、命をなくし、家をなくし、仕事をなくし、生活が破壊され、さらに貧しい暮らしを余儀なくされます。
戦争は常に庶民に犠牲を強いるものであり、戦争を仕掛けた支配層は何の犠牲も払わず逆に肥え太ることがわかります。
▲ 昨年8月のグルジアとロシアの南オセチアをめぐる軍事衝突の真実
昨年8月のグルジアとロシアの南オセチアをめぐる軍事衝突に関して、欧米日のマスメディアはロシア軍が最初に侵攻・攻撃したとの報道を繰り返していますが、実際は米国とイスラエルに支援されたサアカシビリ大統領のグルジア軍がプーチンの留守を狙って南オセチアに侵攻したことが事実のようです。
丁度そのとき、米国では次期大統領選の真っ最中で、民主党オバマ・ヒラリー両候補に対して共和党マケイン候補の劣勢が誰の目にも明らかになった時期であり、ブッシュ政権はマケイン候補の逆転を狙って、お得意の「戦争を仕掛けて国民的合意を形成する」最後の掛けに打って出たのだと推測されます。
おそらくブッシュとチェイニー副大統領がイスラエルと組んで企画し実行させたのでしょう。
ウクライナのオレンジ革命やグルジアのバラ革命などロシアの支配から離脱してEU加盟を志向する旧ソ連圏の人々の自由化運動の背後には、ほとんどすべて米国CIAがいて、CIAに支援された人権団体やNPOが自由化運動のノウハウや財政援助をしているのが真実だと思います。
▲ NHKはなぜ同じ熱心さで「ブッシュのアメリカ」を取材しNHKスペシャルで放送しないのか?
NHKスペシャルの「プーチンのロシア」のシリーズ番組は大変よく取材していてさすが財政豊富なNHKだと思われますが、シリーズを観た多くの日本国民はロシアに対して親近感ではなく警戒感をより強く持ったと思われます。
NHKは同じ熱心さで「ブッシュのアメリカ」を取材すべきです。豊富な資金と取材力を使って、ブッシュ政権が八年の間に世界中で巻き起こした「戦争」と「人権侵害」と「貧困」と「経済破たん」の実態を今こそ検証すべきではないかと思います。
「プーチンのロシア」を検証して「ブッシュのアメリカ」を検証しないこのバランスの悪さが、NHKの独立性・中立性を誰もが疑う根拠となっているのです。
(終わり)