杉並からの情報発信です

政治、経済、金融、教育、社会問題、国際情勢など、日々変化する様々な問題を取り上げて発信したいと思います。

NHKスペシャル「プーチンのロシアー独立化か服従かーグルジアの苦悩」を観て

2009年03月22日 23時45分29秒 | 政治・社会
■ NHKスペシャル「プーチンのロシアー独立化か服従かーグルジアの苦悩」を観て

日曜日(3月23今夜9時からNHKでグルジアの特集番組「プーチンのロシアー独立化か服従かーグルジアの苦悩」が一時間にわたって放送されました。ご覧になった方も多いと思われます。

昨年8月に突然起こった大国ロシアと小国グルジアの南オセチアを巡っての軍事衝突の結果、圧倒的な軍事力に勝るロシア軍が圧勝し、グルジア側に3000人以上の市民の犠牲と南オセチアのグルジアから「独立」で終わりました。

番組では、この軍事衝突をきっかけにしてそれまでの生活が一変してしまった二組のグルジア人家族の生活が紹介されていました。

一組は、南オセチアでりんご栽培をしてオセチアとロシアでりんご販売で生計を立てていた小さな子供3人を抱える五人家族です。南オセチアに近い村にあった自宅は侵攻してきたロシア軍と南オセチア民兵によって放火・略奪され完全に破壊され、近くの大きな町リガで避難生活を余儀なくされました。その避難所も半年で閉鎖され、電気も水道もガスもとまってしまった自宅に帰らざるを得なくなりました。南オセアチアに近い村では近くの南オセチアに駐留するロシア軍からの攻撃が散発的に続いていて危険な状況です。危険な状況でも村に帰ってこの春からりんご栽培を再開しなければ食べていけない状況なのです。

もう一組は、八年前に夫婦でグルジアからモスクワに出稼ぎに行き、武力衝突が起こった昨年八月までモスクワで平和に暮らしていた柔道教師の夫と妻と11歳の娘の三人家族です。夫は武力衝突で国交断然となったためグルジアの母親の元に妻と娘を帰国させ、一人モスクワに残り柔道教室を細々と継続していますが、グルジア人への風当たりが強くなり柔道教室の場所も見つからず寒い屋外で練習せざるを得ない状態です。グルジアに帰っても職がないためモスクワに留まざるを得ないのです。

グルジアはもともと貧しい国でめぼしい産業といえば長い歴史を持つワイン生産と農業と観光ぐらいしかありませんでした。長い間大国ロシアの衛星国として生き延びてきたのです。

100万人といわれるロシアへの出稼ぎ労働者は国交断絶によって滞在ビザの更新が出来ず、再就職の当てのないグルジアに帰国するかそのままロシアに不法滞在するかしか道はないのです。

戦争によってそれまで平和に暮らしていた市民は命を失い、家をなくし、仕事をなくし、生活が破壊され、貧しい暮らしを余儀なくされます。

戦争は常に庶民に犠牲を強いるものであり、戦争を仕掛けた支配層は何の犠牲も払わず、逆に肥え太ることがわかります。



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 《注目意見》 小沢民主党は結... | トップ | NHKはなぜ「ブッシュのア... »
最新の画像もっと見る

政治・社会」カテゴリの最新記事