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《注目記事》 ホンジュラスのクーデターに「暗殺者学校」の卒業生 桜井春彦氏

2009年07月01日 17時04分12秒 | 政治・社会
■ ホンジュラスのクーデターに「暗殺者学校」の卒業生 桜井春彦氏

 2009/06/30  http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/

6月28日の早朝、100名とも200名とも言われるクーデター軍の兵士がマニュエル・セラヤ大統領の住宅を襲撃、そこで大統領を拉致し、コスタリカまで連れ去った。この襲撃からホンジュラスの軍事クーデターは始まった。その際、銃撃があったとも伝えられている。

実は、このクーデターに少なくとも2名のSOA(The School of the Americas)卒業生が中枢メンバーとして活動している。SOAとは、1946年にパナマで創設されて以来、ラテン・アメリカに多くの軍事政権を生み出し、民主的なプロセスで誕生した政権を破壊し、この地域を不安定化してきたアメリカの学校。

この学校で教えている内容は反乱鎮圧、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、情報活動、尋問テクニックなど。そうした訓練を生かし、卒業生は帰国してから反体制派、つまり巨大企業のカネ儲けに邪魔な人々を迫害、排除するために、拷問、レイプ、暗殺、誘拐、虐殺などを繰り返してきた。そこでSOAは「School of Assassins(暗殺者学校)」とも呼ばれている。

あまりに悪名が高くなったこともあり、1984年にパナマから追い出され、2001年には名称がWHISEC(Western Hemisphere Institute for Security Cooperation)へ変更された。

これまでにラテン・アメリカ各国から約6万人にのぼる軍人を受け入れ、訓練してきたのだが、その中には、ロメロ・バスケス将軍とルイス・ハビエル・プリンセ・スアソ将軍も含まれているのだ。バスケスは1976年と1984年、ソアソは1996年に在籍している。

さすがにクーデターを正面切って支持する政府は存在しないようだが、バスケス将軍たちが単独で実行したとも思えない。バラク・オバマ米大統領の政策に反対しているアメリカの勢力、あるいはアメリカ以外の国が関係している可能性は極めて高い。

ホンジュラスはアメリカの情報機関が秘密工作の拠点に使ってきた国で、ラテン・アメリカがアメリカから自立しつつある現在、この国を奪還する意味は大きい。ニカラグアの革命政府を倒すため、軍事政権の兵士を集めて創設したゲリラ「コントラ」を支援する工作でもホンジュラスは重要な役割を演じ、アメリカだけでなくイスラエルも同国ルートで武器をコントラに渡していた。

しかし、このクーデターが将軍たちの思惑通りに進むかどうかは即断できない。少なくとも表面上はクーデターを支持する国は存在せず、大統領を支持する人々がクーデターに抗議する活動を始めている。「選挙の結果が気にくわない」というイランのデモとは質的に大きな違いがある。

ホンジュラスとイランの政変には共通項がある。アメリカ的な経済システムで豊かな生活を送れるようになった、あるいはなれそうな人々が、貧困階級に目を向ける大統領を排除しようとしてるということだ。

(終わり)


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