古今山代温泉を訪れた文人墨客は数多い。 中でも山代温泉を詠まれた歌の多いのは「与謝野寛と晶子」。 夫妻で吉野屋に宿泊し、耽美な響きの秀歌を記している。
山代の いで湯に遊ぶ楽しさは たとへていへば 古九谷の青(寛)
この歌は、昭和51年からの山代温泉ポスター(芸妓さんが3代目須田菁華さんの素焼きの器を見てる図)のヘッドコピーに使用され、このポスターに誘われて多くの浴客者をお迎えすることが出来ました。(私が入社する一年前のことです。)
櫛めきて 細き丹塗りの格子より 山代の湯の 雨覗かまし(晶子)
この歌の「・・・丹塗り・・・」の部分から、はづちを楽堂のお土産処の名称を取って、「丹塗り屋」と命名しております。
樹齢約300年の「ヤブツバキ」が、温泉地内中心地にある薬王院温泉寺境内にあります。 寒椿と違って3月中旬から花をつけます。 真っ赤な、晶子の情熱に負けず劣らない「色」で咲き誇りだしました。
九谷なる かまが作るも山代の 薬王院に 咲けるも椿(晶子)
と詠んでいます。