映画館で見た納棺師。
死者に最後の化粧をして送り出す納棺師。
そんな記憶がありましたが、震災の記事の中で見つけました。
「遺族と悲しみ分かち合い、故人を見送り続ける/被災地でボランティアの納棺師
被災地でボランティア活動を続けている納棺師がいる。亡くなった人たちの顔を安らかにして化粧をし、遺族と悲しみを分かち合う日々だ。
北上市の復元・納棺師の笹原留似子(るいこ)さん(38)。札幌で納棺師をし、5年前、両親が住む北上市に移った。
納棺師と遺族が一緒に亡くなった人に化粧を施して見送る「参加型納棺」をめざす。県内の福祉・医療関係者らと、家族や友人を亡くした人に寄り添って悲しみを癒やす「グリーフケア」の輪を広げようとしていたところに地震が起きた。ボランティア組織「つなげるつながる委員会」を立ち上げ、3月18日にスタッフと沿岸部に入った。
遺族が故人に触れ、口紅や頬紅を塗って最後の別れを告げるには、遺体を生前の姿に近づける「復元」の作業をする必要がある。車中泊を繰り返しながら、被災地を回った。
検視が済んで身元が確認された遺体は、安置所から地元の集会所などに移される。葬儀までの間に、復元、納棺をする。目を閉じ、口を閉じ、硬直を解いて笑顔にした後、遺族も加わって化粧をする。普段は納棺までにかかる時間は20分程度だが、この震災では損傷が激しく、1時間かかるケースが多いという。
10日ほどの間に、生後10日の赤ちゃんから90歳を超えるお年寄りまで、約150人を見送った。
笹原さんは、努めて遺族の話を聴くようにしている。「家族を失い、なぜ生き残ったのかと自分を責めている人たちも多い。遺族に寄り添い、元気づけたい。生死を分けたそれぞれのお話から勇気もいただいています」
つなげるつながる委員会(0197・62・6077 〒024・0071北上市上江釣子18の17の5)は、脱脂綿、テーピング用テープ、綿棒、新しい口紅などの支援を求めている」
合掌。