ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

自民党細田博之元官房長官の妄言を批判する

2021年05月21日 | 暮らしと政治

 細田博之元官房長官が、2021年5月19日の自民党沖縄振興調査会の席上、玉城知事のいる前で、こういったということだ。「蔓延防止(等重点措置)だろうが、緊急事態(宣言)だろうが、そんなものは何の効果もないにひとしい」などとしゃべり、離島県である沖縄の特質を活かし、渡航者へのPCR検査を積極的に進めるべきだと促し、「国の政策に頼るなんて沖縄県民らしくない」と言っていたのだ。

 これが沖縄へのラブコールだというのだから、呆れかえる。

 確かに蔓延防止対策の時期の5月の連休などに、沖縄でのコロナ禍は拡大してきたし(予想通り)、PCR検査を徹底すべきだったし、陽性とでれば、お帰り願うべきだった。しかしそんな権限を沖縄県はもっていない。玉城デニー知事がその場で指摘したとおり、「(そのための)制度や仕組みを国が作るべき」だろう。

 だいたい自民党の重鎮である氏が言うことか。歴代の内閣の閣僚を務め、沖縄及び北方対策担当大臣(2002年から3年)も歴任している。自民党幹事長(08-09年)、総務会長(12年、16-17年)国会対策委員長(05-06年)を歴任し、2014年からは清和政策研究会の会長だ。

 こうした男が自身の政治責任を抜きに、よく言えたモノだ。PCR検査を徹底的にさぼり、妨害してきたのは自公政権にほかならないではないのか。氏は傍観者ではありえないのだ。

 「なんで168人(18日)も感染者が出るんだ。ばかじゃないか」とも言ったようだ。これでは、他人の不幸を笑っているだけだ。「沖縄をバカにしているのではなく、沖縄を振興しろ」と言っているのだと釈明しているそうだ(沖縄タイムス20210521)。しかし歴代の政権がやってきたことは、沖縄への基地の押しつけであり、それとパラレルな関係にある観光業一本の沖縄政策だったのではないか。

 沖縄が今、コロナ禍に苦吟しているのは、安倍・菅政権のアホサばかりか、歴代政権が押しつけてきた観光中心の産業政策の結果であり、自治の基本ともいえるモノ作りの軽視と、沖縄自治の抑圧が大きく影響している。「辺野古が唯一」と繰り返し、米軍ばかりを優遇してきたことと反比例しているわけだ。

 私が怒るのはこうした経緯を知らないわけがない、責任がないわけがない氏が、玉城知事の前で敢えて言ったからだ。これを「沖縄県民をバカにしたんじゃない」と釈明されて、そうですかと通り過ぎるわけにいかないのだ。

 ついでに言うが、氏は2017年11月から自民党憲法改正推進本部長であり、2020年10月には衆議院憲法審査会会長に就任している。要するに「琉球島嶼防衛」で、対中戦争辞さずの男ではないのか。

 そんな男の沖縄ラブなどに、私たちは断じて乗せられない。 細田博之氏は一連の発言を撤回すべきだ。

 

 



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