ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

「第7高射特科群」を巡る謎・怪を探る ①(20200329)

2020年03月29日 | 米軍/自衛隊
先ずこの看板を見て欲しい。(2020年3月21日撮影)
右に「陸上自衛隊 宮古警備隊」とあり、左に「陸上自衛隊 第7高射特科群」とある。
この意味を概説したい。
 自衛隊には陸・海・空の自衛隊がある。それぞれ主たる「活動の場」が陸であり、海であり、空なのだ。自衛隊と言うが、英語で表記すればSDF(自主防衛軍)だ。要は軍隊だが、日本国憲法に第9条などがあり、「戦争の放棄、軍備・交戦権の否認」を謳い、「②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と謳ってきたから、これをごまかすために、国家たるものには「自衛権」はあるのだと言い逃れ、「専守防衛」を掲げ、この程度のことだから、許してねと、1950年に警察予備隊ができ、52年に保安隊、54年に自衛隊がつくられてきたのだ。
 
 軍隊を自衛隊と呼称したので、歩兵部隊を「普通科部隊」、重火器を扱う部隊を「特科部隊」などと言い換え、ソフトなイメージにして上記の憲法の規定をごまかしてきたわけだ。
 
 ここから、ここ宮古島の話に入る。さて「宮古警備隊」から考える。警備隊と聞けば、一般名詞だと思うだろうが、違う。陸上自衛隊には「対馬警備隊」と、2019年3月に新編されたここ「宮古警備隊」と「奄美警備隊」しかないのだ(2020年3月末現在)。
 つまり宮古警備隊とは、自衛隊としては普通で、特殊なのだ。普通というのは、歩兵部隊だからだ。歩兵部隊は全国各地に置いている。特殊だというのは、宮古島をはじめ「島嶼防衛」を任務とする小部隊だからだ。ここの警備隊にはクセがある。「島嶼防衛」を謳いながら、実は中国軍を常続的監視(自衛隊用語ーいつでも且つずーっと見張っているぞ)体制下におき、日本の領土・領海を超えるような戦にも備えるものだからだ。この任務に与那国島の「与那国沿岸監視隊」が当たっている(2016年3月新編)。また、宮古島にある航空自衛隊の第53警戒隊や、那覇にある海自の第5航空群那覇航空基地隊のP3-C(対潜哨戒機)などもこの任務等に就いている。
 なお、細かい話だが、自衛隊は「宮古島警備隊」「奄美大島警備隊」と呼称していないのは、「国益」を守り、島民を守らないから、守れないからであろう。細かい話だが周辺海空域をも睨み、周辺の島々をも警備するからでもあるだろう。宮古島警備隊が守る「国益」とは何か? それは「島嶼防衛」なるものなのだろうが、先ず以てミサイル部隊を守ることだろう。このことを踏まえておいて欲しい。
 さて、1980年に新編された対馬警備隊は何を警備しているのかと言えば、朝鮮半島で戦争が起きたときに、難民が逃げてくることを想定し、特に武装難民対策だと言われている。対馬であれ、宮古・奄美であれ、この背後に米軍が居ることが、また問題なのだ。ここではこの問題に立ち入らずに、先を急ぐ。
 
 さて「第7高射特科群」だ。この忽然と出現した「第7高射特科群」は、特科部隊だ。重火器を用いて戦争する部隊だ。高射とあるように頭上からの攻撃に備える部隊だ。それが何故今頃になって、日本政府・防衛省は高射特科群を宮古島や奄美大島に配備し、石垣島に同様な部隊を配備するのかも、私たちは考えなければならないが、ひとまず先を急ぐ。
 これは宮古警備隊が新編されたのと違い、長崎県大村市の竹松駐屯地の第7高射特科群(一部)が宮古島に南進してきたのだ。ここに如何なる意味があるのだろうか?(以下別項で)


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