日日是好日 山口庭園の日々

埼玉県入間市で植木屋をやってます
山口庭園です。

壊すという事。

2012年01月29日 20時46分58秒 | 日記

壊す。。。
広辞苑によると「破壊する ダメにする 機能を損なう」とあります。

今日は解体屋の先輩の現場でした。
先輩とは自分が16歳の頃からの知り合いで、一緒に御神輿担いだりたまーに現場のお手伝いに呼んでいただいているかんじです。。
現場といえば特に作業はなかったのですが、道中いいお話が聞けたのでアップします。

我々植木屋、いや作り手としては壊す事についてかなり抵抗があります。
「全ての想像は破壊から生まれる」という言葉がありますが、確かに何も無い方がいろいろと考えが浮かぶ事があったり、生まれてくる事もあります。
しかし、木々や草花はその場所に人によって植えられ、または生え、そこにいます。
それは何年にも何十年にも。私より先輩方ばかりです。
また家屋や庭は、その当時作った方々の想いや形が存在し、生き続けています。
その、あらゆる事を考え、悩み、決断していき、壊す。そして新たな生命が誕生します。

先輩の仕事は解体屋。

少なくとも私のイメージでは、水をかけながら重機でバキバキ家を壊し、全てを無に返していく仕事だと思っています。
しかし先輩は、ただただ壊すだけでなく想いをこめて壊します。
「今日中にその壁まで壊すと部屋の中が丸見えになって、その家の生活が丸見えだろ?まだやれるけど明日やるよ。」
自分の仕事の都合だけを考えればきっと壊していると思うし、今まで住んでいた方々への心使いや気配りだと思います。
「自分が、されて嫌な事は人にはするもんじゃねーよ。」「心を使ってもらうとうれしいだろ?」
その場にいないのに、お客様のことを考え施工する。
「人は壊す事にはお金をかけたくないもんだよ。作る方にすこしでもまわしたい。それはそうだと思う。だからこそ心を使うんだ。
だからがこそ丁寧にやるんだ。」と。 

先輩は木々を伐採するときも塩と酒でお清めしてから切るそうです。
植木屋を代表してお礼を申し上げたいです。。

心込めてつくる事。 心込めて壊す事。真逆の中に見えた物があるような気がします。

「心」

改めて心を込めたお庭つくりを実践していきたい、壊した家屋やその廃材を利用してお庭つくりができたら
どんなにいいものができることでしょうか?
「全ての物には存在している意味があるんだよ。無駄な物はない。」
生かせる仕事ができる事は我々しかいません。
「ダメにする、機能を損なう」とありましたがとんでもない!!新しい息吹の幕開けです!
先輩、ありがとうございました!!



里山に学ぶ茅葺きの話。

2012年01月25日 19時35分49秒 | 日記

「里山に学ぶ茅葺きの話」安藤邦廣氏による講演会が、先の日曜22日に庭園協会東京都支部によって行われました。



会には庭園関係者はもちろん、建築関係者も含め160人も集まったらしいです。
話会もとても興味深い話ばかりで、日本各地の茅葺きの形や技。地域によっての材料の違いや仕上げ方のいろいろ。
山は山の、里は里の。その土地にある物を使い屋根を葺き、棟をあげ、朽ちて葺き直しても今度は畑の肥やしとなり、まさに地産地消。
ゴミ等建築廃材は一切出ず、また土に還ります。

こないだ参加した霜里農場もそうでしたが、自然とともに生きてきた事への再認識と感謝。このままでは消えてしまう!先人が長い長い時間をかけ培ってきた文化や技への危機感。
今一度日本の里山文化を見直し、実践していこう!とメッセージをもらったようでした。

我々庭に携わるものとしても、茅や杉皮などは中門や待ち合いの屋根。垣根や土塀にも使い、大変馴染み深い材料でもあります。
最近はプラスチックの垣根や新建材での構造物が多いですが、天然自然の物を常にご提案できるよう技をみがき、勉強して参ります。
永続可能な自然のサイクルを今一度!少しずつですが実践していきます。

いいお話を聞けてよかったです!


話は変わりますが、話会の前の午前中にただならぬオーラとともに宮城のよっちゃんhと
大阪創都ガーデンの清水さんが入間に遊びにきてくれました。
二人はその前日まで京都、大阪、滋賀など三日間に渡り名庭園や名勝を仲間と見学され、その帰りに私のつくった庭に来て頂きました。
お疲れのところありがとうございました!!

その中で最後に行った「山の中へ」の奥様に、とても考え深い一言をいただきました。
「忙しいという言葉は心を亡くす。と書きます。庭を見ていると忙しい自分にはっと気づき、落ち着けます。」と。
とてもうれしく、ありがたいお言葉でしたが、自分に問いただします。
「忙しさに心を亡くしていないか?」
清水さんもよっちゃんも「我々は忙しいという言葉を使ってはいけないのかもね。」

確かに忙しい時はなかなか立ち止まり、悩めません。すーっと流れてしまいます。
そのお庭の事に夢中になり、立ち止まり、悩み、考え抜いてこそいいお庭になるのでは。。。
心があるお庭って。。。
悩み続け、心のこもったお庭づくりができるよう、精進致します。

とても充実した一日でした。ありがとうございました。。







御殿場へ。。

2012年01月20日 03時46分52秒 | 日記

先のブログでご紹介しました『霜里農場』さんですが、記載ミスで『霧里農場」となっていました。
大変失礼しました。訂正してお詫びします。


さて、先日久々に安諸庭園の仕事で静岡県のお寺へ。
冬の枯れたお庭もすごく良かったです。
そして雪化粧。







そして、夜の会議も良かったです笑




霜里農場に行ってきました!

2012年01月15日 02時33分13秒 | 日記
昨日、


に、行ってきました。
霜里農場とは、埼玉県小川町にあり有機農業の人づくり、地域づくりを40年渡り実践されている金子美登さんが営む循環型農場です。
詳しくはwww.shimosato-farm.com/ にて。
NPO法人の生活工房つばさ主催の霧里農場見学会です。

会場は下里学校というところ。






天気もよく、朗らかで穏やかでいいところでした。


ここでまず、氏の農業観や穀物自給率の低さの現実。今の工業社会に対する成長の限界、人類の危機。永続循環する農的世界の幕開け。
有機農業発足の歴史。病む家畜、病む作物。厳しい現実問題です。
それから有機農業の要の三点の説明、生産者と消費者の提携。自給区の実践。消費者交流や企業によるプロジェクト。日本の農業の将来と
とてもわかりやすく、また真剣に考えなければならない問題と深く理解できました。
その後、生活工房つばささんによるマネージメントの話や生産者と消費者の価値観の相違をなくす事の重要性を説明していただきました。
作り手のよし、買い手のよし、そして地域の活性化のよし。どんどんその輪が広がり、町を活性化している様子でした。

「元気になれば、町が美しくなる」

名言、いただきました。
座学の後は農場の見学。

現場の説明。

わかりやすいイラスト。

ウッドボイラーを説明する金子氏。

合鴨達。

腐葉土の作り方。
など詳しく教えて頂きました。とても充実した一日であり、自然とともに生きている実践を見せて頂きました。

私は庭屋であり植木屋です。木や草花、石、水、土、自然素材によって庭をつくっています。
どうすれば木々がその場に馴染み、よくなるか。またどうすれば病害虫がつきにくく、元気に育つか。常に課題になっています。
今回有機農法のお話で、一見庭とはあまり関係なく分野が違うと思われ気味ですが、お庭の木々や草花を無農薬、化成肥料なしで育てていけるのは一番の理想です。
庭を作る時、まわりの環境は非常に大事です。しかし昨今の住宅事情では付近に山や森は少なく、風通しや日照も悪い。虫や病気がつきやすくなります。
そんな状況下においても有機農法の実践により、土をよく、虫や鳥と共存していける。またその環境つくりが出来る。
より自然に近い樹木や草花にでき、本来の姿を元気な姿を保っていけると感じました。
永続可能なエネルギー。すこしずつですが実践していき、自然の尊さや恵み、庭を通して訴えていけたらと思います。

当日関わった関係者の皆様、ありがとうございました。












復活!!

2012年01月10日 21時23分14秒 | 日記

地元の先輩ですげー人がいる。
その人は、もうダメかと思われるものを復活させてしまうのだ!



このサビサビのはさみが、




ジャーン!!こんなキレイに!!



刃物なら、調理用の包丁や理容師のハサミ、植木屋のハサミやナタ、ノミ等なんでも復活させてくれる。
研ぎ、磨き、修復。
このハサミは後輩のだが、俺が欲しいくらいだ。
先輩、ありがとう!!

消防出初め式。

2012年01月08日 16時15分09秒 | 日記

今日は出初め式!











かっこいい。。




昨年は大変な災害がありました。
我々消防団関係者も多くの犠牲者がでました。しかし、地震などの天災はいつどこで起こるかわかりません。
今年は二月に新しい消防車がきます。あらゆる災害に備えた多機能型消防車です。
使う事がないほうがいいのは決まっていますが、何かの時の為、またなにが起きても自分自身はもちろん、家族や仲間、
地域の人たちの安全確保の為に動ける様頑張って訓練していきたいと思います。
今年一年、大きな災害または火災等が起こらぬ様祈念します。

良い年にしたいですね。