壊す。。。
広辞苑によると「破壊する ダメにする 機能を損なう」とあります。
今日は解体屋の先輩の現場でした。
先輩とは自分が16歳の頃からの知り合いで、一緒に御神輿担いだりたまーに現場のお手伝いに呼んでいただいているかんじです。。
現場といえば特に作業はなかったのですが、道中いいお話が聞けたのでアップします。
我々植木屋、いや作り手としては壊す事についてかなり抵抗があります。
「全ての想像は破壊から生まれる」という言葉がありますが、確かに何も無い方がいろいろと考えが浮かぶ事があったり、生まれてくる事もあります。
しかし、木々や草花はその場所に人によって植えられ、または生え、そこにいます。
それは何年にも何十年にも。私より先輩方ばかりです。
また家屋や庭は、その当時作った方々の想いや形が存在し、生き続けています。
その、あらゆる事を考え、悩み、決断していき、壊す。そして新たな生命が誕生します。
先輩の仕事は解体屋。
少なくとも私のイメージでは、水をかけながら重機でバキバキ家を壊し、全てを無に返していく仕事だと思っています。
しかし先輩は、ただただ壊すだけでなく想いをこめて壊します。
「今日中にその壁まで壊すと部屋の中が丸見えになって、その家の生活が丸見えだろ?まだやれるけど明日やるよ。」
自分の仕事の都合だけを考えればきっと壊していると思うし、今まで住んでいた方々への心使いや気配りだと思います。
「自分が、されて嫌な事は人にはするもんじゃねーよ。」「心を使ってもらうとうれしいだろ?」
その場にいないのに、お客様のことを考え施工する。
「人は壊す事にはお金をかけたくないもんだよ。作る方にすこしでもまわしたい。それはそうだと思う。だからこそ心を使うんだ。
だからがこそ丁寧にやるんだ。」と。
先輩は木々を伐採するときも塩と酒でお清めしてから切るそうです。
植木屋を代表してお礼を申し上げたいです。。
心込めてつくる事。 心込めて壊す事。真逆の中に見えた物があるような気がします。
「心」
改めて心を込めたお庭つくりを実践していきたい、壊した家屋やその廃材を利用してお庭つくりができたら
どんなにいいものができることでしょうか?
「全ての物には存在している意味があるんだよ。無駄な物はない。」
生かせる仕事ができる事は我々しかいません。
「ダメにする、機能を損なう」とありましたがとんでもない!!新しい息吹の幕開けです!
先輩、ありがとうございました!!