日日是好日 山口庭園の日々

埼玉県入間市で植木屋をやってます
山口庭園です。

入魂式。

2012年02月27日 23時31分54秒 | 日記

先日我入間市消防団に新型車両が納車され、魂を入れる式典が執り行われた。



「多機能型消防車」
今までの消防車はポンプ車といって、車にポンプが設置している車両で主に水の吸い上げ(揚水)をして圧力をかけて放水する車両でした。
一番多いタイプの消防車です。
今回納車された多機能型消防車は小型可搬ポンプ(3人いれば持ち運びが出来るポンプ)が搭載されているが、主は災害対策です。
チェーンソーやコンクリカッター、ハツリハンマ、タンカやAEDまで搭載している。
まずは団員がケがのないように使えるよう訓練をしなければならない。
職人の仲間達が多く、経験者は多いがまず普通ならば触った事も無い代物だ。
道具は便利で効率的だが使い方を間違えると大変な事になる。助けにいって自分がケがをしたらシャレにもならない。

災害はいつ起きるかわからない。

この間、久々に地元管内で火災が発生した。部長の栗原さんと消防車に駆け込み、現場に向かったがかなり緊張した。
真っ黒な煙、響くサイレン。騒然とした雰囲気。普通にいる事の方が難しいと思う。
でも、改めて火災の怖さ、訓練の大事さを痛感した。
火災もそうだが、災害時の判断ヒトツヒトツがかなり重要になってくる。
自分は動けるか?家族や仲間、身の回りの人の安全は?情報が全くない状況や入りにくい状況での判断はかなり大変だ。

何も起こらないことが一番で、何か起きた時の為にいるのが我々消防団です。
普段は飲みにばっかりいっている悪いイメージ(俺だけか?)があるみたいだが、やる時はやる!



今後、多機能消防車の出番がないことを祈りつつ、もしもの時のために訓練を重ねていきたい。






春、近し。

2012年02月19日 18時08分08秒 | 日記

まだまだ寒い日が続きますね。。
まーちょっと火にでも当たっていったください。。。


うちの実家の薪ストーブ。

寒いので、最近は


竹をひしいだり、(丸い竹を板にする工法。)

栗やスギ丸太をなぐってみたり、しています。。(手斧で丸太を荒削りしています。)


庭には福寿草が。。。



暖かくなるのが楽しみです。。











追記。

2012年02月15日 12時06分03秒 | 日記

先日作業した地元中学校の剪定、伐採の仕事で書き損じていた大事な事を追記します。
大量にでた発生材。枝葉は学校に処分してもらいましたが、丸太に関しては市の事業所では処分が出来ずこちらで処分を依頼されました。
形状の悪い丸太等はトラック何台が専門業者に運び処分したが、その他に出た大量の丸太ついては、地元中学校の先輩であり仕事でお世話になっているライズの栗原さんと吉岡さんに引き受けて頂きました。

栗原さんの自宅とお店には薪ストーブが設置されていて
いつも暖かい火にあたりながらお茶をいただいて雑談しています。
恐らく、再来年の分、またはそれ以上?あるのでは。。。こころよく引き受けて下さり、感謝です!ありがとうございました。

発生材を業者に頼めば当然お金がかかります。私が処分している業者は大型のチッパーで破砕しチップとして再利用しています。
しかし、薪ストーブや暖炉、エネルギーで言えばウッドボイラーやバイオマス等に使えば大事な資源です。
電気や化石燃料を使わずに生活が出来ます。(100%電気を使わないわけではありませんが。)私の理想であり、目標にしている生活です。

言うは容易い事ですが、発生材を燃料やエネルギーに使えば発生材処理費の削減に繋がり、お客様の負担も減り、その分樹木に対して手間を
かけれます。 材料置き場の確保や設備の投資、理想と現実。実現するには時間がかかる事ですが、時間をかけ、構想をねり理想を現実に!(実践されているかた、多数いらっしゃると存じますが。。。)

植木屋、庭屋として樹木や自然に多く関わっています。
この間の霜里農場や里山の講習会で学んだ、自然の永続可能な知恵や知識をもっと深く勉強し、研究して植木屋、庭屋だから出来る形を実現目指し
頑張っていきたいです。


話は変わりますが、先日東京新聞にいい記事を見ました。
原発事故による放射性セシウム飛散、海水に流れ込んでいる問題で、貝殻や廃ガラス、浄水場で発生した土等安価な材料を使ったセシウム吸着材を兵庫県立大学院の
環境分析化学の先生が開発したというニュース。
今後実証実験を繰り返し、企業が事業化するという記事だった。
未だ情報が錯綜し、暗いニュースばかり続いている放射能問題だが実証段階とはいえ研究が進み効果が出る事を期待したいです。










街路樹。

2012年02月10日 21時12分32秒 | 日記

理想の街路樹を見た。以前にもブログでアップした街道。
現国道407号線。栃木県足利市から埼玉県入間市を結ぶ国道で、日光脇往還という江戸時代に八王子千人同心が日光勤藩のために整備された街道
です。私の地元にも宿があり(当時)、縁の深い街道です。

恐らく、その時に植えられた木々や新規に植えた木々だと思いますが、街路樹のお手本になるような姿と感じました。



大きいスギ並木とサクラやモミジなど様々な木々が混じり合い、サクラや新緑、紅葉ととても美しい街道です。

そもそも街路樹とは、市街の美観や環境保全の為に植えらている樹木の事をいいます。
大事なのは市街の美観、環境保全が目的であるという事です。

先日、私の出身校である地元中学校の高木整枝剪定及び伐採の仕事をしました。
校庭内の樹木に関しては、支障している枝と、絡んでいる枝、中途止めした枝や枯れ枝だけをとりました。先を切る必要がないからです。
グラウンドは広く、越境の心配もありません。木々の上は電線や電話線もありません。のびのびとできます。
また広いグラウンドには大きい木がないとどこか不安定ささえ感じます。

 何の為に木を切るのか、なぜその木はそこに生え、または植えられているのか。全てに意味があると思います。

我々庭をつくる人間にとって、樹木は相当重要な役割を果たしています。
庭をつくるにあたって大事な事は、今後5年後、10年後、30年後の事を考えて物をつくり、植物を配し植えていきます。
そのときにその木々がどのような役割を果たすのか考えながら。。。
我師である安諸親方も、『後の事を考えて仕事しなきゃダメだよ。その先にどうなっていくのかを考えなきゃね。」と
修行中よく叱られました。
そこにある木々は自然に生えてきた物ではなく、我々植木屋が意図や意思を持って植えたから切る事が必要になってきます。
街路樹に関しては「落ち葉が凄い、掃除が大変。日陰になる。うっとおしい。」と非難がひどいです。
市街の美観や環境保全。。。何の為に街路樹を植えたのでしょうか。15m~20mになるケヤキやイチョウを電線の真下に植え、
いつも枝途中でぶつ切りにされ、無惨な姿に。。

中学校のグランド脇の木々もそういう状況でした。









正直、このまま電線の下でヒドい管理状況下で生かす事は本当に大事なのか。悩みました。
毎年電線に伸びる枝ほ切られ、大きくなってくると太い枝でぶつ切りをされる。繰り返し繰り返し。どんどん木々は弱っていきます。
木の事を考えればむしろ下から切ってしまい、電線に支障がない樹木に植え替えた方ががいいのでは?と。

そこで、ぶしつけながら街路樹の問題に取り組み、自身の町で実践しておられる秋田県の福岡造園
福岡さんにご相談にのってもらいました。
福岡さんは秋田県能代市で造園業を営み、街路樹に関しては業界屈指の活動家であります。(詳しくは福岡さんのホームページをご覧ください)
我埼玉県にも、先月街路樹関連で久喜市や東京都江戸川区に訪問されています。

氏に、「樹木と電線との共生」についてお話伺いました。
とても親切、丁寧に写真やブログで説明を添付していただき、また一本の樹木に対する姿勢と心遣い、思いやりがひしひしと伝わってきました。
「よくしたい」強い想いを。

力強い後方支援をうけ、中学校の樹木に取り組みました。
応援に来てもらった仲間とも、その想いと取り組みを理解してもらい仕事に入りました。











ここでの問題点は、工業団地のため背の高い大型トラックが通行する事。木々の真上に電話線や高圧線がある事。近隣に落ち葉の苦情の問題。等でした。

かなり変形の樹形になりますが、以下の事について留意して剪定しました。
:道路部分の枝に関しては低い枝はもとから切り、高い部分では少し縮め、樹形を崩さない様透かし、剪定する。
:電線にさしかかる部分に関しては中途切りをせず、元の方から傷口を巻きやすいブランチカラーの部分で切るように気をつけて切る。
:落ち葉に関しては、木々が大分大きくなっていて共に悪くする環境にあったので間引き伐採をし、枝は縮め、透かして枝数を減らす。
:校側に関しては、大きく枝をつめる必要性もなく、むしろ生徒達の夏場の休憩所となるよう多く枝を残し、バランスを取る様縮め、透かす。
:景観としても武蔵野の代表でああり、また我入間市の木のケヤキの美しさを少しでも感じられるようケヤキはケヤキらしく注意して剪定する。

通学する生徒はもちろん、近隣の会社に通勤される方々、地元の方々に心地よい空間や、緑の大切さ自然の素晴らしさ、こもれびの心地よさを少しでも感じていただけたら。
今後継続して仕事をさせてもらえるかはわかりませんが、こういう想いを込めて剪定した事を学校側には伝えられたと思っています。
今住んでいる町をより美しく、より緑豊かな町になるよう少しずつですが、出来る事から始めていきたいと思います。

ご理解下さった中学校はもちろん、福岡さん、仕事に協力いただいた鈴木さん関塚さん藤原さんありがとうございました。
これから今後の木々の季節の移り変わりを記録していくつもりです。





























福の島。

2012年02月05日 20時24分52秒 | 日記

今日も酒がうまい。会津の酒だ。



先日、福島県郡山市の庭師『創苑』新さんのところに庭仲間の鈴木さんといってきました。
本来は宮城のよっちゃんの所も行く予定でしたが、大雪のため泣く泣く断念。
寒い中、新さんと會田さんに作庭されたお庭を案内して頂きました。







そして、新さんが去年つくられたお庭のお茶室でお抹茶をいただきました!しかも新さんに点てて頂きました。





新さんのお手前が見れたのはもちろん、作庭されたお庭で、お茶室でいただくお抹茶は格別でした!
とてもおいしく頂きました!


その後もお庭の見学は続き、そしてやってきた夜の宴。



新さんの従業員をはじめ、大工さん、福島の若き作庭者達との宴会でした。
皆熱く語り、福島のメラメラとした熱を強烈に感じてきました。
皆、つくり手です。

ふんばり、希望や夢を語り合い、いつかは故郷にいいお庭をつくりたい。
ただ、それだけです。よくしたい!それだけなんです。
風評や放射能に負けない底力。目が、真っ直ぐに語っています

我々は物をつくり、そしてつくることが訴える事だと思っています。
何も出来ないのか?いや、何かは出来るはずです!
今、出来る事を一つずつですが少しずつですが、実践していく事。そして、発信していく事。出来ます!!
力になりたいです!

3、11以後、もうすぐで一年が経とうとしています。

今なお、解決できていない事は山ほどあると思います。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、我々県外の人間は決して向き合う事をやめてはいけない問題があるという事を
忘れてはいけないと思います。

二日間にわたり、大変お世話になりました。
福の島、とてもいいところでした。
そしてすこしづつですが、今起きている問題に対し力になりたいと思います。

良き庭をありがとうございました。