マハトマ・ガンジー
ドイツでヒトラーが政権を握った時、インドのガンジーが大喜びをし、祝電まで送ったと聞いて 私は一時がっかりした。あの立派なガンジーがなんたることかと思ったが、よく考えてみると、それも不思議ではない。
大英帝国・イギリスは当時、インドを征服するなど世界の7つの海を支配していた。ガンジーはインドの独立を切に望んでいたから、イギリスの“強敵”になるヒトラーの出現を喜んだのだろう。
現に第2次世界大戦が勃発し、ヒトラー・ドイツはイギリスなど連合国に敗れたが、これを契機に世界中の植民地の独立運動が盛んとなり、インドもようやく独立したのである。
国際政治とはそんなものだ。なにかの“異変”で世の中が変わっていく。「敵の敵は味方」だとよく言われるが、イギリスの敵であるヒトラー・ドイツは、力学的にインドの味方になってしまったのだ。そう考えると、ガンジーが喜んだのもうなずける。
一時的にガンジーが嫌いになったが、今はそんなことはない。彼はインド独立の偉大な指導者だったことに間違いない。(2024年6月21日)