この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「イースタン・プロミス」-かっこよすぎる主人公

2008-08-04 00:41:57 | 最近見た映画
 【2008年7月14日】 京都シネマ

 旧ソ連が崩壊するにあたって、膨大な国有財産(国民の共有財産)が民間に払い下げられたが、そのやり方といったらむちゃくちゃで、本来の資産価値の何十分の1、何百文の1、はたまた何千分の1あるいはそれ以下で特権階級(多くは旧指導部と高級官僚-ソビエト共産党のエリート)に売り渡されたという。

 その過程でマフィアが介在したが、その際莫大な利権・金がマフィアにも流れ込んだ。

 日本の旧長銀が国税を大量に投入した挙句、アメリカ資本に超安値で売却されたのも腹立たしいが、それとはとてつもなく規模が違う。国中の資産が、それは本来国民の生活を支える生産手段・財が、ごく一部の特権階級の私腹を肥やすために処分され、大多数の国民は路頭に放り出され、生活手段を奪われ、飢えに苦しんでいる。アメリカもめちゃくちゃだが、今のロシアはそれ以上だ。(昔のソ連も同じようだったかもしれないが、社会保障だけはましだったという。)

 こんな背景がこの映画にある。

「題名のない子守歌」もそうだった。ウクライナでは生活できず、国外に逃れるが、そこで闇の組織に嵌ってしまう。そうした女性や子どもの悲劇がどうして起こるのか、ロシアの社会情勢を抜きでは理解できない。

  ○    ○    ○

「イースタン・プロミス」の舞台は、ルトビネンコが暗殺された同じイギリス・ロンドン。

 そのロンドンのある病院にロシア人の少女が運び込まれ、女の子を産み落としたあと息をひきとる。その少女の残した日記から立ち会った助産婦のアンナ(ナオミ・ワッツ)が事件に引き込まれていく。
 謎めいた過去を持ち、今はロシア・マフィアの運転手をしているというニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)が感情を表に現さずアンナに関わっていく。

 ニヒルでクールで、敵だか味方だかわからない。残酷な場面をこなしたり、アンナを助けたり、どうしてそんな行動をとるのかわからない。
 話が進むうちに、秘密がわかってくる。

          
            


 ナオミ・ワッツもいいが、それにしても、ヴィゴが何ともかっこ良すぎる!

 物語は、映画館で是非見てください。損はしないです。         
 



  「イースタン・プロミス」-オフィシャル・サイト

 

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