【2008年12月3日】 京都シネマ
世の中には知らない-報道もされない不正や事件がたくさんあるものだ。それが、個人の不正や暴力でなく、企業がらみ、国家がらみだとやりきれない気持ちになる。本来、国民を守るべき警察や政府組織が公然と犯罪に与しているとなると、救いようのない暗澹たる思いが押し寄せる。
1993年に「北米自由貿易協定」がメキシコとアメリカ・カナダ3国間に結ばれるとメキシコ側の国境地帯に安価な労働力を求めて外国企業の工場が乱立し、一方職を求めて各地から貧困層-若い、熟練を要しない女子労働者が多数を占める-が各地から押し寄せる。企業は関税も逃れ経費をより安価にし、多くの利益のみを求めるから労働者の安全など全く気にも留めない(この辺の事情は「公式サイト」の解説を参照)
《 いずれも、「ボーダータウン」の公式サイトより 》
《 公式サイトの「COLUM」欄の鳥越俊太郎、伊高浩昭両氏へのインタビューも一読の価値有り 》
事件はその頃から起きて、未解決のまま今も続いているという。
根底にあるのは「儲け第一」の国際資本だ。儲けるための規制を撤廃し、モンスターのように弱者の血を吸い尽くしすべてを剥ぎ取っていく。
○ ○ ○
主演の女性記者役のジェニファー・ロペス、そういえば「シャル・ウィ・ダンス」-周防正行監督の元祖日本版「Shall We ダンス!」をアメリカ版にリメイクした作品に出ていた人だ。
草刈民代のバレエで鍛え上げられた繊細で洗練された姿に対し、ちょっと太めのどちらかというとグラマーな感じで、日本版のイメージからすると違和感があったが、今度の記者役は凛々しくかつ情熱的で良かった。
そう、真実を知り正義をつかもうとして背後にある悪を追求しようとするときの、執拗で危険を顧みない果敢な姿は、映画「ナイロビの蜂」(にジャンプ)での外交官・ジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻、テッサ(レイチェル・ワイズ)に共通するものがあった。
そういえばもう一つ、「フアレス」とアメリカ側の「エル・パソ」という街、この間DVDを見ていたら「ブロークバック・マウンティン」にも出てきた街だった。
○ ○ ○
映画館を出るとき、思わず身震いした。
「ボーダータウン-報道されない殺人者」-公式サイト
世の中には知らない-報道もされない不正や事件がたくさんあるものだ。それが、個人の不正や暴力でなく、企業がらみ、国家がらみだとやりきれない気持ちになる。本来、国民を守るべき警察や政府組織が公然と犯罪に与しているとなると、救いようのない暗澹たる思いが押し寄せる。
1993年に「北米自由貿易協定」がメキシコとアメリカ・カナダ3国間に結ばれるとメキシコ側の国境地帯に安価な労働力を求めて外国企業の工場が乱立し、一方職を求めて各地から貧困層-若い、熟練を要しない女子労働者が多数を占める-が各地から押し寄せる。企業は関税も逃れ経費をより安価にし、多くの利益のみを求めるから労働者の安全など全く気にも留めない(この辺の事情は「公式サイト」の解説を参照)
《 いずれも、「ボーダータウン」の公式サイトより 》
《 公式サイトの「COLUM」欄の鳥越俊太郎、伊高浩昭両氏へのインタビューも一読の価値有り 》
事件はその頃から起きて、未解決のまま今も続いているという。
根底にあるのは「儲け第一」の国際資本だ。儲けるための規制を撤廃し、モンスターのように弱者の血を吸い尽くしすべてを剥ぎ取っていく。
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主演の女性記者役のジェニファー・ロペス、そういえば「シャル・ウィ・ダンス」-周防正行監督の元祖日本版「Shall We ダンス!」をアメリカ版にリメイクした作品に出ていた人だ。
草刈民代のバレエで鍛え上げられた繊細で洗練された姿に対し、ちょっと太めのどちらかというとグラマーな感じで、日本版のイメージからすると違和感があったが、今度の記者役は凛々しくかつ情熱的で良かった。
そう、真実を知り正義をつかもうとして背後にある悪を追求しようとするときの、執拗で危険を顧みない果敢な姿は、映画「ナイロビの蜂」(にジャンプ)での外交官・ジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻、テッサ(レイチェル・ワイズ)に共通するものがあった。
そういえばもう一つ、「フアレス」とアメリカ側の「エル・パソ」という街、この間DVDを見ていたら「ブロークバック・マウンティン」にも出てきた街だった。
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映画館を出るとき、思わず身震いした。
「ボーダータウン-報道されない殺人者」-公式サイト