from KASHIWA with SPIRIT

わかっちゃいるけど浮かれちゃう

琢磨と共に―――F1日本GP

2004-10-14 23:25:28 | F1
結局現地から書き込むこともままならず、帰宅してからも抜け殻のようになっていた。ようやく自分の中で折り合いがついた気がするので、日本GPを回顧してみる。

天候に翻弄されたGPだったが、天候回復後の土曜の夜、鈴鹿サーキットへと向かう人の列、そして我々よりもはるかに早く現地入りしていた無数のファンの群れ。金・土の雨で冷え切っていた情熱を呼び起こしてくれるに充分だった。そしてそのファンのほとんどは佐藤琢磨一人の走りを見に来ているのだ。一体彼の何が我々をそうさせるのか。日曜日にまざまざと思い知ることになる。


日曜は午前九時の予選一回目開始から、決勝まで一直線に途切れることなく戦いが展開されていく。十五万人が琢磨の走りに同時に一喜一憂する。そして彼は絶対に期待を裏切らない。予選でのシケインのスピン寸前の走り。決勝でのラルフを追う気迫。表彰台こそならなかったが、存分に楽しませてもらえた。あんなに終わらないで欲しいと思ったグランプリはなかった。

思えば、2年前の鈴鹿では5位入賞でお祭り騒ぎだったのだ。それを考えれば、4位入賞で無念と思えてしまうことのなんと贅沢なことか。しかし、それこそがどこまでも発展途上な琢磨の魅力、15万人を鈴鹿に向かわせた原動力なのだろう。

必ずワールドチャンピオンに―――佐藤琢磨の戦いは続く。そして我々の戦いも。”その日”が訪れるまで。