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わらわら日記

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「蝶のゆくえ」

2005-03-30 19:01:31 | 読書メモ
橋本治著「蝶のゆくえ」読みました。

短編集。
中でも「ふらんだーすの犬」は読んでいて気持ちが凍りついたようになってしまいまばたきも出来ずでやっと最後に涙がこぼれた。
小学一年の孝太郎が実母に虐待され死んでしまう話。
ちょっとだけ幸せだった祖母との生活、実母が結婚し孝太郎を生むまでや離婚して違う男と暮らし、虐待され瀕死で病院に運ばれるまでが割りと淡々と書かれてる。
物語の最後やせ細った孝太郎の体を看護婦たちが「手の温かい人いる?」と言って撫でてあげる場面は思い返すにも悲しすぎる。
それでも子供は母親が大好きだ。
たとえ世間から非難されるような人間でもだ。
だから孝太郎が温かな掌を母のものと感じながら死んでいったのが救いだ。

他の短編でも人がとる行動の訳を解説しながらすすんで行くような物語に我が身をふり返ると、はたから見れば自分のとった行動はこんなふうに解釈されるのかなと思った。
自分でも何であの時あんなことしてしまったかわからない、などということがあったりするがそれも他人には勝手に解釈されそれが誤解や齟齬につながったりもするのだと思うとなんとも人間関係は厄介で面白いものだと苦笑したくなる。

目黒雅叙園にお泊り

2005-03-29 19:25:51 | 御宿
目黒駅西口から行人坂というかなり急な坂を降りていくとまもなく見えてくるのが目黒雅叙園。
入り口からフロントまでは通路両側に桜の花(造花ですが)の生けられた池を見ながらの結構距離のある道でした。
2時にチェックイン。
77周年特別宿泊プランで申し込んでいた和室のお部屋がとれてました。
二、三日前に電話で確認した時には洋室しか空いていないと言われていたのであきらめていたが、うれしい。
なぜ和室にこだわったかというと、檜の湯船につかりながら庭が眺められるからです。
バスルームに窓があるのが好きなのです。
しかもジェットバスなので足の裏や腰などにほど良い刺激が快適でした。
そしてテレビも見られるのです。
そのテレビが14インチくらいの大きさなのです。
普通お風呂にあるテレビって超小型だったりするのにここのテレビは大きいんでビックリ。
サウナもあってとっても充実してるバスルームです。
夜には庭もライトアップされてました。
お部屋は二間続きの広いお部屋。
畳敷きの床の間に「福」と書かれた掛け軸。
床近くまである大きな窓からは遠くに木蓮の花が三分咲きくらいでしょうか、白くふくらんでいるのが見えました。
ビルも間近に見えるため夜景もきれいでした。
雨が降っていたので日本庭園をお散歩することが出来ず残念でしたが、ティールームからでも十分に滝が見え楽しめました。
百段階段の見学もしました。
一時間くらいかけて丁寧に六つあるお部屋のすばらしい彫刻や絵の説明をされて貴重な体験をしました。
豪華絢爛とはこのような事かと実感しました。
今度は洋室の方にお泊りしたいなと思ってます。

     

「ボランティア・スピリット」

2005-03-22 22:11:04 | 読書メモ
永井するみ著「ボランティア・スピリット」読みました。
市民センターで外国人を対象に開いている日本語教室。
そこで日本語を教えるボランティアをする人々と外国人の生徒たちとの出来事を描いた連作短編集。

普通の市民のなんでもない日常で起こるちょっとしたこと。
事件というほどではないけど小さなトラブルといったとこ。
どれも何とか解決に向かい何事も無かったようにまた日常は続いていく。
誰にでもそれぞれの事情がありどの話にも一度ならず味わったことのある感情がよみがえってきた。
それは罪悪感、不誠実さ、優越感、疎外感‥‥。
それでも時間だけは過ぎていく。
考えても考えなくても。