ぼくの望みは、そんなに大きなものじゃない。
ちいさなちいさなものだ。
愛する人と凪ぎの海を見つめながら、
ほっこりと過ごし、
夕暮れの浜辺を手をつないで歩き、
明日も晴れるかな、と言って眠る。
そんなことだ。
けれども本当にそうであるためには、
この空を晴れやかにしなければいけない。
この海を美しくしなければいけない。
隣人が苦しんでいるのを黙って見過ごすことはできない。
食べものが安全であるような仕組みを作らなければいけない。
緑にあふれる地球にしなければいけない。
二度と大きな戦争が起きない世界にしなければいけない。
原水爆やクラスター爆弾などの悪魔の兵器は根絶しなければいけない。
民衆のためになる正しい政治を行う政治家を選ばなければいけない。
子どもたちが生き生きと未来を目指す社会を作らなければいけない。
平和を構築し、みんなの笑顔があふれる社会を作らなければいけない。
自分だけの幸せも、二人だけの幸せも、
この地球上のどこを探してもないんだ。
誰もが幸せをつかむために明るく生きる社会こそ必要なんだ。
誰もが自分らしく生きることができる社会こそ必要なんだ。
そうでなければ、ぼくは、
ぼくの小さな望みさえかなえられないことを知っている。
だったら戦うしかないんだ。
勇気をふりしぼって。
ぼくが見つめる空も海も、
どうしたって世界に通じているんだから。
ぼくの望みは、ぼく一人だけのものではないのだから。