君は、テニスの選手か、はたまたスプリンターか。
瞳はめまぐるしく動いているが、
雨の日も嵐の日も、いっぱい洗濯物を干して、
ママチャリに乗って、さっそうと出かけたかと思ったら、
車道に飛び出しそうな子どもを叱り飛ばし、
泣いてる子には頬ずりをして、
ほっとして腰を下ろしコーヒーを飲む暇もなく、
かかってくる電話に出たと思ったら、
メールを受けては投げ返し、
右にも左にも前にも後ろにも動ける体勢で、
手にはラケット、足にはスニーカー。
あたしは万能じゃないのよ、とは言うけれど、
どんな悩みにもけっしてめげず、
走り出したら止まらない。
君はしなやかな人。
凝ってる肩など気にする暇もなくて、
美容室なんて言葉も忘れているほどに、
手足を動かし、くるりと振り向いては、
目の前の誰かに微笑んで、
今日から明日へと、
しっかりと走っていく。
その瞳に太陽は映り、
その髪には天使の輪が生まれ、
美しい人。
それは君。