ぼくはいつも夜空を眺めている。
目の前にはシリウスがある。
いつもオリオンを友人のように見上げているが、
その西下のシリウスだけが、
なぜか、いつも揺れて見える。
まるでUFOと見間違うほどにだ。
なぜなのか。
ぼくには分らない。
だが、確かに揺れているのだ。
シリウスは、
エジプト文明を創造した源の星だ。
彼らはシリウスがいつ昇るのかを緻密に計算し、
現在の太陽暦の元を作った。
その緻密な計算が、数学を発展させ、
ピラミッドを作った。
彼らの文明は、「観測する文明」である。
だが、日本文明やインダス文明は、「感得する文明」だ。
ティグリス・ユーフラテス河に発達したシュメルの文明は、
やがてギリシア文明を、エジプト文明を、
そしてヨーロッパ文明を創造する。
彼らは、彼我を別け、自然を人間の外に置く。
だが、インダス文明も日本文明も、
自然と人間は溶け合っている。
そうして宇宙を含む自然総体を、
人間の精神の内に「感得」することで文明を発展させていった。
シリウスが揺れる。
それは、日本文明を心に育むぼくに、
揺れて見せているのか。
そんな夢想が広がる。
ぼくの宇宙の中で。
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