A lagoon,sometimes a squall

ずいぶん長いこと留守にしましたが
やっぱり私の家はここ。

書きたいことは全部我が家にブチ込むぞ!

卒塔婆小町。

2006-08-16 23:24:08 | Books.
おっさんだって、毎晩SE7ENに溶ろけてるわけじゃないのだ(笑)

エアコンをほんの少し利かせておけば過ごしやすい夜が続いています。
そろそろ読書の秋も間近。
ウォーミングアップを始めておきましょう。

最近気になって読み出している中山可穂さん。
これは二冊目。最初に『マラケシュ心中』を読みました。

この方のモチーフは根底に同性愛を敷き詰めて、
その上に様々な愛の形を描き出すようです。

『弱法師』、よろぼし、と読みます。
中編小説が3編入っています。

どれも一番欲しい愛は手に入らないお話です。
悲恋、という訳ではないのだけれど
寂しい大人が少しずつ諦めて柔らかな自分の心を守っているようなお話。

3編のなかで『卒塔婆小町』が一番好きです。

緩やかな愛の狂気に落ちていく男と
そんな男をとても大切に思っているのに受け入れられない女。

男の狂気が限界に達した時に二人の転回点が訪れます。

そして私は女の選んだその後に共感してしまった。
なにもかも捨て去る潔さ。

それは私が手に入れたいと願っている強さに少し似ている。