7月21(土)の深夜11時から、翌22日(日)の早朝4時半にかけ、例の「釣れないクラブ」の今年4回目の船釣りでした。
今回の目的は、アカイカ(剣先イカ)を釣ろうって~ことで、新潟県上越市へとやって来たのですがね、果たして「釣れないクラブ」の面々に、かの高級品であるアカイカが釣れるかどうか・・・それと・・・もうそろそろ「釣れないクラブ」の「釣れない」を名称変更しないとね・・・。
これぞ高級品、アカイカ (剣先イカ) 買えば一パイ千円?
メンバーは、オイラを含めた釣れないクラブ員が5人と、知人K氏のグループ3人の合計8人による仕立て船ということですが、K氏のグループはオイラ達と異なり皆さんベテラン揃いであるらしい。
このK氏のグループに、誠に威勢の良いオッサンが一人おりましてね、初対面にも関わらずその押し出しの強いことと言ったら天下一品ですな。
何でもダンプの運ちゃんだというこのオッサン、坊主頭にねじり鉢巻が良~くお似合いで、「こっちも負けちゃいられね~」とばかり、S氏がそれを真似ねじり鉢巻をしてみるも・・・「Sさん、申し訳ないが似合わね~」
オッサンは船釣りのベテランらしく、あれこれとアドバイスをしてくれるのはあり難いんですがね、あろうことか、「船頭さん、この連中は"まるぼーずクラブ"って~会で、魚が全然釣れないクラブだってよ、気の毒だから今日は目一杯釣らせてやってくれや、ガハハハッ・・・」とは、そりゃ~あんまりでね~かい!?
釣り用語では全然釣れないことを「ボーズとかオデコ」と言うんですがね、オイオイ、オイラ達は「釣れないクラブ」などと半分は洒落の意味もあってそう呼んでいるだけで、決して「まるぼーずクラブ」とは言ってないし思ってもいないって~の!
「オッサン、自分の頭をよ~~~っく見てみろってんだ!丸ボーズはお前さんだ!」と、小さく呟いたのはダ~レ?エッ、オイラだって!?・・・・。
もっとも、あえてオッサンの名誉のためにも言っときますが、この手の人間に悪い奴はいないようで、ちょっと口うるさいのと口が悪いのを除けば、人情味のある非常に気の良いオッサンではありましたがね。
ゴキゲンなTちゃん 「イヒヒヒッ、おもしれ~!」
オイラ達の計画では、最初アジ・サバを釣り、それからアカイカを釣ろうということで、先ずはコマセ籠にオキアミを積めたサビキ仕掛けでアジ・サバ狙いであります。アジく~ん、サバちゃ~ん、♪こっちのみ~ずはあ~まいぞ~♪ 早くおいで~!
餌を投入して間も無く、あっちこっちで「釣れた!釣れた!」の大合唱!「イヒヒヒッ、おもしれ~おもしれ~な~」と満面笑みを浮かべるTちゃんの顔が特に印象的でしたな~ どうよっ!Tちゃんのこの笑顔!
船上は、アジ・サバ・鰆(さわら)・太刀魚などの魚のオンパレード。今までの釣れない釣れないがまるで嘘のよう。
ところでと、オイラも知らなかったが、この中でも鰆(さわら)っちゅう魚はまっこと怖いヤツですな~その尖った口にはノコギリのような歯がビッシリと生えていて、針を外そうとするとこの鋭い歯で噛み付こうとするんですな。
オイラを初め、釣れないクラブの皆さん鰆が釣れる度にビビッてしまい、誰もが針を外すのを嫌がるんであります。結果、オイラ達が勝手にこの魚に命名した名前、それは「おっかね~(恐ろしい)魚」
そんな理由もあって、たまに鰆が釣れたりすると、誰彼ともなく「又おっかね~魚が来ちゃったよ~」と恐れおののくのでありました。
船頭が言うのには、「食べて旨い魚だよ」とのことだが、何と言われようが「オラ、おっかね~モノはおっかね~だよ~」
船酔い無し?!のNさん、余裕のピ-スサインまで!
夜も大分更けた頃、アジ・サバ釣りに一区切りをつけ、いよいよ本命のアカイカ釣りにシフトです。
仕掛けをアカイカ専用の疑似餌に替え、スルスルと海中に仕掛けを投入すると、およそ30mで海底に着地。底を少し切り静かに煽いでいると、暫くするとピクピクと竿先に小さなアタリ。「オッ!?これがアカイカのアタリ?」
教えられた通り、ゆっくりと巻き上げてくると、グイグイと引くような力強さは無いが、ズッシリとした重さが手元に伝わってくる。
水面に顔を出したこのアカイアカ、他のイカの例に漏れず、人間の顔に向かってはビュッと潮やスミを吹き付けるんですな。「オット危ね~!危うく前回のように顔にスミを引っかけられるところであったわい!」
「ガハハハッ」と、鯵を片手に破顔一笑のOさん
ようやくアカイカ釣りのコツを覚え、「さてこれから思いっきり釣るぞ~!」と気合を入れ、おもむろに仕掛けを投入するのであるが、「アレッ?おかしいぞ?仕掛けが落ちて行かない!」「どうしたんだ?」とリールを巻き取ると同時、強烈な引きが竿先に伝わってくる。仕掛けが底まで落ちる途中、何かの魚がヒットしたようだ。
弓なりになった竿を持ち、リールを巻き上げていると、不思議なことに、今度はあれほど重かった竿が一気に軽くなり、何の抵抗もなくスルスルと巻き取れる。「アリャ、バレちゃった?」
仕掛けは?と見ると、道糸の下から仕掛けが全て無くなっている。当然オモリも無い。「不思議なこともあるもんだ?何かが海中に潜んでいて、ハサミでチョキンチョキンと切っているとしか考えられない」
「あ~っ!俺もだ!こんちきしょうめ!」「アッ、!俺も切られた!何で?」とあちこちで声が上がる。
「ちょっとちょっと、船頭さん!何で仕掛けが切られるの?」と船頭に尋ねると、「それは、鰆の仕業」と仰る。「鰆!?あ~あのおっかね~魚のことね?」
何本か付いているその内の一つを食い千切られるのなら未だしも、仕掛け全体の一番上の部分でも切られた日にゃアナタ、オモリを含めた仕掛けが一瞬にして海中に消滅という悲惨な状態であります。
「Sさ~ん、それ何?」「べらんめ~オモリが無え~んだよ!」
仕掛けを切られるその度に、船上は「オ~イ、仕掛けは何処だ~!」「オモリは何処だ~!」のてんやわんやとなり、船上は船上ならぬ戦場となる顛末。
仕掛けとオモリは無限にある筈も無く、やがて品切れ状態となり、釣りたくても釣ることが出来な~いという寂しい釣り人が急増中。
ところがドッコイ!何処の世にもしぶとい人間って奴はいるもんですな~ 上の写真を良~~~く見て頂戴!仕掛けを持ったS氏の左手の下、オモリの代わりにぶら下がっているのは・・・ナント!ドリンクの空き瓶!
「空瓶じゃダメだと思い中に海水を入れてみたが、やっぱりビンじゃ軽くて中々沈んでいかね~」とお嘆きのSさん、何が何でも釣ろうというアナタのそのど根性にオイラ痛く感服仕り候。
仕掛けが無くなったと知るや、水面を泳いでいる太刀魚・ダツ・カニを、船上備え付けの玉網を使い次々と掬い上げるOさん、アナタのその狩猟本能は眼を見張るものがありますな。「釣れないクラブ」などと自嘲気味に仰るが、なんのなんの、オイラを除く皆さん、いや~実にいい根性してはりまんな~
お魚のプロシンちゃん登場 「コレコレ、見るだけ見るだけ!」
仕掛けがもう少しあれば、もっと多く釣れた筈ですがね、いかんせん、仕掛けが無くては手も足も出ません。
ということで、上の写真がオイラの釣果の全てです。アカイカ(剣先)が8パイ、アジ15匹、太刀魚1匹、おっかね~魚(鰆)1匹でした~
今回は、夜釣りのため絶対に釣れるとの予感から、隣人・知人達にはお土産を待ってろよ!との大見得を切ってしまった手前、これ等のお魚は、アジ2匹とイカをキープした後、残りの全ては近所におすそ分けということにと相成りました。
追記
今回の中越沖地震に於いて、被害に遭われた新潟県の皆様方には、心よりお見舞い申し上げます。
余震が今なお続く現在、刈羽原発事故による風評被害の影響で旅館などのキャンセルも続出とか?これから迎える本格的な海シーズンを前に、関係者の皆様のご心痛は如何ばかりかと・・・
オイラはボランティアとしての参加は残念ながら叶いませぬが、海釣りを通し、貴県にとって少しでも活性化のお役に立てばと願っております。
よろしゅうに!
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