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ナオちゃんのお気楽生活

釣りとバイクが好きなオヤジが綴るお気楽人生

オジサン渓流釣りに行く

2007-03-02 19:55:57 | 釣り
3月1日をもちまして、姫川水系が渓流解禁となりました~ 解禁となれば、ひと時もじっとしていられないオイラは、友人のT氏と二人、姫川へと渓流釣りにやって来たのであります。
天気は良いものの、国道脇に設置されている温度計では気温マイマスの6度の表示。例年よりも暖かいとはいえ、早朝の7時はさすがに寒いですな。
この日、白馬駅から少し下流の姫川本流で竿を出したのでありますが、オイラ達の他に釣り人の姿が殆ど見当たらない。平日のため?それとも釣れないことを皆さん知っていて来ない?

    <姫川上流附近から望む白馬連峰> 純白の稜線が青い空に映える


姫川なんて如何にも愛らしい名前の川ですが、この川は雨が降るととんでもなく荒れる川として有名で、度々起こる災害に年々川の姿が大きく様変わりするんですな。大きな岩や淵は土砂で埋まり、その都度土木屋が待ってました~とばかり、ブルドーザーや重機で川底をかき回すものだから、かつての姫川本来の渓相など何処へやら。姫なのに・・・姫様なのに・・・何故?どうして?
「女は怒らせれば、おっかね~って決まってんだろ!」との、友人T氏の含蓄あるお言葉に、オイラ「ナルホドッ!」と妙に納得。

      <姫川本流で竿を出す友人T氏> オ~~イ、釣れたか~~い?


釣果?これはオイラの持論でありますがね、釣りとは、己と自然の対峙でありお魚さんとの対話でもありますので、大自然の中に我が身を置き日がな一日可愛いお魚さんと戯れることを旨とする・・・と、拙者常々このように考えておりまする。
従いまして、エッ!一匹も釣れなかったの?とか、やっぱりボーズだった?などと、そのような下品で世俗的なことをお尋ねになってはなりませぬ!
クッソ~!次回こそ、「リベンジの心だ~~~っ!」

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富山県・生地(いくじ)のイカ釣り

2007-02-12 19:36:50 | 釣り
2月11日(日)本日は、富山県生地(いくじ)港へイカ釣りだ。深夜の2時、千曲市のK社工場駐車場にメンバーが次々と集まってくる。今回は総勢9人の釣行である。
釣り道具やら酒・食料などしこたまバスに積み込み、2時半いよいよ出発~!バスは例によって、後部にサロン席のある豪華絢爛自家用マイクロバス。

   深夜(早朝?)からバスの中では宴会の真っ最中


オイラを含め皆さん寝不足にも関わらず、後部サロン席では早速恒例の宴会へと突入。ビールや焼酎のウーロン茶割りで盛り上がる酔っ払いを乗せ、バスは雪の舞う上信越自動車道を富山県富山県へとひたすら向かうのでありました。
出発時の雨から徐々に霙(みぞれ)へと変った天候は、新潟県に入ると完全に雪となり高速道は積雪状態。前回のアジ釣りも雨に祟られ散々だったが、今回又もや悪天候の嫌な予感?
「この中に、雨男がいるな?」焼酎で顔を赤らめたN氏がオイラの顔を見つめると笑いながら言った。「エッ!オイラ?!」
「お前に間違いない!」「そうだそうだ、絶対にお前だ!」「お前しかいない!」サロン席に陣取る皆さんの大合唱に「オイラって、雨男だった?」

         早朝の富山県生地(いくじ)港


未だ薄暗い生地(いくじ)港に着いたのは、早朝の5時。先程の車中での雨男とのご指摘に、恐る恐る車外に出たオイラの眼に映ったのは、時折混じる雨や雪の曇天模様。暖冬とはいえ、この時期の早朝はとにかく寒い。
出港は6時半の予定だということで、皆さん近くのコンビニへ買い物やらトイレのためにお出かけ。こんな時はコニビニのあり難さを痛感するのだが、コンビニなど無かった一昔前はどうしていたんだろう?釣りに来て、釣りとはおよそ関係の無いヘンなことを考えている、雨男?のオイラでした。

         期待に胸を膨らませ、イザ出港!


防寒着をしこたま着込みダルマさんのようになった皆さんを乗せ、船はイカ釣りへとイザ出港~!
困ったことに、イカ釣り経験者はこの中で二人ほど。「お~い、これはどうやって付けるんだ~?」「あれっ?オレの仕掛けは?」「ちょっと、あれは何処?」オイラを含め殆どの者がイカ釣り初心者とあって、出発前の船上はてんやわんやのシッチャカメッチャカ。
イカ釣り経験者で海釣りベテランのU氏は、その度にあっちへ行ったりこっちへ来たりで大忙し。人の良いU氏であるから恨み言は言わないまでも、恐らく大層疲れたことだろうな?

          鉛色の空と時化模様の海 


幸いなことに、雪や雨は止んだものの海上は大波小波がうねる時化状態。釣り船は上に下に横に斜めにと揺りかごのように揺れる。
生意気に立ってでもいようものなら、コメディアンの伊藤四郎がかつて演じた「電線マン(古い人なら分かる?)」よろしく、オットットット、オットットットと船上を練り歩くことになる。
コタツの上でそれをやるなら大うけ間違いないが、舟の上でそれをやっても洒落にもならんし、間違って海に落っこちでもしたらそれこそ笑い事ではすまない。

本日の釣果。これっぽっち、釣り師9人でどうやって分ける?


船頭さんが言うのには、「今日の獲物はヤリイカだから、当りが小さいので竿先の動きに注意をして」とのご指導を受け、竿を上に下にと懸命にしゃくるのだがオイラの竿先にはなんの変化も無し。
「お~っ!釣れた、釣れた!」の声に、斜め後ろを振り返ると、N氏が満面の笑みを浮かべ電動リールの糸を巻き上げている。
その後、ポイントを探しあちこちと移動するだが、当りがあったのは最初のこのポイントとその後の何箇所かのみ。
結果、本日の釣果は、このN氏とその隣のK氏、それにS氏の息子Uちゃんの釣った数匹のみ。当りがあったものの釣り落としたS氏を含め、その他大勢の釣り人は、見事にボーズ、ゼロ、ナッシング。
「イカ釣りに行ってくるぞ、お土産待ってろよ!」と、あちらこちらで吹聴したであろうO氏は、この釣果に「困った!こりゃ帰りは鮮魚センター経由だな~」とガックリ。

男同士でラブシーン? イエイエ、只今船酔いの真っ最中!


真っ先ににイカを釣り、自信満々出だし絶好調のN氏であったが、ポイントを何箇所か移動するうちに、その様子が何やらおかしい。言葉をかけてみるも、その表情は上の空状態で返事も無く、眼はうつろで顔面蒼白。船釣りのお約束船酔いになったらしい。失礼ながら、その姿はまるでロウ人形の館にでも迷い込んだが如し。
船室の壁に寄りかかり、微動だにせず固まっているN氏の傍で「Nさん、大丈夫?」と心配そうに介抱をする優しいTちゃん。「ちょっと~こんなとこ写真撮るの止めてよ!」と言いながら、一見笑っているようにも見えるTちゃんではありますが、彼もしっかりと船酔いにかかっているのでありました。
実はこの時、船酔いにかかっていた人間はこの二人の他に4人、合わせて6人までもが船酔いの洗礼を受けていたのでありました。
エッ、オイラも船酔いしたかって? 不本意ながら雨男の汚名を授かった拙者は、船酔いなど何処吹く風の平気の平左でありました~

  出帰港の度に開閉する橋 橋が水平に動くから驚き!


隅田川にかかる勝鬨橋(かちどきばし)は、船が通行する度に橋脚が跳ね上がることで有名でありますが、生地港に架かるこの橋は船が通行する際には横にスライドするのでありますな~
勝鬨橋(かちどきばし)の名の由来勝鬨(かちどき)は、戦果に勝利をした時に上げる声のことだそうで、勝鬨橋とも似たような構造を持つこの橋の前で、勝鬨(かちどき)の声を上げたいところですが・・・今回は(も?)、エイッ、エイッ、オ~~~ッ!はお預けの顛末!
このままでは納得のいかないオイラ達一行は、3月に比較的釣りやすいというムギイカ(スルメイカの子)でリベンジの心だ~っ!!!

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イカ釣りに行くんだって

2007-02-05 22:29:35 | 釣り
来週の2月11日(日曜日)に海釣りに行くこととなった。昨年アジ釣りに行ったメンバーとの釣行で、今回は富山県のイカ釣りということで今から楽しみだ。
予定では、昨日の6日に行く予定であったが、満月のため釣果が期待できないとのことで、来週に順延となったっていう訳。
ところがですね、一部の釣り名人を除き、オイラを含めた殆どの方がイカ釣りの道具を持っていないのでありました。誰かが用意をしてくれるだろうと、前回同様オイラは大船に乗っていたのでありましたが、友人のU氏からの電話によると、ナント!皆さん自前の釣り道具を購入したいうではありませんか!
「道具が無いのはお前さんだけだぞ」と、受話器の向こうでU氏が笑いながら仰るのを聞き、他人任せの大船に乗っていたオイラはいきなり奈落の底へと突き落とされたのでありました。

   知人に頼み、ネットで購入した電動リールと舟竿


慌てたオイラは、今回の釣行会の中心人物であるS社長の元へとすっ飛んで行き、「S社長~、て~へんだ!オラの道具を何とかしてくで~」とお願いしたのであります。
「インターネットで中古のいい道具が売ってるから、それを買えばいいよ」とS社長は教えてくれるのだが、ネットオークションなんてやったことが無いし、第一ネットオークションなんて物はオイラ余り信用してないんだなこれが。
「しょうがね~な~、俺の息子に頼んで買っといてやるよ」とのことで、本日届いた道具がコレ。イカ釣り専用の中通し竿と電動リールの一式で、約2万円な~り!
例の婆さまの「新年早々お金を使うと・・・」との、不吉な予想がものの見事に的中しそうな2007年・・・バイクにバックホー、時計の修理代やら何やらで、お金が湯水のように消えて行く。
こうなりゃヤケクソで~ぃ!矢でも鉄砲でも持って来いってんだ~!

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冬の千曲川

2006-12-20 17:04:50 | 釣り
盛期には数多の釣り人で賑わった千曲川、今は人影も無くその水面に冬空を映し静かに流れ下る。
遠く北アルプスを望むこの場所は、かつて鯉釣りの名所として知られ、連日のように腕に覚えのある釣り人達で賑わった。
鯉に竿を持って行かれた者、川中引きずり回された挙句見事に道糸を切られた者、釣り上げたものの逃げられそうになり川に飛び込んで鯉を抱き上げようとした者・・・鯉と釣り人とのドラマは枚挙にいとまが無い。

           冬の千曲川と太公望   


鯉釣りの名人と謳われたI氏、寒風吹きすさぶ真冬の鯉釣りを信条としたH氏、頑固なまでに自分のスタイルを貫き通したA氏・・・豊かな千曲川は様々な釣り人を輩出した。
時代の推移と共に、土手の木々は伐採され、木の杭は抜かれテトラポッドに、河原の石積みはコンクリートにと大きく様変わりしたが、それでも今なお大小の鯉が群れを成す。

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「池ちゃん」という男

2006-11-24 10:38:50 | 釣り
釣り人にはとかく変わった人間が多いんですな。何を隠そうオイラもその仲間であるらしいんですがね。
その中でも、池○という男の変人・奇人ぶりは抜きん出ていて、数多の変人達が束になっても敵わないという大変人である。
この池○、やや肥満気味のポッチャリボデーに、ドングリ眼をした丸顔がチョコンと乗っかっている30代後半の男で、変人であるという事を除けば人間性は極めてよろしく、その愛くるしい笑顔と相まって釣り仲間からは池ちゃん池ちゃんと呼ばれ親しまれているのであります。
この池ちゃん、おっちょこちょいなのか或いは三半規管を病んでいるのか、はたまた落っこちるのが趣味なのかは本人以外に知る由もないが、いずれにせよ川に落っこちる名人であることに間違いは無さそうだ。
鯉釣りを趣味とする池ちゃんは、鯉に竿を持っていかれたといってはポッチャン、川を眺めていてよろけたといってはポッチャンと、それは見事に落っこちちるものだから、仲間内からは「池ポチャの池ちゃん」と秘かに呼ばれている。
人伝に聞いたところによると、鯉に竿を持って行かれたことは2度や3度ではないらしく、その都度新しい釣り竿を購入するため池ちゃんの竿は何時見ても新品然としていると言っていたが・・・ウ~ン、そう言えば確かに池ちゃんの竿は・・・。
リールには"ドラッグ"という便利な装置が付いていて、これを緩めたり締めたりすることによって糸の出を調整するようになっているので、普通は置き竿にしておく場合緩めておけば何の問題も無いのだが、「獲物を逃してなるものか~」一点張りの池ちゃんはこれを目一杯締めこんだままにしているらしい。
神様はイタズラがお好きなようで、こんな無防備な池ちゃんに鯉をプレゼントでもしているのか、他人が釣れないような時にでも池ちゃんの竿には鯉が食い付くから不思議だ。
友人の下○氏が驚いて言ったことがある。「この前さ~デッカイ鯉かと思ったら、目の前を池ちゃんが流れていくんだもんな~たまげたっ!」と。
困ったことに、当の池ちゃんはと言えば、「あそこの場所は足が立たないのでかなり深い!」とか、「あの場所は水が胸までだから浅い!」などと、一向に懲りている様子がない。落っこちたことを恥じるでもなく得意げに語る池ちゃんの辞書には、学習能力などという言葉は一切書いてないらしい・・・変人と言われる所以である。
何はともあれ、あちこちで水中に没している池ちゃんは、己の身をもって水深を計測することの出来る、唯一無二その道のエキスパートなんであります。
「あいつ、いつかは溺れて死ぬな?」と、別の友人が囁いた一言が気になるが、何時の世も、この手の人間が不慮の事故で死ぬなどということは間違ってもあり得ないと、オイラは勝手に推測している。
鯉釣りを行う上での重要な要素に"水深を知る"という作業があるのだけれど、知らない場所に行って水深が分からない時はこの池ちゃんを呼んで一度落ちてもらうとよろしい。

池ちゃんの巻、次回へ続く・・・。

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能生川(のうがわ)のマス釣り

2006-10-22 20:28:00 | 釣り
10月22日(日)、近所の先輩A氏と知人であるY氏の3人で、新潟県能生川(のうがわ)へとニジマス釣りに行ってきた。
本来であれば、渓流釣りは禁漁期間中であるのだが、ここ能生漁協では渓流釣りファンのために、本日と来週の日曜日(29日)の2日間に限りニジマスを放流しての釣り大会を催しているのである。
9月をもって全ての渓流釣りが禁漁期間となっているため、釣りキチたちは久々の渓流釣りができるとあって、地元は勿論オイラ達長野県人を含め県外からの釣りキチ達で賑わった。
現地に朝8時半到着したオイラ達は、道路脇に設けられた俄か作りの受付で会費2,100円(税込)を支払い、早速ポイントの選定に入る。

         早朝の「能生川(のうがわ)」

午前9時、前方の橋の上で漁協関係者が振る赤い旗を合図に、いまかいまかと待ちかねていた釣り人たちが一斉に竿を出す。
この橋の上から下の流れを眺めると、この場所で放流が行われたのであろうか、透き通った水の下には川底が見えないほどに埋め尽くしたマスが群れる。数百匹はゆうにいるかと思われる、魚魚魚・・・で真っ黒!
そのため、この場所は釣り人の竿が林立し、あちこちでオマツリ(仕掛けが絡むこと)となり、仕掛けを直している隙を縫って今度は違う釣り人の竿がすかさずマスを狙う。これでよくケンカにならないかと感心してしまう。飽和状態の無法状態はこういいう状態のことを差して言うのかも知れない。
このような状況では、押しが強く図々しい奴が断然有利で、さらにその顔が強面なほど良いことは説明する必要もない。
多少の図々しさには自信があるものの、仏様を絵に描いたような温和な顔のオイラは、従ってこのような場所には近付かない方がいいかしらん?
気がつけば、図々しい奴らや強面の奴らに混じり盛んにマスを釣るオイラがそこにいたのであった。でもね、ある程度釣った後は他人にその場所を譲り、一人だけいい思いをしなかったことを念のため申し添えておきまする。

      同行の釣友、近所のA氏と知人のY氏

釣り前の緊張したお二人と、写真に写っていないやはり緊張しているオイラの、長野から遥々やって来た釣りキチ(物好きとも言う)3人組。
釣り券ok、釣り仕度ok、トイレok、餌・・・アッ忘れた!Yさ~ん、予備の餌無い?(オイラのアタフタ劇でした~)
A氏「この橋の下にマスがいっぱいいるけれどさ~人間もいっぱいで竿を出すスペースなんてないよな」
Y氏「橋の上から石ころでも投げて魚を散らしてやろうか?」
A氏「そりゃ~いいアイデアだ!」
ワシ「お二人とも、そんなことをやってはいけません!石ころでは無くデッカイ岩石にしなさい!」

  橋桁の下でマスを狙うA氏 でっかいマスを釣ってね!

なんとか無法地帯に割り込んだA氏、この後マスを釣りまくったのはご想像の通りでありまっす。オマツリで仕掛けも相当消費したオマケ付きではありますがね。
この場所を皮切りにあちこちと移動してマスを思う存分釣ったオイラ達は、夕方の竿じまいの時には三人三様満足の笑みを浮かべているのであった。
そこで釣果を申し上げます。A氏とオイラは仲良く30匹そこそこ、Y氏は40匹位釣っているかな?
他の釣り人を寄せ付けず、最初から最後までこの場所に陣取っていた厚顔無恥にして図々しさを絵に描いたような中年3人組(オイラ達ではないですぞ!)は、午前中だけで少なくても50~60匹は釣っているに違いない。
そこで一言言わせて頂きます。「コラ~ッ!そこのジジー共、恥を知りなさい恥を!!!」あ~スッキリした!

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とっても「怖~い」お話 Vol.4

2006-09-04 16:40:30 | 釣り
「あの辺にスチロパールが浮いていなかったか?」
 彼奴はそう言うと、先程の餌を打つ場所だといっていた附近を再び指差したのである。
 折角感動していたのに、突然おかしなことを言うものだから、「このお方。オツムがちょっとおかしいんじゃない?」一瞬疑ってしまったのでした。
「スチロパールですか?何ですかソレ?」
「あの場所に、1斗缶を沈めておいたんだけどよー、目印が見当たらね~んだ」
 何かを探しているようである。
「スチロパール?1斗缶?目印?」
 連想ゲームのような謎かけに、頭が混乱するオイラでした。
「ヤッパヘンだわ、このオッサン!死体でも入れて沈めたのかしら?」「でも1斗缶じゃ死体は入らないし、イヤ待てよ!バラバラにすれば入らないことはないか!?」などと、恐ろしいことを想像していたのであった。
「しっ、知りません!」
 震える声で答えた。
「知らない?おかしいな~」
「1斗缶がどうかしたんですか?」
 怖いもの見たさも手伝い、勇気を出し思い切って聞いてみた。
「・・・」
 暫く考えていたが、やがて重そうに口を開いた。
「コマセだよ」 
 注・・・【コマセ】とは【魚を寄せるための撒き餌】のこと。本来は釣りを始める直前に撒き餌をするのが普通であるが、警戒心の特に強い野ゴイや大型の鯉を狙う場合、餌に慣らさせるということも兼ね、数ヶ月或いは通年に渡り定期的に撒き餌をする場合もある。
 聞けば、将来あの場所で鯉を釣るためコマセをしておいたのだという。1斗缶にイモやら米糠などを詰め沈めておいたのだそうだ。そしてその位置が判るようにと、スチロパールの目印を付けておいたのだという。
 しかも、集魚効果を考え、1斗缶の側面に無数の穴を開け、慣れないゴムボートを操りながらも苦労して沈めたのだそうだ。
「そんな凄いことをこの方はおやりになっていたのね!」
 安心すると同時、ヘンなことを想像していた自分が恥ずかしく、ちょっと赤面してしまったオイラでした。
「誰かが引き上げてしまいやがったな?」
 先程の善人の顔と打って変わって、鋭く細い眼を更に細めると言った。
「誰が、どうやって、何のために引き上げたのかな~」
 不可解そうな顔で再び首を傾げた。
「ホント、不思議なこともあるもんですね~」
 そう答えながらも、ある不吉な予感がオイラの頭の中をよぎった。
「ありゃ?待てよ?もしかして?」「まさか!そんな!ばかな!」
 頭の中で訳の分からない単語がグルグルと渦巻いていた。
 そういえば一週間前のことである。やはりこの場所に釣りに来て、適当に投げた竿に何やらヘンな物体を引っ掛けたような気がする。
 仕掛けに絡まったそのヘンな物体を、「何じゃ?これは?」と思いながら引きずり上げたような気がしないでもない。
 重いのなんのって、やっとの思いでその物体を引き上げ、「誰じゃ~!この池に産業廃棄物を捨てたのは!」と腹を立て、缶の横っ腹を2~3回蹴っ飛ばし何処かその辺に放り投げたような気がする。
「何かの間違いであって欲しい!」
 そう願いつつ恐怖におののきながら、彼に悟られないように横目で藪の中を「チラッ」と覗いたのである。
 あろうことか、ナント!そこには赤錆で見事に真っ赤になった1斗缶が、青々とした草むらに埋もれ寂しそうに転がっているではないか。
 しかも、缶の側面に開けた無数の穴が、百目(ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪)のような恨めしそうな眼でじ~っとオイラを見つめているのであった。
「ヤッパリ!」
 おまけにスチロパールのような物までもが、涙目になっている眼(まなこ)にぼやけて映る。
「どっ、どうしよう!」「怖い!怖すぎる!」
 努めて平静を装い、「どうか気がつきませんように!」と、神にお祈りしながらも気を失っていくオイラがそこにいた。
 それからの記憶は・・・一切ないっ!
 気がつくといつの間にか薄暗くなっていて、夕闇が「例のモノ」をそっと包み隠してくれていた。
 いつお帰りになったのか、彼の姿もそこには無く、茫然自失で見上げた空には満天の星がキラキラと輝いていたのであった。
 これがこの先何十年とお付き合いをさせて頂くこととなる、「H氏」との最初のとっても「怖~い」出会いであったのだ~
 今では「お友達と呼んでいいかな~?」「いいとも~!」と呼べる間柄ではあるが、今もってその1斗缶事件のこととなると、怖くて気絶してしまいそうなオイラである。
 その何年か後、オイラのディフェンスを物ともせず、その場所で80cmを超える見事な野ゴイを、やはりというか当然のようにゲットした「H氏」でありました。
 オイラはというと、1斗缶の呪いが災いしてか、ついぞ鯉様からのお便りは・・・。

とっても「怖~い」お話は、これにておしまい!

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とっても「怖~い」お話 Vol.3

2006-08-31 18:54:28 | 釣り
「エッ!鯉の付き場(棲家)?」
「そうだ、鯉の付き場だ」
「へ~~~」
「恐らく・・・この池の殆どの鯉が、あの場所を棲家にしている筈だ」
「何でそんなこと知ってんの?」と半信半疑でいると、「お前、あの木のある場所へ行ってみたことがあるか?」と聞かれたのであった。
「イエ、無いですけど・・・」
「今度時間があったら、あの場所へ行って木の真下を覗いてみな」
「木の真下を覗く???」
「そうだ、一度覗いてみな」
「木の真下に何があるんですか?」
「お前がビックリするほど沢山の鯉が、あの木の真下に集まっている筈だ」
「そんなに沢山の鯉が!?」
「但し、鯉は敏感だから音を立てないように静かに近付かなきゃダメだぞ」「もし運が良けりゃ・・・」と、後の言葉を飲み込んだ。
「運が良ければって?」
「・・・お前が今まで見たことが無いような、物凄くデッカイ鯉を見ることが出来る筈だ」
 そう言うと彼奴は、ニヤッと笑ったのである。
「物凄くデッカイ鯉ですか?」
「そうだ、驚いて腰を抜かすなよ」
「そのデッカイ鯉って、どれ位あるんですか?」
 期待に胸を膨らませ尋ねると、彼奴は黙ったまま両手を1m以上の大きさに広げたのである。
「エ~ッ!!!」
「頭なんて、ヘルメット位あるぞ」
「そんなに大きいんですか!?」
「多分・・・この池の主(ぬし)だろうな~」と険しい顔で静かに呟いた。
 
本文に登場する池ではありませんが、ほぼこのような感じ


「じゃ~、あそこに餌を打てばそのデッカイ鯉が釣れますね!」
 オイラは興奮のあまり、短絡的に叫んでいた。
 すると彼奴は「ンッ?」と言ってオイラを見つめると、「さっき大鯉がそう簡単に釣れる訳が無いと言ったばかりだろ!」と、今まで何を聞いていたんだとばかりに、怒るどころか呆れ顔で言った。
「スミマセン」
 又ドジを踏んでしまったようだ。
「その池の主が釣れるかどうかは別にして・・・お前、便所で飯を食うか?」
「・・・イエ、食べませんが・・・」
「そうだろ、鯉だって同じだ。寝床もあれば餌を食う場所もあるんだ」
 お前は何も知らないなという顔で言った。
「いいかっ、あそこの付き場を出た殆どの鯉は、右方向に向かって泳いで行くんだ」と、指で指し示してくれた。「で、その付き場から、右へおよそ30m、向こう岸から・・・そうだな~10m、ホレッ、あの辺」
 動かしていた指をピタッと止めると言った。
「ンッ?」
 指差した場所を見つめているオイラに、「あの辺が餌を食う場所だ」と教えてくれたのであった。
「あの場所に餌を打たなきゃダメだな」
 そう言うと彼奴はその場所附近を熱っぽく見つめた。
「スゴイッ!このお方もしかして、鯉釣りの名人!?」
 下手な鉄砲も数打ちゃ当たるとばかり、めくらめっぽう竿を出しているオイラとはえらい違い!しかも、見ず知らずのオイラに鯉が餌を食う場所まで教えてくれるなんて、「何て善い人なんだ!」
 感動にむせび泣きながらその後光の差す後姿を見つめていると、「ところでよー」と言ってこちらを振り返ったのである。

次回へと続く  人気blogランキングへ 

とっても「怖~い」お話 Vol.2

2006-08-30 18:13:42 | 釣り
「鯉釣りか?」
 いきなり聞かれたのである。
「そっ、そっ、そうだす」
 オイラの声が心なしか震えている。
「釣れたか?」
「ダッ、ダメだす」
「そうか・・・で、餌は何だ?」
「イッ、イモだす」
 いつの間にかオイラの言葉が、いなかっぺ大将(川崎のぼる先生の漫画)のような言葉遣いになっていることに気づく。おまけに見事に声がうわずっている。
「イモ?オメ~の股間にぶら下がっているような、その小さいイモか?」
「なっ、なっ、なんて~ことを仰るの!ア~タ」「失礼な!」
 この際だからハッキリ言っておくけど、オイラのイモは「巨根です!(キッパリ)」

  こんなに大きくなった蕎麦 これは畝を立てたヤツね


「道糸は何号だ?」
「何でそんなこと、見ず知らずのア~タにお答えしなきゃなんないの?」
 頭の中では精一杯の抵抗をしながらも、かのモナリザも敵わないほどのとっておきの笑顔でお答えしているオイラであった。
「ハリスは何号だ?」
「4号だす」
「ハリは何号だ?」
「12号だす」
 これじゃ~まるで指名手配の凶悪犯が職務質問を受けているようではないか?
「アリャ?待てよ!何かヘン?」
 人相風体からしても逆のような気がする。どう考えても「オイラ納得いかない!!!」
 でも、神経がとっても繊細なオイラは、そんなことは口が裂けても絶対に言えそうにないのであった。

  空中散布をした蕎麦  こちらの方が何か元気そう?


「ところで、このおっさん・・・何しに来たのん?」
 何の用かと考えあぐねていると、「この池には、とてつもなくデカイ奴(鯉)がいるんだよな~」と彼奴は独り言のように呟くと、夢見るようなお顔で遠くを見つめたのである。
 見ると、およそそのお顔に似合わない、とってもメルヘンチックなお眼々になっている。
「アラ?この人・・・もしかして・・・案外善い人かも知れない!」
「そのデカイ鯉を釣ったことがあるんですか?」
 気の緩んだ隙に思わず聞いてしまった。
「オメ~な~、大鯉がそんなに簡単に釣れる訳ね~だろ!」
 すると彼奴は語気を強めて言うと同時、遠くを見つめていた鋭い眼をこちらに向けると「ジロリ」と睨んだのである。
「まっ、まずい!調子に乗りすぎた!」
 お尻が再びムズムズとしてきた。
「神様仏様、どうかお怒りになりませんように」
 小さくなり神仏のお裁きを待っていたその時、「鯉って奴は・・・利口だからな~」と、再び哀愁の漂うお顔に戻り、又遠くを見やったのである。
「あ~良かった、大丈夫みたい」
 気のせいか、心なしか眼が笑っていたような気がしないでもない。
 ホッとして胸を撫で下ろしていると、「ホレッ、あそこ」といきなり池の対岸辺りを指差したのである。
 何のことかと「ヘッ?」と言って、彼奴の指差す方向を見た。
「あそこに大きな木があるだろう?」
 確かに、対岸の水際に、太い枝を水面に向かって伸ばしている大きな木があるけれど「その気がどうしたの?」
 何を言い出すのかと不思議な顔でいると「あの木の真下附近が鯉の付き場(棲家)だ」
 驚くべきことを口にしたのである。

次回へと続く  人気blogランキングへ 

とっても「怖~い」お話 Vol.1

2006-08-29 19:08:23 | 釣り
又もや愛用のデジカメが故障してしまった。ブログを更新しようにも画像が無いのであります。
そんな訳で、オイラの趣味の一つでもある、釣りに纏わるエッセイ(エッセイなどと呼ぶほどのモノでもありませんが}など書いてみました。何回かに渡って連載する予定ですが、そこはホレ、超気まぐれなオイラの性格、途中で途切れることも考えられますので、余り期待をしないで下さいな!



*このエッセイは事実に基づいておりますが、オイラ以外の登場人物は全て仮名となっています。

  とっても「怖~い」お話

「オイッ!」
 突然、背後から声をかけられた。
「ゥワッ!」
 驚きの余り、アグラをかいたままで、まるでヨガの行者のようになってそのまま垂直に飛び跳ねていた。
 ここは、四方を新緑に芽吹く雑木林に囲まれた山間の静かな野池である。暖かな春の日差しの中、一人のんびりと鯉釣りに興じていたのであった。
 頬を撫でる春風の余りにもの心地よさに、ついウトウトとして夢の中を彷徨っていた正にその時である。
「ナニがあったんだ!?」
 混濁する意識のままに、しばしの空中遊泳から地上へと戻ったオイラは、早鐘のような心臓の鼓動を抑え、恐るおそる振り返ったのであった。
 すると、いつからそこに居たのであろうか?人相の悪そうな男が木立の陰からじ~っとこちらを窺っているではないか!
 色黒で非常に目つきの悪い、どちらかとうと余りお友達にはなりたくないようなとっても怖そうなタイプである。しかも、Tシャツの上からでもハッキリと分かるほどに筋骨隆々で、その二の腕はまるで丸太ん棒のようだ。
 オイラの慌てふためく姿がよほど滑稽だったのであろうか、口元が幾分ニヤケていて、それが尚一層不気味である。
「ハテ?何処かの刑務所から凶悪犯が脱走したなどという記事は載っていなかった筈?」
 オイラは混乱する頭で、今朝の新聞の見出しを必死に思い出していたのだった。
 図らずも目と目が合ってしまったとき、その男がおもむろに口を開いたのである。
「どうだ、釣れたか?」
 素晴らしくドスの効いた声だ。
「つっ、つっ、釣れない」
 怯えながら答えた。
 するとその男は「ふ~ん」と言って、ニヤニヤしながらこちらに近寄って来ようとするではないか!
「ヤバイ!」
 見の危険を感じ、釣り道具を放っぽり出して逃げようとするが、「ウ~ン、困った!」当然目の前は池である。
「逃・げ・ら・れ・な・いっ!」
 こうなったら覚悟を決め向こう岸まで泳いで逃げようとしたが「釣り迷人誤って池に落ち死亡」なんて、明日の新聞にでも載ったら格好悪いな~などと思いつつ、矢口孝雄先生不朽の名作「釣りキチ三平」という漫画をムリヤリ思い出していた。
 確かその漫画の中に、「木化け(きばけ)」「石化け(いしばけ)」という技があった筈。
 主人公の「三平」が、渓流釣りで出会った岩魚釣りの達人が得意とする技で、周囲の景色と同化することによって気配そのものを消し去るという、その道の達人のみが成せるという超高等な技のことである。
 木と同化することを「木化け」岩と同化することを「石化け」と呼ぶそうであるが、幸いなことに周囲は一面木立である。 
「そうすると、この場面では木化けだな?」
 慌てつつも「気」を集中すると「木化け」の技を使い「じ~っ」と固まっていたのであった。
「オメ~、ナニやってんだ?」
 技が未熟だったのか?彼奴の方が一枚上手なのか?縦横無尽に張り巡らせた結界をいとも簡単に破られてしまったのである。
「え~と?あの~?その~?」
 無理矢理現実の世界に引き戻され、しどろもどろになっているオイラがそこに居た。

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