ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

バート・ガスタインからのハイキング・トレッキング (5)  シュロスアルム

2012-10-04 10:37:10 | バート・ガスタイン
第5日目 シュロスアルム Schlossalm


バート・ガスタインからのハイキング、最後はお隣のバート・ホーフガスタインから手軽にロープウェイで登ることのできるシュロスアルムです。

隣の駅ですが、鉄道は本数の問題よりも、駅がすでにかなり高い場所に建設されているので、ここでは鉄道は使いません。バート・ホーフガスタインの町を訪れるにも、またシュロスアルムのロープウェイを利用するにも基点となるのはパス・センターですから、バート・ガスタインから行くにもバスを利用する方が便利です。

バスは前回のシュポルトガスタイン行きとは反対方向に走ります。このバス、バート・ホーフガスタイン ― バート・ガスタイン ― シュポルトガスタイン を結んで走っています。バート・ガスタインは終点ではなくて、中間点です。つまり、どちらの方向に出かけるにも同じ路線のバスを利用することになります。

と言っても、実際にはバート・ホーフガスタイン方面に行く方が本数は多いようです。ÖBB駅前が乗り場ですが、次の停留所は モーツァルト広場 Mozartplatz なので、ホテルから出かける場合はそちらからの方が便利かもしれません。モーツァルト広場は旧会議センターから石橋とは反対方向に向かって道なりに歩いていけば坂をあがっていった先です。

バスが走る国道 Bundesstraße はしばらく山側を通りますが、途中から川沿いの道と合流します。窓の外の景色を見ていると、なんとなくバート・ガスタインよりもスーパーが充実している気がします。おそらくバート・ホーフガスタインの方が、より自炊型の Ferienwohnung に長期滞在している客が多いからなんではないかと推測します。

町が発展してきた順序から言っても、鉄道が開通する以前の事を考えれば、ザルツブルクにより近いこちらに多くの宿泊施設がつくられたと考えるのは不思議ではありません。

町の名前になぜホーフ Hof がついているのか、不思議でした。
それはやはり、この一帯がガスタイナー・タールの中で一番平坦地が大きく広がっているので、早くから人が住み ( 昔の人々は近郊の山で採掘される金などで暮らしを支えていたようです )、裁判所 Gerichtshof もここにつくられた事に拠るようです。町の名前とウィーンの宮廷とはまったくつながりはありません。

バスが終点のバスセンター Busbahnhof に到着すれば、もうロープウェイ乗り場は途中バスの中からも見えていたので、方向に迷うことはありません。

谷側駅が標高843メートル。やはりバート・ガスタインからすでに200メートルほど下ってきています。
最初の区間は厳密に日本語風に言えばケーブルカー、途中一度ロープウェイに乗り換えて山頂駅に行きます。標高2,050メートル。

このロープウェイは始発が8時と早いです。12時から13時まではお昼休みが入って、20分ごとの運転、最終は16時です。


今まで4回にわたってバート・ガスタインからの山歩き、登山のコースと、アルム、森のハイキングコースと交互にご紹介してきましたが、シュロスアルムはそのどちらも味わうことができます。
とくにお子さん連れの家族が多いのもここの特徴的な点でしょうか。でも、しっかり山歩き気分を満喫したい人にはそれなりにルートがつくられています。

シュロスアルムという名前もやはり気になるところです。
これは16世紀に金の採掘で富をなした Weitmoser 家のお城 Schlössl からきているようです。


資料写真
このお城は今は有機農法による農産物を使ったレストランとして使われています。


ザルツブルク方向により近づいた分だけ、山頂からの眺望も北の山々、ダハシュタイン、ゴーザウカム、テネンゲビルゲなどがメインになります。東のアンコーゲルの山々、そしてヒュテンコーゲル、グラウコーゲル、更にお隣のシュトゥープナー・コーゲルなどが一望できます。ホーエ・タウエルンの氷河を望むには少しばかり背が低いようです。



2012年8月19日撮影
山頂駅を降りると目の前に大きなハイキング・ルートを記した地図看板が立っています。
時間との兼ね合いで、いくつかあるコースのうちどのコースを選ぶか考えます。


2012年8月19日撮影
同じゴンドラで山頂駅にやってきた人々もあっと言う間にそれぞれの好みのコースを見つけて散っていきます。
よほど遠くにまで行く予定とか、高い山を目指して登ろうと思っているのでなければ、時間に縛られることもなく、気分のままに歩いていけばいいと思います。
だいたい整備されているコースはぐるっと回って元に戻ってきます。
その途中で見晴らしのよさそうなところには先客たちがすでに登って景色を楽しんでいる様子が下からも見えますから、寄り道気分で登っていけばいいでしょう。ただ、ファミリー向けとは言っても、山は山ですから、登山靴とストックは用意していくことをお勧めします。


ガスタイナー・タールをはさんで向かいに見える山はアンコーゲルの山々です。手前に少し色濃く見えている山はヒュッテンコーゲル、そしてその稜線をずっと右にいったところがグラウコーゲルです


2012年8月19日撮影



                        
                         2012年8月19日撮影




ロープウェイを降りたお客さんのもっとも多くの人々が真っ先に向かうヒルシュカールシュピッツエ Hirschkarspitze (2,119m)

2012年8月19日撮影

あまりに大勢の人が登っていたので、ヨハンたちは遠慮しました

ここには大小いくつかの池が点在しています。

2012年8月19日撮影

ちょうど牛たちが水を飲んでいるときにその姿が池に写り、可愛かったので撮影しました





2012年8月19日撮影
池のほとりから北方向に目をむければここでは、グラウコーゲルからよりも間近にダハシュタイン、ゴーザウカムが姿を見せてくれています



2012年8月19日撮影

歩いていくとところどころの岩にそれらしい名前が付けられています。
ここは「牛の岩」です。


2012年8月19日撮影
手前にヒルシュカールシュピッツエ、その背後にアンコーゲルの山々、さらにその奥にはダハシュタイン、ゴーザウカム


ここから山を登っていき、展望のききそうなところを探しましたが、先ほどのヒルシュカールシュピッツエの他にもう一か所山頂を示す十字があり、どうしようかとずいぶん悩みました。
Mauskarkopf マウスカールコップフ (2,373m)、こちらは途中からいかにも険しそうです。ロッククライミングとまでは行かなくても、鎖場を人々がよじ登っていくのを下から眺め、気力を失い、大人しくロープウェイ乗り場に戻り、山頂駅レストランでお昼にしました。
山頂にはこのレストランしかなく、セルフです。しかも、久しぶりに美味しくないものを食べた、という感じ。お薦めできません。下にはいくつかレストランがありましたし、またバート・ホーフガスタインの町に繰り出してしまえばレストランがあります。

というわけで、わたしたちは次のロープウェイで降り、そのあと町の散策をいたしました。

ここからは川沿いにバート・ガスタイン、あるいはグリューナー・バウム方面にハイキングすることも可能です。


2012年8月19日撮影
ガスタイナー・アヘはここでは穏やかに町の中心を流れていきます。川岸には散歩道 Promenade が整備されています



資料写真 Grand Park Hotel Bad Hofgastein
川を渡るとすぐ右手にひときわ目をひく豪華なホテルです。


2012/09/26 ヨハン



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