ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

ベルヴュ-アルムのグリルアーベント

2012-10-04 10:38:39 | バート・ガスタイン
8月15日、バート・イシュルからザルツブルク経由でバート・ガスタインに移動。
ホテルのフロントでチェック・インをするといろいろ現地の情報を載せたパンフレットをもらいました。
部屋に行くエレベーターの中にも各種のイベントを案内するポスターが貼ってあります。
なかで私たちが気を惹かれたのが8月17日のグリルアーベント Grillabend。

場所はベルヴュ-アルム Bellevue-Alm。
フロントで確かめると、予約をすれば、ホテル前の玄関に18時半に送迎用タクシーが来て、運んでくれるとのこと。
帰りも21時半にまたタクシーが迎えにくる、ということでした。

前日までに予約をいれなくてはなりません。日本であらかじめ立ててきた予定表とにらめっこして、ナスフェルトにハイキングにでかける予定を17日に入れ替え、早い時間にホテルに戻ってくることとして、グリルアーベントに参加することにしました。( 結果的に17日は予定になかった山登りの日になってしまったことは(4)で書いたとおりです )

ベルヴュ-アルムは皇帝ヴィルヘルム・プロムナードを散歩していると谷 (タール) をはさんで向かいの山の中腹に良く見えるので、場所としては地図を確かめるまでもなくなんとなくわかっていました。


2012年8月16日撮影
グラウコーゲル・リフトの乗り場からもベルヴュ-アルムの姿ははっきりと見えます。ベルヴュ-アルムの真上をたどっていくとシュトゥープナーコーゲル・ロープウェイの山頂駅です。
冬のスキーシーズンともなれば、そこからゲレンデを滑り降りてきたスキーヤーたちがここで温かい飲み物とか食事を楽しむんでしょうね。



ベルヴュ-アルム (1,266m)  2012年8月17日撮影

私たちが泊まったホテル Mondi-Holiday Bellevue から、国道 Bundesstraße 側に出て、通りを渡り、鉄道下のトンネルをくぐり抜けると、専用のリフト乗り場があります。スキーシーズンには、リフトでお客さんを運ぶようです。
昨年訪れたときに散歩して、そのリフト乗り場にも行ってみたのですが、やはり夏場は営業していません。
ホテルもレストランも名前がどちらも Bellevue を名乗っているので、ヨハンはホテルの経営だとばっかり思っていました。
べルヴュ-アルムのホームページを見ると、どうもそうではないようです。

グリルアーベントについては以前このブログではパイエルバッハーホーフの記事のところでも書きました。

そのときの経験から、ホテルが夏の気候のいいとき、週に一度、庭にテーブル、椅子を出し、バーベキューでお客さんに料理を提供する日、と思っていました。前日までに予約を入れ、当日は飲み物別で、食事代を参加費として払うバイキングスタイル、パイエルバッハーホーフではそんなシステムでした。

ベルヴュ-アルムのグリルアーベントもどうやら毎週金曜に行われる定期的なイベントのようなので、その日は完全にホテルのお客さんだけを集めたイベントなんだろうな、と思っていたのです。

でも、フロントで予約を入れる際に参加費用のことを聞くと、「それはお客さんがそれぞれご自分で注文した料理の分をそのレストランで払って下さい」との答えでした。バイキングではありませんでした。

午後6時半にホテルの玄関前から送迎タクシーで送られ、帰りのタクシーがレストランを出る夜の9時半まで、3時間もいられるかな。ヨハンはアルコールが入るとすぐに眠くなってしまうので、少し帰りのことが不安でした。「早めに帰ってきてもかまいませんが、その場合はご自分でタクシーを呼んでもらうか (無料ではなくなります)、歩いて降りてくるか (歩くと45分です) どちらかです」との答え。

さて、17日の当日、集合時間にホテルの玄関に行ってみると、集まっているお客さんの人数は数えるほどです。とてもこのイベントが貸し切りで行われるものでないことはその時分かりました。

ということで、ホテルのイベントというわけではなくて、このグリルアーベントは、ベルヴュ-アルムにホテルが毎週金曜に限って予約でまとめてお客を募り、行き帰りの送迎タクシーをサービスで提供しているものだと、ようやく趣旨が理解出来ました。普通のレストランにホテルの客がグループで食事に行く、という事のようです。となるとグリルの意味があまりしっくり理解はできません・・・

そんなことより、集まっている人はみなさん寒さ対策をしっかりして、まるで冬の装いです。ヨハンはその日一日焼けるような日差しの中、ナスフェルトを歩いてきていたし、6時半でも、まだ外気は昼の熱を残したままで、半そででした。

大型のタクシーがやってくるとお客さんが順々に乗り込みます。でも、マイクロバスというわけでもなく三組ほどが乗り込むともう座席は一杯。結局私たちを含めて二組が積み残されてしまいました。「直ぐ次のがくるから」とタクシーは出発。
「先週も積み残されて、次のタクシーが来るまで30分待たされたよ」と残され組のもう片方のご夫婦のご主人。
「そうですか。どちらからいらっしゃってるんですか」
「スウェーデン」
私たちは自然と会話することに。先週もグリルアーベントに参加したというからには、このご夫婦よほどお気に召したのか。
でも、え? 先週? ということは? 
「どれくらいこのホテルに滞在されていらっしゃるんですか?」当然疑問になります。
「三週間ですよ」
そうかあ、本当にみなさん一か所に長い間滞在するんだ。「日本人だったら三週間あったらヨーロッパの北から南から、東から西へと、あちこち何カ国も旅行しますよ」

この日は10分も待つか待たないかで次のタクシーがきました。
急な坂道のカーブを幾重にもまがりながらベルヴュ-アルム (1,266m) に到着。



2012年8月17日撮影 
まだ明るいうちに、外に出てタールの向かい側を撮影しました。正面奥の山、左端がヒュテンコーゲル、そして右端がグラウコーゲルです。



2012年8月17日撮影
レストランに入る玄関口で楽団の人によるお出迎えがあり、Wirtin (マダムはホームページで確認すると ニーナ Nina さん) に案内されて予約席に。ホテルからタクシーに乗り込んだお客さんの倍のお客さんはいるかというほど、満席のにぎわいぶりでした。料理、飲み物は銘々 Speisekarte から頼みますが、添え物のポテト、野菜などは自分でお皿にとりわけてもらってきます。しばらくそのために行列ができ、料理の注文に Nina さんがテーブルからテーブルへと駆けずり回り、お客のみんながほぼ料理、飲み物をもらい、食事が始まりだしたころに、さきほど玄関で私たちを出迎えた楽団の人による演奏がはじまりました。
一曲演奏しては、バンドマスターが何か面白い事を言います。「あはははは」と客席は大喜び。オーストリアの方言ですから、ヨハンは一つだけ分かって笑っただけでした。残念~! 切腹! ってこのギャグはもう誰も知らないか。


   
2012年8月17日撮影
ヨハンは山を歩いておなかもぺこぺこ、この日は Zwiebelrostbraten をいただきました。ロザーリウムは Forelle を注文。
 


2012年8月17日撮影
タクシー積み残され組の仲間、スウェーデンからのご夫婦。ご主人は歯医者さんで、日本人の歯医者さんに友達がいて、よく日本にも来るとおっしゃっていました。歯医者さんでも3週間はバケーションをとるんだ。日本人は絶対に働き過ぎだな。



2012年8月17日撮影
レストランから裏庭に出られるドアがあったので、出てみて、やっと疑問が解けました。
レストランの中でけむをもうもう出すわけにはいきませんからね、裏庭にグリルが出来る専用の調理場がありました。



2012年8月17日撮影


   

          


2012年8月17日撮影
裏庭には専用のいけすもあります。


ベルヴュ-アルムは宿泊も可能で、シャレー (山小屋風のホテル) が併設されています。
レストランはどなたも訪れることは可能ですが、夜は完全予約制かと思われます。

11:00~23:00までの営業。月・火はお休みです。
+43 6434 3881


夜の8時に近くなっても、まだこの季節あたりは十分明るいです。
食事も終わり、これから9時半までいるよりは、明るいうちに帰った方がそのあとの時間を他のことに使えるし、私たちは歯医者さんご夫婦にさようならをして、お勘定をして、ニーナさんに、「暗くなってきたら、帰り路は照明されますか」と尋ねると「されます」との返事だったので、坂道を歩いてホテルに戻ることにしました。ぜんぜん45分なんてかかりませんでした。20分くらいかな。

国道に出るまでのわずかな時間の間に、日はどんどん暮れて行きましたが、なんとか無事にホテルに戻ることが出来ました。


2012/09/27 ヨハン


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