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時々眺める富士山

日本の気温水準の推移を見ながら、富士山と庭の植物に見る季節の移ろいなど気候と自然の姿について綴ります。

父とパソコン(13)

2011-08-28 07:12:00 | 日記
インターネットの普及に伴い、ウインドウズパソコンはウイルス問題が拡大していった。頻繁にアップデートが発生し、やがてマイクロソフトは毎月第2週の水曜日に定期アップデートを行うようになった。アップデートをしないパソコンが、ウイルス攻撃の踏み台にされる問題も発生し、ニュースでも報道された。父は、そのニュースを観て、アップデートをせずに使っている人たちを、口では批判した。ただ、自分がアップデートをしていないことには、気が付く風はなかった。

自動アップデートの設定をしても、パソコンをインターネットにつないだ状態にしなければアップデートされない。1か月電源を入れないのだから、アップデートされるはずがない。第2週の週末には、父のパソコンのアップデート作業をすることが日課となった。そのころの父は、節電に心がけており、パソコンの電源もスイッチ付きのプラグに接続されていた。しばらくぶりに訪れたら、パソコンのシステムが起動しなかった。内臓電池が上がっており、内臓時計がリセットされたことから、ウインドウズが立ち上がらなくなったのだ。一旦電池が上がってしまうと、電池交換をしないと、電源プラグを外した状態に1週間もしておけば、すぐに同じ状態となってしまう。電源プラグを外さないように頼んだが、「介護の人が外している」といって、埒が明かなかった。毎回、起動時に時刻設定をするのでは、父がパソコンを使えるはずはい。内臓電池を交換して、この問題は解決したが、父がパソコンを使うことは全くなくなった。

結局、毎月、システムのアップデートをするだけのパソコンになった。それでも、年賀状の時期は、年賀状の作成をそのパソコンでするのだと大騒ぎとなった。

一方、アップデートを繰り返したWINDOWS98のマシンは、動作が鈍くなり、使っていていらいらする状態となってきた。また、WINDOWS98のサポート期限が迫るという問題も抱えていた。次の次のバージョンが出ると、サポートが打ち切られるという話が出てきた。XPの次のVISTAが出ると、98のサポートが打ち切られることになる。

父は、パソコンを使わないが、使える環境は維持したいという。そこで、VISTAが出た時に、VISTAマシンに更新することにした。

父とパソコン(12)

2011-08-27 08:20:00 | 日記
父はインターネットの契約をしたものの、インターネットを使う気配はなかった。接続業者も、インターネットに接続できる設定は行ったものの、インターネットで何ができるかは教えていかなかったようである。インターネットを使用しそうもない人に、接続環境を売りつけることは商売として重要であろう。

ただ、父の場合は少し違って、インターネットにはずいぶん色気があった。インターネットをやりたいとは前から言っていた。ただ、インターネットに書き込むようなことはできそうにないので、TVを利用して、情報を見るだけのインターネットの使用法を勧めていたのだ。ところが、父はそれではいやだといっていた。

インターネットに接続できるようになって、メールの使い方を教えたが、つきっきり状態でないとメールを使えるようにはならなかった。そのため、メールを出しても、返事が戻ってくることはなかった。

インターネット閲覧ソフトは、この青い「e」というアイコンをマウスでクリックすると起動することを教えた。「こうかい?簡単じゃないか}とは言っても、次の時には忘れていた。

新聞社のサイトはこうやって開き、ニュースを読むことができることを示しても、横にいるときはそれをしても、一人でやることはなかった。

そのうち、疲れたから後にするという言葉がすぐに返ってくるようになった。

そこで、パソコンの電源を入れるとインターネットエクスプローラが立ち上がるようにした。しかし、そのうち、パソコンの電源すら入れなくなったのだ。

メッセンジャーソフトが立ち上がるようにしておいて、父がどれだけパソコンの電源を入れるかを監視できる状態とした。その結果、ごくたまにしかパソコンにスイッチを入れていないことが分かった。そして、メッセンジャーソフトで呼びかけると、最初は日本語で返事が返ってきたのに、ローマ字でしか返ってこないようになった。日本語入力をONにする方法が分からなくなってしまったのだ。左上の半角/全角キーを押すと日本語入力がONになるとメッセンジャーで教えても、ONにならないとっローマ字で返ってきた。

押しているといっても、実際は操作が違っていたに違いない。その頃こちらは東京に住んでいたので、すぐに確認することはできない。

最初のころは、こちらが仕事でアメリカに行ったときに、メッセンジャーでやり取りして、「これは便利だ」という返事が戻ってきたことがあった。メールを出せば、返事が来なくても、読んではいたようだ。ところが、父は90歳になったころから、こちらがアメリカに行った際に、様子をメールで出すからといっても、一切読まなくなった。アメリカから戻ってきて尋ねると、パソコンを付ける気力はないといった返事であった。このころから、パソコンはまったく使わなくなっていたのだ、唯一の例外は、年末の年賀状作成時期であり、逆にその頃は大騒ぎとなった。