『Welcomeのぶ・ろ・ぐ』A recluse in Manila

隠遁オヤジは今日もまた桜散る散る日本と陽はまた昇るマニラにて世の無常を嘆きつつ、後は野となれ山となれ。

「異聞 太平洋戦記」

2014年04月15日 | 読書・映画・音楽
異聞 太平洋戦記 (講談社文庫)
柴田 哲孝
講談社


おすすめです!
『この物語はすべて事実に基づいたフィクションである』とありますように、綿密に調査して、小説と言う形にしてあります。
一つの歴史的な事実があり、そこに「なぜだろうか?」という問いがあり(問題提起)、その問いに対して調べていくと、こういう事実がある。こちらでこういう事実がある。一方、このような事実もある。
仮説を裏付ける証拠が出てくる。
この問いに対する答えはこういうことになるとしか考えられない(結論)。
こういう展開を上手く小説という形で表現しています。

おそらく、読まれると一気に話の中に引き込まれるでしょう。

昭和20年3月10日の東京大空襲という米軍による日本人民間人大虐殺(一晩で10万人を殺戮した米軍による大犯罪)の裏側に、思いもかけない事実が、、、
このとき、東京大空襲が行なわれるのを一部の日本人や軍上層部はあらかじめ知っていた、、、。
その時に使われた暗号は、、、『東京ローズ(日本が流していた謀略放送)』から流れた音楽は何を意味していたのか、、。『超空の要塞』

『真珠湾攻撃』の裏側。
米国の放送で『めんない千鳥』が二度に渡り放送された謎を追います。
400バレルの石油タンクや修理ドックが目の前にあるのに日本の機動部隊はそれらを一切攻撃しなかったのか??
『偶然も三度重なれば必然になる』調べていくと、そこには、、、、、。『めんない千鳥の群れ』

そして山本五十六の死の謎に迫った『ブーゲンビル日記』

この他にも短編が二編ありますが、特に、このはじめの三編はおすすめです。

『天皇のスパイ』も合わせて読まれるとよりいっそう深みが増すと思います。
天皇のスパイ
高橋 五郎
学習研究社


一部の人間たちに乗せられて、八百長試合をやらされてきた世界の人々。
一番苦しんできたのが何も知らない現場の当事者で、ほくそ笑んでいたのは裏側の人たちですか、、、。

長い歴史の中で、何百万人、何千万人も人々が殺し合いに駆り立てられる、その運動の源はどこにあるのでしょうか?
というと、トルストイの言葉を借りれば、「『権力』にほかならない」ということになるのでしょうか。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。