『Welcomeのぶ・ろ・ぐ』A recluse in Manila

隠遁オヤジは今日もまた桜散る散る日本と陽はまた昇るマニラにて世の無常を嘆きつつ、後は野となれ山となれ。

「戦争と平和(5)」

2014年04月04日 | 読書・映画・音楽
戦争と平和〈5〉 (岩波文庫)
トルストイ
岩波書店


トルストイは「戦争と平和」の中で、自身の歴史論、人間論を展開しています。こういう小説も珍しいですね。この「戦争と平和(5)」でも各所で展開しています。

さて、ロシアの最高司令官クズートフ将軍はモスクワでの戦いは不可能と判断し、首都モスクワをナポレオン軍に明け渡すことを決定します。貴族たちはモスクワを後にします。いよいよフランス軍がモスクワに入ってきました。アンドレイは致命的な負傷を負って、偶然にも避難中のロストフ家に運び込まれます。そこで元婚約者のナターシャと運命の再開をし、看病を受け、ついに死を迎えます。アンドレイの妹マリアとナターシャの献身は、人間愛に溢れています。

モスクワではフランス軍による略奪が行われますが、その中でピエールはフランス軍に捕獲され、無実の人々が放火犯にでっち上げられ処刑されるのを目の当たりのします。

フランス軍の駐留が長引き、軍規は乱れ、統制がとれなくなっています。9月、そろそろロシアの冬が近づきはじめます。フランス軍は冬の準備はしていません。戦闘のない中でこの戦いの潮目が変わり、形勢はロシアに有利に展開し始めます。フランス軍が略奪品を持って退却をはじめます。

トルストイは登場人物に名言を吐かせますね。
この章では農民出身のプラトンカタラーエフが登場します。
「くよくよせんことじゃ、あんた。我慢はいっとき、生きるは一生!」

「裁きのあるところにゃ、嘘もある」

次は最後の(6)巻に入ります。


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