Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

気分で「会社辞めます」って言っちゃう社長と副社長にびっくりの『推しの王子様』

2021年09月23日 23時56分02秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:6/8
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブコメ
女性社長
乙女ゲーム
推し
オタク

【あらすじ】
日高泉美(比嘉愛未)は、
乙女ゲームを手がけるベンチャー企業
『ペガサス・インク』の代表取締役社長。
4年前に起業した彼女が最初にリリースした乙女ゲームが、
彼女の理想を詰め込んだキャラクター・ケント様と恋に落ちる
『ラブ・マイ・ペガサス』だった。
このゲームが異例の大ヒットを記録し、
泉美は一躍、
新進気鋭の経営者としてもてはやされることに。

しかし、プライベートでは、
ここ何年も恋愛をしておらず、
もっぱらケント様に夢中。
週に1回は必ず、仕事を忘れて
『ラブ・マイ・ペガサス』に没頭する日を設けているほど。
また、『ラブ・マイ・ペガサス』に続く
次回作の制作にも苦心していた。

そんなある夜、
泉美の目の前に、
いきなり空から男が降ってくる。
借金取りから逃れるために
歩道橋から飛び降りた
その男・五十嵐航(渡邊圭祐)の顔を見て
驚愕する泉美。

何とその容姿は、
ケント様にそっくり。
ひょんなことから彼の面倒を見ることに決めた泉美は、
彼を自宅に住まわせ、
会社で働かせることに。

彼の成長を見守りつつ、
会社の行く末も大きく変わっていくことに翻弄される泉美。
彼女は何かを「好き」でいる気持ちを
保ち続けることができるのだろうか。

【感想】
最初は金持ち女が年下男を育てる
道楽ドラマかなって思ったけど、、、
それはつかみだけで、
本質は別のところにあった。
ただ、最後まで観て思ったのは、
このドラマ、
いいところと微妙だったところが
明確に分かれていたこと(笑)

<よかった点>
「好き」という気持ちと全力で向き合っていたところ。
もともと泉美は大の乙女ゲーム好き。
それが高じて自分でゲーム会社を立ち上げ、
自分で作った乙女ゲームも大ヒット。

他の社員もみんな何かしらのオタクである。
舞台だったり、城だったり、編み物だったり。
何かを「好き」でいることが
いかに人生を豊かにするかがよく伝わってくる話だ。

だからこそ、「好き」という気持ちを押し込めていた
航の気持ちもよくわかる。
彼は本当は好きなことがあったのに、
それを封印した過去を持つ。
好きな人やモノがあると心が乱されることもある。
不安定になるぐらいなら、
好きなものなんてない方がいいと。

そうやって「好き」であることの
メリットとデメリットを両方描きつつ、
それでも好きなものがあると
人生を輝かせてくれるというメッセージはよかった。

<微妙だった点>
ひとつはラブコメ感が薄く、
特に社長と副社長(ディーン・フジオカ)のキャラクターがコンニャクだったこと。
もうひとつは、ビジネスまわりが表面的すぎたこと。

「好き」という気持ちは人に対してもモノに対しても同じだけど、
このドラマでは人以外のものに寄りすぎてて、
ラブコメって感じがしなかった。
三角関係はあるものの、
人間同士でバチバチするわけでもなく、
ラブストーリーとして観ると超絶物足りない。
これなら恋愛要素はもっと少なくして、
ヒューマンドラマやビジネスドラマに
振り切った方がよかった気もする。

そして、信じられないぐらい
社長と副社長のメンタルが弱かったこと(笑)
社長は自分が乙女ゲームに情熱を捧げられなくなったことで、
社員の前で「あたし、会社辞めまぁす!」と。
社長と付き合ってた副社長も
「キミが辞めるなら、僕も辞めまぁす!」と。
大企業に買収された後とはいえ、
もともとベンチャーで社員が7人しかいないのに、
それ言っちゃう?って(笑)

しかも、その買収した大企業ってのが
アウトドアの会社なんだよね。
今や手広くビジネスをすることもめずらしくないけど、
アウトドアとゲームって合う気がしない。

で、大企業あるあるで、
買収された後は利益追求型となり、
開発フローも細かく決められ、
ゲームの質がダダ下がり。
メンバーも不満が溜まったため、
なんと買収解消!
再度独立するという謎展開(笑)

<つまるところ、、、>
メッセージ性はよかったけど、
その肉付けの要素がとっ散らかってて、
個人的にはハマれず、、、でした(笑)

そういえば、『プロミス・シンデレラ』もそうだったけど、
女性が年下すぎる男と付き合うときは、
まず断るんだね。
その若い男性の未来を考えて、
理性を働かせて、、、(笑)
まあ、最終的には付き合うことになるんだけどね。
特に『推しの王子様』はポテンシャル採用感強かったけど(笑)

推しの王子様 - フジテレビ

推しの王子様 - オフィシャルサイト。毎週木曜よる10時放送。出演:比嘉愛未 渡邊圭祐

フジテレビ

 

鬼気迫る父親のキャラクターに圧倒されながらも、怒りのぶつけどころがない状況に精神をすり減らされる『空白』

2021年09月23日 17時27分02秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:32/196
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
娘を亡くした父親の暴走

【あらすじ】
ある日突然、まだ中学生の少女(伊東蒼)が死んでしまった。
スーパーで万引きしようとしたところを店長(松坂桃李)に見つかり、
追いかけられた末に車に轢かれたというのだ。

娘のことなど無関心だった少女の父親(古田新太)は、
せめて彼女の無実を証明しようと、
店長を激しく追及するうちに、
その姿も言動も恐るべきモンスターと化し、
関係する人々全員を追い詰めていく。

【感想】
これはものすごいキャラクターの立った映画だった。
今年観た邦画の実写映画の中では5本の指に入るぐらい見ごたえがある。

僕の中で、この映画における印象的なところが2つあった。
まずは、責任の所在が明らかにされていないこと。
確かに娘は車に轢かれて亡くなった。
じゃあそれが誰のせいかと言うと、
ひとりの人に100%非があるわけではないんだよね。
そこがモヤモヤするところでもあるんだけど。

急に飛び出した娘が悪いのか。
執拗に追いかけたスーパーの店長が悪いのか。
そもそも本当に娘は万引きしたのか。
だとしたら、要因が学校や家庭にあったのか。

どれもそうだと言えるし、
そうでないとも言える。
この怒りのぶつけどころがないのがね、
精神的に苦しい。。。

次に印象的だったのは、
登場人物のコミュニケーションの取り方の下手さ(笑)
父親はとにかく言葉が乱暴な上にしつこい。
ヤクザかってぐらい威圧的な態度。
それでも憎めないのは、
娘を亡くしたという事実ともうひとつ、
「不器用さ」を感じるから。
妻と別れ、
年頃の娘を男手ひとつで育てている漁師ってことで、
性格は荒いけど、
悪い人ではないことがわかる。

そして、スーパーで働くパートのおばちゃん(寺島しのぶ)。
この人は善意の押し売りが過ぎるのよ。
満身創痍な店長を励まそうとはしているのはわかる。
でも、自分のペースだけで「あれやろう、これやろう」の連発。
実際にいたら、
一番タチが悪いのはこの人だろうな。。。
悪いことはしていない。
むしろ、正しいことをしている。
ただ、その正しさをそれとなく強要してくるんだよな。。。
自分はいいことをしているつもりだからね、、、
関わると一番疲れるタイプかも(笑)

あとは学校側。
事なかれ主義というか、
責任を別に押し付けたい校長の態度がイラッとするというか。
実際にその立場だったらわかるけど、、、
もうちょっと誠実な対応をしてくれてもいいのではって思う。

あ、この映画で悪い人はいないってさっき書いたけど、
強いて言えばマスコミかな。
恣意的な報道ばかりして、
父親にも店長にも悪いイメージを植え付けているから。
まさにマスゴミ。

この映画、ものすごくシリアスなんだけど、
終盤からそのトゲトゲしさが和らいでくる。
父親がこれまで無関心だった娘と、
初めてちゃんと向き合おうとするのがよくてね。
死んでからじゃ遅いのに、
死が向き合うきっかけになるなんて皮肉なもんだ。
タイトルの『空白』も、
生きているときに娘に関心を寄せなかった時間のことを指しているのかな〜なんて。

こうやって出てくる人みんな何かしら癖のある感じだったけど、
そんな人たちが織り成す人間ドラマはやっぱり面白いよ。
父親の狂気ばかり押し出されているけど、
娘を失った父親としては理解できる行動だったかな、僕は(言動に問題はあるけどw)。

父親の行き場のなかった怒りが赦しに変わるのは、
時が経つのを待つしかないのかなあ。

映画『空白』公式サイト

迫りくる古田新太の狂気、逃げられない松坂桃李『新聞記者』のスターサンズが、『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督とタッグを組み衝撃のキャラクターを生...

映画『空白』公式サイト

 

キャリアか出産かを日本のトップが選択する『総理の夫』

2021年09月23日 12時33分07秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:113/195
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
コメディ
女性総理
働く女性
キャリアと子育て

【あらすじ】
よく晴れた日の朝。
出張に出かける直前の相馬日和(田中圭)は、
最愛の妻=凛子(中谷美紀)から穏やかな笑顔で意味深な言葉をかけられる。

「ねえ、日和くん。もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」

この一言が、日和の平和な日常を一変させる!
裕福なソウマグローバルの御曹司で、
鳥類研究所に勤務する“鳥オタク”な日和。
対する凛子は、
少数野党の党首で活躍する政界注目のエースだったが、
なんとここにきて日本初の女性総理に就任したのだ。

突然の事態に混乱する日和だったが、
内閣広報官の富士宮あやか(貫地谷しほり)から携帯にGPSをつけられ、
日常生活も徹底的に管理される。
それでも“総理の夫”の自覚が全然ない日和に、
凛子の有能な秘書=島崎虎山(工藤阿須加)もあきれ顔。

日和の母親でありソウマグローバルの会長でもある崇子(余貴美子)や、
ソウマグローバルのCEOで日和の兄=多和(片岡愛之助)からも
激しくハッパをかけられ早くも日和はヘロヘロに……。
そんな日和を職場の後輩=伊藤るい(松井愛莉)は同情の目で見つめていた。

一方の凛子も毎日働きづめ。
政界のドン=原久郎(岸部一徳)の裏切りにより、
ついに衆議院解散を決意。
総選挙へとなだれ込むが、
そんなときまさかの事態が2人に襲いかかる――!

【感想】
原作は未読だけど、
設定として面白い映画ではあった。
妻が突然総理大臣になって、
あたふたする夫の姿に笑いつつ、
日本のリーダーとして精力的に仕事をこなす凛子のかっこよさにしびれる。
タイトルは『総理の夫』だけど、
実質的な主人公は凛子だから。

日和の人生イージーモード感のハンパなさはうらやましさしかない(笑)
大企業の御曹司で実家はメチャクチャ太い。
だから、大好きな鳥を研究する悠々自適な生活を送れる。
それでいて、妻は美しい総理大臣っていう。
ただ、妻の職業柄、行動が極端に制限されてしまうっていうのは、
なかなかに窮屈だなとは思うけど。

一方、凛子は自分の理想を実現するために総理大臣になり、
ロクに休めないほど仕事に勤しむ。
まさにバリキャリの極みといったところか。
そんな彼女が妊娠したことをきっかけに、
キャリアか出産かで苦渋の決断を下すのは、
現代社会をうまく反映していたように感じる。
まあ、原作は2013年に出ているから、
この8年日本ってそんなに変わっていないんだなとも思うけど。

なので、テーマ的には男女でだいぶ見方は変わりそうな映画かなと。
とはいえ、ゆーても総理大臣だからね。
男目線からすると、
普通の企業で働いている女性とは状況はかなり違うだろうし、
映画を観ている人はそこに自身の姿を投影できるものなのかという気もする。
いや、逆に日本のトップに立つ人の生き様が映し出されるからこそ、
影響力という点では大きいのかも。
あとは映画として、
「日本初の女性総理大臣」っていう方が
エンタメ性も高くて話題にはなるだろうし。

立場上ね、
凛子も日和も行動が大きく制限されるので、
あんまり動きはなく、
けっこう淡々とした映画ではある。
それに、コメディというほど笑いはなく、
ヒューマンドラマというほどシリアスさもない、
ちょっとどっちつかずな印象もある。

ただ、物語の中で凛子の選択が大きく騒ぎ立てられるっていうことは、
それだけ「非日常」であるということ。
そういう世の中を皮肉りながらも、
彼女の取った行動が当たり前となり、
いちいちニュースにならないような未来に対するメッセージがあったのはよかったかも。

それにしても、中谷美紀の美しさがまぶしかったなあ。

映画『総理の夫』公式サイト

W主演・田中圭×中谷美紀。史上初のファーストジェントルマン&女性総理が誕生!その時歴史が動く?!大ヒット上映中!

映画『総理の夫』公式サイト