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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

英国国民投票の結果に、独り考えた事

2016-06-24 15:00:45 | 今日の話題
国民は離脱を選んだ、当然のことである。イギリスはヨーロッパ大陸の国ではない。日本と同じ島国であり、常にアフリカ・インド亜大陸・アメリカ・アジアと海で繋がっているバイキングの子孫である。ショックだなんだと驚いてる経済コメンテーターは知らないのだろうが、世の中は「経済だけで動いているわけではない」のである。今の経済とは、金持ちの経済である。資本が利益を生み、それが投資に回ってまた利益を生む。労働はほとんどなんの価値もない。文字どおり金、金、金である。だから資本の論理の及ばない一般大衆が残留・離脱というような大きな選択の投票を行えば、経済的にダメージがあるのは当然なのである。今までEUに入っていて業績が良かった企業や資本家が衰退し、新たに別の企業が台頭して独立イギリス経済をこれから作ってゆく。規模は縮小するかもしれないが、生活は間違いなく「イギリス本来のスタイル」に落ち着いてくるであろう。金儲けをしようという資本家・投資家は資金を他に移し、シティは世界の金融街で無くなるかもしれないが、もっと平和な北欧スタイルの国になっていくのじゃないかと私は考えている。

日本では、円や株の動きだけが取りざたされてどうのこうのと大騒ぎだが、EUの目指すヨーロッパ連合は、そもそも昔の貴族体制のそっくりそのままの復活である。太陽王ルイ14世のブルボン王朝は、スペインやオーストリアと姻戚関係を結んでいて、少数の王族が少数の貴族を束ねた「18世紀版EU」だったというのが私の意見である。フランス革命から250年経って再び、「大革命」の雰囲気が世界を支配しつつある。前回の大革命はブルジョワジー革命だった。その悪弊がそろそろ頂点に近づきつつある今、「資本を持たない労働者」による革命が静かに進行しているのだと思う、もちろん本人たちは気づいてはいないだろうが。この革命はテロや暴動を含めて騒乱が続きながら、結局は国民投票のような平和的手段で達成されると希望したい。つまり、個人資産制限法或いは資産公有化法が可決するのである。

21世紀かまたは22世紀なのかは分からないが歴史の流れであり、誰にも止めることはできない。既にSNSで個人は世界と繋がっている。国家という枠を離れ人々が連帯している時代に入ってから、技術はさらに加速度的に進化を続けているのだ。もう何国人かを問う意識はなくなっているであろう。人間は、自分が富を独占する事を夢見る。同じ目的の者が連帯して、他の人々を搾取する、それが過去何千年も繰り返されてきた。もちろん次回の革命後もそれは変わらないだろう。ただ、富を独占する人が変わるだけである。もしかすると、世界の貨幣制度そのものが崩壊し変質しているかも知れないし、国家体制そのものも「EUのような、いくつかの地域経済圏」に分かれて国が消滅するかも知れない。

私は今度、神奈川県から千葉県に引っ越すことにした。同じ日本の中であるから簡単である。中国やタンザニアに引っ越すとなると、ちょっと面倒だが不可能ではない。だが国籍を変えるとなると、ハードルは一段高くなる。しかしEUの理念を推し進めると、スペイン人もオランダ人も一緒だと思う。いわば、秋田生まれと愛媛生まれの違いでしかない。イギリスの離脱は、時代の流れに逆行しているように見えるが、一部の富裕層が団結して連帯しているEUという「資産家グループ」を嫌って独自の道を歩む決断をしたと考えれば、「一般大衆=労働者の意思」を反映した大きな歴史のうねりが見えて来る。

イギリスは、今までのようにEUにちょっかいを出せなくなる。イギリスのEUに残した東ヨーロッパの火種が噴出してEUの整理整頓が進んで瓦解するにしても、これからEUは「自分の道を歩く」ことになるだろう。アメリカの一国覇権体制も、今年の大統領選挙で変化が起きるだろうし、日本もいつまでも「中国人は嫌い」と言ってはいられないと思うのだが、世界の動向に疎い日本人のこと、また取り残されて右往左往するのかなと老婆心ながら憂慮するのである。

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