明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

毎週女子ゴルフ(17)LPGAの地上波放送が無くなる?

2022-07-03 21:23:58 | スポーツ・ゴルフ

こないだのLPGA最高賞金額3億円のアース・モンダミン・カップは、残念ながら地上波でのテレビ中継は無かったようです。というのも私はCSで初日から最終日まで「ほぼフルタイム」で見ていたので、友人に言われるまで気が付かなかったのだ。その友人(ゴルフ仲間のSN氏)から指摘があって、今週の資生堂もテレビ放送は最終日だけみたいということだった。このところ、選手のマネジメント力とメンタルの強さプラス技術力の高さが試される「ハードな戦い」が繰り広げられていて、いよいよ女子ゴルフが「面白くなってきたと思っていたので、このLPGAの方針転換はどうなんだろう?と考えざるをえなかった。

もう一人のゴルフ仲間のSY氏もこの問題を質問してきたので、私の理解している所を一通り説明した。しかしSY氏は地上波放送がなくなって、女子ゴルフが見られなくなるのは困る、と言っていた。SY氏はBSも契約してないのである。流石にこれは困った。だが、見る側の利便性だけを要求して主催者側の事情は切って捨てるというのでは、「経済として」成り立たないではないか。ゴルフ中継と言えども儲からなければやらなくなるのは、男子ゴルフを見ても明らかである。

そこで私なりに、この問題をもう一度おさらいしてみた。

まず特徴として、ゴルフというスポーツを中継する難しさが挙げられる。ゴルフトーナメントはサッカーや野球と違って、カメラ台数や撮影櫓などの設備・放送器材それに専用車両など、費用がものすごく掛かるのだ。おまけに一日の試合が長く、しかも決着が付くまでに3、4日もの時間がかかる変則スポーツである。一方、トーナメントを運営する側も、馬鹿にならないくらいの巨額費用が必要になる。その上に賞金額だって半端じゃないとくれば、これでどうやってペイしてるかと不思議であろう。実際は、殆どスポンサーにおんぶに抱っこの現状なのである。大体、スポンサー企業の上層部のおじさん達は皆「趣味でゴルフをプレーしている」方々であり、トーナメント開催は一つの「ステイタス」と言ってもおかしくはない。まあ、金は掛かるが会社の宣伝費で落とせるし、トーナメントを開催してるというだけで「仲間内の社長連中」にいい顔出来るから・・・ってなもんだろうと私は邪推している。だいたい選手の所属先からして「趣味の延長」みたいなものなのだ。そして自分が会員になっているゴルフコースがトーナメント開催コースにでもなれば、さらに「鼻高々」である。とにかく、以上のようにゴルフトーナメントはむちゃくちゃお金がかかるから、半分は金持ちスポンサーの「道楽」であって、我々庶民はその「おこぼれ」を有り難く頂いているに過ぎない、というのが今までの流れである。

さて問題はLPGAの人気が爆発してきたことと、ゴルフというスポーツが「金持ちの社交倶楽部」から「若者や女性の競技の場」に変化しているという時代の流れである。勿論、爆発していると言っても視聴率の上では数%の範囲だが、これは若者がテレビ離れしていることも影響があるだろう。LPGAの小林浩美会長はこれをチャンス到来と見て、ゴルフを金持ち老人の閉鎖的社交場から、純然たる「スポーツコンテンツ」に変貌させるべく、各方面に打診しているというわけである。

その戦略としてツアーの放映権料を1社あるいは数社に売って、LPGAの「独立した団体としての経営基盤」を固めようとしていると思われる。これは小林会長がアメリカに行っている時に「海外の放映権システム」を勉強したのではないかと私は睨んでいる。あちらではスポーツ競技の放映権をテレビ局やネット配信業者に一括販売する手法が当たり前だからだ。

私はスポーツも、エンタテイメントとしての経営が成り立たなくてはいけない、という立場である。サッカーのJリーグが、企業のバックアップを受けて「企業の広告塔」として宣伝の役割を果たしていたのを一気に逆転させて、地域の若者を主体としたサポートを基礎として「純粋なスポーツイベント」に生まれ変わったのは画期的であった。勿論、サッカーにそれだけのスポーツとしての魅力がなければ、今のJリーグの隆盛はなかっただろう。問題はゴルフに同じような魅力があるのかどうか、である。

話が大きくなってしまった。今回はゴルフ番組がテレビ地上波から消えるとして、どのネット配信サービスに加入するのがいいか、から見てみたい。

1、DAZN
月額3000円で野球・サッカーなどメジャーなスポーツを見られる。色々とコンテンツがあってサッカー中心に見ようという客層に追加でゴルフを加えるというのは、時代の要請に敏感とは言える。しかし私としては野球は興味ないし、興味のある「チャンピオンズリーグ」は残念ながら放送していないようである(間違っていたらゴメンナサイ!)。自転車のツール・ド・フランスも無いし(これはJスポーツ)、アメリカNBAのバスケットボールもやってないのである(これは楽天)。それぞれのコアなファンにしてみたら、あちこちボロが出てきそうなラインナップになりそうだ(ブンデスリーガはスカパーの独占契約だから、これも見られない)。結局、JLPGA女子ゴルフだけのために3000円も払うのは、チョト高すぎるんじゃないだろうか。今私はスカパーに加入していて、ゴルフネットワークとスカイAで「米PGAと日本の女子ゴルフのステップアップ・ツアー」を完全網羅し、尚かつWOWOWにも加入していて米LPGAの畑岡奈沙や古江彩佳や渋野日向子などの出ている試合を「逃さずチェック」している。オマケに「チャンピオンズリーグもばっちり見ちゃっている」状態なのだから最強と言えるわけだ。つまり、私にとってはDAZNは余り魅力的ではないと言える。

2、GOLFTV
こちらは月額1000円〜1500円で米PGA・米LPGAも全試合見られるので、他のスポーツは余り見ないがゴルフだけは好きだ、という人なら加入も有りだろう(ステップアップ・ツアーはよく調べていないのでまだ分からない)。しかし色々と「サブスク」で映画からドラマからスポーツまで、テレビがなくてもネットで充分に楽しめる時代であるから、ゴルフだけに特化したというのは逆に言えばゴルフしか見られないわけで、ちょっともったいないかなと思う。この辺は料金にシビアな若者にはアピールしにくいんではないだろうか。しかし、LPGAとすれば純然たるゴルフ専門チャンネルであるから、他のスポーツや映画・ドラマなどの都合で放送が左右されないというのは将来的には安心だろう。まあ、LPGA側が一発目で選ぶ相手としては、ちょっとマイナーである。

3、スカパー
私はJCOMというケーブルテレビに加入しているのでCSである。ここにはJLPGAも連携しているスカイAがあって、ゴルフネットワークでは一日中ゴルフに関連している番組を流している(私は博多大丸のギア猿と、稲村亜美のゴルフスイッチがお気に入りである)。本当はこの2社がセットになって「月額2000円くらい」で契約できれば言うことないのだが、それがスカパーの悲しさで「他との抱合せ契約」になっているから致し方ない。レストランで人気のハンバーグだけ注文しようとしたら、余計なスープやサラダや何やかやがくっついてくるようなもんである。結局は「お店の希望する値段」を払わされる。まあ、私は他にも「てんぱいクィーン」と言うレアな麻雀番組や、イギリスのサスペンスドラマとかバドミントンのワールドツアーやブンデスリーガのサッカーなどを見ているので、元は取れているけど。

で、総合的に考えれば「私の場合に限定して見ると)スカパーでJLPGAの試合も放映権を買い取ってくれると有り難い(随分と身勝手な話ではあるが、これが一番良さそうである)。しかしネット配信ではないので、若者への訴求力という点では「時代にマッチしていない」という指摘は免れないだろう。

そもそもテレビの無料視聴者層と言うのは、一日中点けっぱなしで家のリビングから動かない人達を想定しており、広告も年がら年中流している媒体である。テレビは家庭の中心にあり、一家団欒の象徴だった。ところがネットの視聴者はより「好みが個人的」に分かれていて、広告も視聴者に合わせて中身が変化することで「よりピンポイントで宣伝効果が上がる」仕組みになっている。誰だかわからない相手に無差別に垂れ流すような一般テレビの宣伝スタイルは、もう流行らないのではないだろうか。今後はテレビはメインストリームでは無くなり、殆どのコンテンツはネットで「見たい人が個別に選んで見る」ような配信スタイルになるだろうと私は思う。勿論テレビ以外にもタブレットやスマホで見ることを前提にして、ゴルフ中継もいずれは配信しなければならないだろう。しかもその視聴形態が、後「数年」でやってくるかも知れないのである。現実問題として、もう若者はテレビを見なくなっている(私は見たい番組を一旦全部録画して、それを好きな時間に再生して見るようにしている)。

結論:テレビの将来は暗い?

私はゴルフをより活性化するためには、ターゲットを20代の若者、及び小学校の女の子をゴルフ練習場に通わせるような熱心な親、に絞って集中的にアピールすべきだと思う。つまりゴルフは「若者のスポーツ」であり、女性がプロで大金を稼げる「夢のあるスポーツ」というイメージ戦略を展開するのだ。介護間近の金持ち老人が唯一の社交場として利用した「倶楽部」形式の経営は、昭和と共に遠くに去って行って、二度とは戻ってこないだろう。これからは庶民スポーツの時代である。一時的には資金が足りなくなって縮小の憂き目に合うかも知れないが、長期的な将来を考えれば「この戦略が正しい」ことが分かって貰えると思う。ゴルフというスポーツの環境を考えると、日本はゴルフ場に向いた土地が少なくて高額なのが問題だが、そこはシミュレーション・ゲームで乗り切れば何とかなるんじゃないだろうか。ゴルフも新しく変わらなければ、時代の流れに取り残されていくしか無い運命である。

そういうわけで、

① 見たいスポーツは、お金を払って見るべきである

② 視聴者数が一時的に減っても仕方がないと我慢して、地域のゴルフ愛好者を育てる

③ ネット配信を中心に組み立てて、開催コースと共同してゴルフの面白さをアピールする

④ アマチュア競技をどんどん配信することで裾野を広げる

⑤ テレビ媒体へは、配信会社から売る

⑥ ゴルフのコンテンツをレッスン番組からエンタテイメントやギア情報(メーカーのお仕着せじゃない、ガチな情報)をもっと充実させる

以上が私の提案する新しいネット配信の形です。これによってLPGAの体質もスポンサー重視から「ゴルファー主体」の団体へと変化して、もっともっとゴルフが活性化するんじゃないかと思います。みなさん、これからの若者と共に「ゴルフの未来」に賭けてみようではありませんか!

 


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