東部アーバンクラインに乗って柏から3つ目の逆井駅で待ち合わせ。友人の車に乗せてもらって15分程、狭い道をクネクネと走ってちょっと開けた畑の真ん中に出ると、ポツンと「沼南ゴルフコース」の小さなクラブハウスがある。辺りはシーンとしていて、柏駅から5km程の所にあるコースとは思えない静けさだ。といっても所詮は千葉、そもそもが「田舎」なのである。受付で3300円を払い、回り放題をチョイスする。ここは9ホール・パー27のショートコースで、66ヤードから115ヤードまでの80ヤード前後の8ホールに、135ヤードと154ヤードの「ちょっと長め」のホールがある。長さはもう殆どアプローチ・ショットの距離だが、実際に回ってみると「意外と距離感が難しい」コースである。グリーンは全て砲台で、芝はそれほど刈り込んでいないので相当遅い。それに全体的に「お饅頭型」になっているから、パターはまず一発では入らないと思った方がいいだろう。その代わり、アプローチは比較的止まりやすい。但し、グリーン脇の芝はやや禿げている感じで、殆どベアグラウンド状態になっているところもあるので要注意だ。
レイアウトで言うとフェアウェイには二箇所ほど「小さな池」があるが、これは気にする必要はないだろう。よっぽど大ダフリやゴロを撃たない限り入ることはない。ホールによってはバンカーも少しあるが、殆ど「片方だけ」なので、気になる人は「反対側」から攻めていけば問題ない。このコースはワンオンさせるのが目的ではなく、如何に「アプローチで寄せワン」を取るか、という練習に使うのが正解だと思う。普段、ドライビングレンジでアプローチの練習などする機会もないだろうからと言うので、友人と二人でウェッジを何本か持って「一日中アプローチ」して遊んだ。普段のラウンドでは、距離的に「100ヤード」が残ると言うのは私の経験では「余りない」が(ドライバーが250も飛べば別だが)、7番アイアンを一本入れて135ヤードと154ヤードで「乗せる」練習をし、そのほかは52度から56度あたりのウェッジを2本持って「わざと」アプローチを残し、寄せワンを狙うのが面白いやり方ではないかと思った。勿論、外すにしても「マネジメントをしっかり考えて」ピンポイントで狙ったところに落とし、30ヤード位を正確に「ピッチ・エンド・ラン」で寄せる練習をすれば、ラウンドで必要な技術の「大半」は習得できると思う。
初めの9ホールは結構お客がいて、ミスしてもやり直すと言うわけには行かなかったが、終わり頃には少しお客も減ってきて「多少とも自由が効いた」のはありがたかった。前半はとにかく乗せることに集中したので十分にこのコースを活用できたとは言えないが、3周目の後半のホールでは、上記の意識で「アプローチの技術を磨く」ことに専念できたのは大きい。今回の沼南ゴルフコースで、私もアプローチの魅力に「どハマり」しそうである。ドライバーでガツンとぶっ飛ばすのも楽しいには違いないが、繊細なタッチで微妙な距離をコントロールし、ラインを読んで落とし所を考えながら「ミリ単位のクラブ捌き」を駆使して寄せる楽しさを覚えたら、ゴルフは間違いなく「年齢を超えたスポーツ」になるはず。アプローチを極めるのは、ゴルファーとして「最後のゴール」なのかも知れない。私のゴルフ仲間の SN 氏 が、最近52度のアプローチウェッジを買ってすごく調子がいいと言っていた。きっと彼は「このこと」を言っていたんだなと、思いあたったわけである。さすが「ゴルフの面白さ」を知り尽くしているなぁ、と感心した。これからは SN 氏と「アプローチ勝負」だ!、といきたいですねぇ。
さて、アプローチの練習を一日たっぷりと芝の上でやったわけだが、そんな中で「二つ三つ覚えた」ことがあるので書いてみたい。
① スピンを掛けるなど、つゆほども考えてはいけない
プロが難しいシチュエーションで、低い弾道ながらスピンのしっかり効いたショットでピタリと寄せる技を見せることがよくあるが(松山なども多用する)、素人には出来ない技なので「絶対にやろうと思って」はいけないと思う。プロのショットは毎回キャディが「溝を直し」て新品同様に綺麗にして、尚且つボールも「最高品を惜しげもなく使って」できる技なんである。メンテもせず放ったらかしのツルツルの溝で、安い1個100円のボールといったコストパフォーマンス第一の考えのゴルファーに、「スピンを掛ける」などと言うのは「1万年」早いのだ(恐れ入りました!)。アプローチは、転がし一本でいくべし!。
② とにかく芯で当てる
アプローチは「思ったところに落とす」のが何よりも大事である。その距離を加減する唯一の方法が「芯で当てる」ことだと思う。芯を外せば「同じヘッドスピードで当たっても」距離が全然違ってくる。これが道具を使う競技の面白さ・難しさである。私のマッスルバックは芯がとても小さいので、当てるのは「細心の注意」が必要だ。だが一度芯で捉えれば、その打感はしっかりと手を伝わって「心地良く」身体全体で感じとることが出来る。だから私はその同じ流れで、ウェッジは「ボーケイ」と決めている。少なくとも私には「ボーケイを他のメーカーに変えるだけの技術的な理由」を見つける日は永遠に来ないだろうと思っているので、生涯ボーケイ一筋である。とにかく使いこなすことが先決だろう。それには何と言っても「芯で打つ」ことに尽きる。
③ ゆっくり等速で当てる
芯で当てるためには「ゆっくり・等速」でヘッドがボールに向かっていく必要がある。パターもそうだが、しっかり毎回芯で当たるためには「毎回軌道が一定」でなければならないのは言うまでもない。軌道が一定ということは、実は「速度が一定」だというのに等しいと私は思っている。つまり加速して当たるにしても「自然に落下する加速」が良い。これで芯に当たる準備が整うわけだ。後は「軌道の修正」で芯に当たるラインをなぞってクラブが下りてくれば、嫌でも芯に「当たっちゃう」訳である。肝心なことは「飛ばす必要はサラサラ無い」ということ。一定の速度でゆっくりと当たったら、後は「どんだけの距離を飛ぶ」か、練習で覚えるだけである。足りなければクラブのバックスイングを大きくするだけ。パターと一緒の感じで良いと思う。これで20ヤードくらいは十分飛ぶんじゃないだろうか。グリーン周りのアプローチなら、これ一本で済むと思う。
④ フォローはいらない
以上の理由から、フォローは全く必要ないと考える。いわゆる、「ポンッ」と当てて終わり。惰性で少しヘッドが出るが、感覚的にはインパクトで終わりでいいと思う。これで普通に当てれば「ピッチ・エンド・ラン」が完成だ。後は繰り返し練習して「飛ぶ距離」を覚えるだけで良い。練習はまず「どんだけ飛ぶか」を頭に叩き込む。アプローチの練習で皆がよくやる様に、目標を決めて「それに当てる」練習は、もっと上手くなって「芝の転がり具合」を試すような時にやるべきだと思っている。まず自分のスイングで「どれだけ飛ぶか」が第一である。5m・8m・10mと打ち分けができるようになるまでは、他のことは「しなくてもいい」ぐらいだと私は思っている。色々な傾斜やラフの芝によっては距離感も違ってくるだろうが、まず「平地で」コントロール出来る「基本」が出来て初めて「応用」が効くというものだと思う。まずはアプローチ初心者は「地道に練習」すべし。
以上、散々トップやザックリを繰り返した中で、上手くいったアプローチを取り上げてみた。これからはドライビングレンジでも「ドラーバー2・スプーン2・アイアン4」とフルショットを練習したのちに、アプローチを2だけ練習することにしようと思う。あるいはドライバー1・スプーン1にアイアン4で、「アプローチを4」でもいいかも知れない。いずれにしろこれからは「アプローチの達人」を目指すことにした。まあ年寄りにはピッタリである。それもこれも念願の「正しいアイアンショットの打ち方」が分かったので、スイングで悩む必要がなくなったからである。これは物凄く大きかった。スイングで悩んでいては、アプローチになんか「どうしたって熱が入らない」のは当然である。今ではアイアンショットは「そこそこに練習すればいい」と泰然自若である。勿論、完全に「理論通りに実際に打てる」わけじゃないが、それは練習量の問題だと割り切れた。今度はアプローチである。
SN 氏よ今度の5月、取手桜丘町で「グリーン脇からのアプローチ勝負」をしようではないか!
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