明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

考えるヒント(24)同性結婚を認めると子供が増える?

2023-02-13 21:16:17 | 今日の話題

ちょっと前にLGBTQに対して生産性が無いと評した政治家がいた。この発言は世間から大きな非難を浴びて問題になったが、では「生産性がある」または普通の人に比べて「より生産性がある」という「積極的な理論の説明」がなされたか?というと、それは誰からも出なかったのは事実である。

ではLGBTQの人達は、本当は三浦瑠麗氏のいうように、実際に生産性が無いのだろうか?

まず、LGBTQの人達が「子供を産まない」という点では、「生産性が無い」という主張は正しい。では男と女が愛し合えば、必ず子供が生まれて「人口が増えるのか?」というと、これは今少子化の問題が単に結婚数が減少してるだけでなく、一組の夫婦が産む「子供の数」自体が減っている事が問題視されているように、日本の少子化をストップするのには「余り関係が無い」と言える。つまり、結婚数を上げるのは勿論だが、人々が「子供を持ちたい」と思うような社会にすることが必要なのである。

ではその課題について、一つずつ答えを探っていこう。

1、LGBTQは生産性が無いのか?
これは誰の目にも明らかなことだが、「出生数を上げるため」に結婚数をあげたいのであれば、LGBTQがどうこう言うのは「お門違い」である。LGBTQは生物学的な区分であるから、止めろと言われても「生まれつき」だから本人にもどうしようもない。肌の色をどうこう言っても変えられないのと同じである。つまり、LGBTQはもともと人口に対して「一定数」存在するから、それを生産性が無いと非難しても「だから何?」と返されるだけである。むしろ少子化を云々するのであれば、結婚していて子供を作る能力もあるのに夫婦の意思で「産まない」人の方を非難すべきではなかろうか。LGBTQは結婚しても子供を産めないから、結婚したからと言って国民が心配している少子化問題で「出生数を増やす」ことには、そもそも関係がない。どっちだって同じなのである。つまり同じなんだから別に「反対しなくても」いいじゃないか、というのは説得力がある。

つまり三浦瑠麗氏がLGBTQの生産性を云々言うのは只の「悪口」に過ぎなくて、多数派が少数派を叩く「イジメ」であると言える。なお、生物学的に言うならば男女の区別は2つに分かれるのではなくて、黒と白の間に無数の灰色がある状態だ、というのが現在の科学的知識なのである。

結論としては、生産性が無い人は「LGBTQに限らない」、が正しい。

2、ではLGBTQを認めると社会が変わってしまうのか?
これは岸田首相の「国会答弁」に見られた考えだが、そもそも男子が嫁をもらって子供を作り、その子が孫を作り・・・という「お家の繁栄モデル」は、既に過去のものになっているというのが世の中の常識だ。私は多くの生物に共通して見られるように、生物は「女系家族」というのが最も種の保存には適していると思っている。

科学的に言えば生物が生き延びるのに必要な能力を獲得するには、「環境に適合した個体」のDNAを取り込むことが最重要である。その為には、生物は無性生殖より「有性生殖」の方が有利だ、といって今のシステムを選んだ。つまり、X染色体の存在は別のY染色体と合体して「新しい能力を持つ個体」を作り出す為の一つの方法だったのである。

そして色々とX染色体の子供を作って試行錯誤しているうちに、たまたま今で言うLGBTQが生まれたと言える。これは、出来そこなったと言うより「数多くの変化を求めた結果」作られたと言えよう。これはDNAのやることだからしょうがないと言うのか、或いは「生命の多様性の現れ」と見るかは、考え方次第である。まあ、LGBTQが人口の半分にもなって来たら問題だとは思うけど、その前に人類は対処法を見つけるだろうから問題は無いと思う。もし対処法が見つからなかったとしたら?・・・その時は人類が滅亡するだけである。大したことじゃ無い。

何れにしても、社会が変わる云々というのは余りにも考えが「浅はか」としか言えなくて、人類発祥の太古の昔からLGBTQは存在していたのである(存在していたという証拠は無いが、存在していなかったという証拠も同じくない。考えられるのは、能力の獲得というのは「ランダム」に行われるということ。ランダムであればLGBTQが生まれる可能性も大きい筈)。つまりLGBTQを内に含みながら人間社会は成長してきたのであり、いつの社会でもそういう人はいた、というのが正しいだろうと思う。ただ、歴史の表に書かれていないだけである。では、何故今になって問題になってるかと言うと、憲法に書かれている「個人の自由の尊重」が出来てないからなのだ。現代は個人の時代である。

その意味では、憲法に書いてあるように「個人の自由を尊重する社会」に変えることは正しいことであり、現代においてが必要なことである。長年社会の不合理な仕組みで犠牲となっていたLGBTQの人達の人権を、ここで法律を改めて正しい形に直して「取り戻してあげる」ことは、政治を任されている者の責務だと言える。

第一LGBTQの人達の結婚を認めることで、何か社会全体に「不利益や不自由な事」が起きるのか?、である。これは反対している立場の人が「はっきりと理由を提出」し、それが個人の自由の尊重に反するという説明をするべきだと私は思う。岸田首相は常々「分かりやすい説明」というのを言っているから、次回の国会で白黒させてもらいたいものである。これについては、ただ「気分が悪い」といった感情論はアッサリと否定されるだろう。事は「憲法に保障された個人の自由」なのである。「他人」がどうこう言う事ではない。と言うか、「どうこう言っていること自体」が憲法違反ではないだろうか。

私は国会でLGBTQを認めるかどうかを議論すること自体が憲法違反であり、明日にでも「全ての権利」をLGBTQにも認めるべきだと考える。

3、LGBTQは社会に貢献しないのか?
中野信子によると、日本の少子化を防ぐのにLGBTQの人達が活躍する、というのである(私の勝手な思い込みかも・・・)。それはどう言うことかというと、普通の男女の間に生まれた子供は(当然だが)家族愛に育てられて家を大事にするようになり、成長するに従って「他の家族より自分の家族が繁栄する」ことを願うようになる。それが進むと鎌倉殿の13人みたいな殺し合いが起きて、社会全体にとって「大きなマイナス」になって跳ね返って来るのだ。これが家制度の弊害である。

ところがLGBTQの人は子供を産まないから、その分「必然的に」他人の子を大切に扱う気持ちが普通の人よりも「多くなる」。異性愛者は他人の子を「競争相手」と見なして排除するが、LGBTQは自分たちの子供ではないので「どこの子」も区別なく平等に愛する。結果、子供の持つ「本来の能力」を発揮させる方向に愛情を注ぐというわけである。これが社会を自由で平等な空気にし、さらなる飛躍と成長を促すのである!(ちょっと言い過ぎか?)。まあLGBTQは自分の子孫というものに拘らないから、より「効率的に自由な視点」で子供を見る事が出来るというのは、あるかも知れない。ひと昔前はカミングアウトするなんて考えられもしなかったが、最近は自分の性が医学的な性と異なっていることをはっきりと言う人が増えて来た。それらの人が社会的に能力がないかと言うと、意外と社会で活躍している人も多い。これを考えるとLGBTQを社会の一員として受け入れる事の方が、より日本にとっては「利益がある」とも言えそうだ。

とりあえず実際の効果はどれ程か分からないが、少なくともLGBTQの権利を認めたからと言って「何か社会に取って悪い事が起きる要素」は、どう考えても「皆無」だろう。彼等反対派が何を心配しているか分からないが、もういい加減に「時代の流れ」というものを理解しなさいよ!、って話である。 

それか、いつまでも古い家制度から抜け出せない「お年寄り議員」は、そろそろ国会から「退席」してもらうのが良いかもね。

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補足:私はLGBTQの結婚を認めるかどうか論議するのではなく、一足飛びにもっと「根本的な改革」をすべきだと考えている。その方法は

① 戸籍を「個人台帳」に切り替えて、全て「マイナンバー」で登録する。これにより家制度は基本的には無くなる。生まれてから死ぬまで同じ戸籍で通すので、法的姓名は「マイナンバー」になる。勿論、「通称」は今まで通りに使って良い。当然通称であるから、いつでも自由に変えて良い。便利ではないか?

② 父母については、情報として「誰と誰」の子供かを記載(これも勿論マイナンバーだ)。長男か次男かとかいう順番も「生年月日」で分かるし、結婚や死亡でいちいち「戸籍を抜く」必要も全く無い。当然、銀行口座や社会保障なども全て、本名=マイナンバーで統一するから「不変」である。便利ではないか?

③ 従って、夫婦の姓も正確には「存在しない」。ただ社会通念として姓を使っているので、情報欄に夫とか妻とかのマイナンバーが記載される。離婚したって戸籍は変える必要はない。便利ではないか?

④ 貴方は誰ですか?と聞かれたら〇〇〇〇ですと答えていいが、何か契約とかをする時は「マイナンバー」で行う。何故なら貴方の存在は「マイナンバー」だから!。これで結婚したからといって口座名を変えるなどの「つまらない手間」は、金輪際なくなるわけである。便利ではないか?

以上、便利ばこと「ばっかり」だ。戸籍をマイナンバーにすれば、全てのLGBTQ問題は解決する。これが私の提案である。



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