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万斛の想い
・・・
語り盡せるものか

後顧の憂い (五) ・ 千里の途 1 心機一転

2018年06月06日 | 後顧の憂い・千里の途

千里の途

千里の途も一歩から
いざ 本懐果たさん
決意固くも
而して
千里の途は、遙かなる哉
 

 
心機一転は吾が想い

維新回天は倅への願い  (オモイ)
 
負けてなるものか

挫けちゃならぬ

                                        一歩一歩踏みしめて
医師が言ふ
『 命が助かった理由は、「 若かったから 」 と
脳の半分が壊れてしまった、
一旦死んだ脳細胞は再生しない
ダメージを受けた脳はその機能を果さず、後遺症として、体の半分に麻痺が残る
脳障害の回復は、全く分らない
だからと謂って、リハビリせずんば寝たきり状態の侭となるから
兎に角も、リハビリで頑張るしかない
リハビリにより残った脳を鍛え麻痺した部分の機能を補って行く、
これしかない
頑張れば車椅子に坐れるまでには成るだらう
リハビリ 頑張って下さい。
これを以て、
国立大阪医療センターでの治療はこれで終わりです
・・と

「 これで終り ! ? 」
命を取り留めたばかりではないか
真の治療はこれからであらう
而し、吾々の願い悲しや、此が、保健医療制度
否応なし、回復期の病院に転院せねばならぬのである。


『 千里の途 』
心機一転
第一、千里の途

一 医療ソーシャルワーカー
落着かない毎日が続く
『 所謂、急性期を脱っした 』 ・・とは、ほど遠い
急性期、回復期・・斯の認識に疎い私、
そんな私が適切な医療機関を見つけることなぞ
出来るものか
而しそれでも、待ったなし
回復期の病院には移らねばならない

期限を越してしまうと、回復期の病院に転院することすら適わないのだから
急がねば・・

倅の場合、酸素ボンベを抱えたままでの移動が条件となる
斯の条件で受け入れる病院は少ないのだそうな
頼みは、医療相談室のソーシャルワーカー、
親切な対応をして呉れた
大阪府下の回復期病院から、受入れ可能の病院をリストアップして貰った、
技量、入院費用、通院アクセス、・・・等々、綜合的に考慮し、
その中から一つの病院を択ぶのである
洋々、二つの候補を絞り、7月26日、7月27日 各々との面談・見学も済ませた。
そして、
本人、家族、諸々、バランスを綜合的に鑑み
 箕面市の千里リハビリテーション病院と決めたのである。
「 己が択んだことに後悔はすまい 」

想えば
6月14日の緊急搬送から、
毎日が、波瀾のドラマであった。
日々、変化する病状
みおもの婚約者の出現
勤務会社の退職手続
独り住まいのアパート ( 八尾 ) の整理・清算、
及び、公共料金、日常の支払い等々の清算
まさに、怒涛の二ヶ月であった。
・・・と、そう想う


   ←アパートからの景色
「 天窓のある部屋なんやで 」
・・と、自慢していた
夢を懐いての一人暮らし
毎日見たであらう斯の景色
もう・・見ることはない

室のテレビ台には、
市販の頭痛薬が置いてあった
たかが、普段の頭痛・・と、
そう想っての飲み薬なのであらう
誰が、くも膜下出血の兆候と気づくであらうか
テレビ台の上、
箱から取りだされた錠剤を見るにつけ
「可哀そうに」
・・・そう、想った

 
二 退院
意識は回復したものの、依然として瞼が開かないまま
そのまま
で国立病院大阪医療センターを退院する。
そして
ついに、その日が来た。
8月11日 (木)、午前11時半 
転院先の、千里リハビリテーション病院のスタツフが、病棟・病室まで迎えにきた。
寝たきりの倅
車椅子など座れるべくもない
ストレツチャーからストレッチャーに
嗚呼、
此を、転院と謂うのであらうや
驚いたは
介護タクシーが待つ玄関キャノピーまでの道すがら
一瞬であるが
瞼が開いた
「 オーッ 」
タイムリーなこのこと
此は、兆しかも知れない
暗闇の中に一すじの光明を見た想いであった。

車への同乗者は一名限り
妻を乗せた
そして、明日への希望を抱いて
転院先の千里へ
千里の途についたのである




私は
単独、阪急電車天神橋六丁目駅へ向かう


千里の途

 
千里リハビリテーション病院  (大阪府箕面市)
 
腦や脊髄を損傷した人のための日常動作を改善するための、
『 回復期リハビリテーション 』 を集中的に行う専門病院
院内設備は日常生活に近い環境に整え、
365日、一日3時間のリハビリ、
身体機能や日常生活動作の改善にむけて集中的にリハビリを行う

一人の患者にセラピスト3人体制でリハビリに取り組む
理学療法士 ( PT ) は、
歩く、立ち上がる、起き上がる、バランスをとる等、主に運動機能の回復を目的に運動療法を行う

作業療法士 ( OT ) は、
トイレ動作や更衣、洗顔や家事等の日常動作を訓練指導する

言語聴覚士 ( ST ) は、
声を出す、話す、食べ物の咀嚼や飲込みが困難な人の摂食・嚥下機能の維持や向上を図る

人とのコミュニケーション力を取り戻す訓練や指導も言語聴覚士が行う
管理栄養士は、嚥下食などの食事を管理する

リハビリ時間以外は看護師、介護士が患者の日常の世話にあたる

三 千里リハビリテーション病院
2011年8月11日(木)、午後1時 
回復期の病院たる 千里リハビリテーション病院 に入院する
一般病棟の
S111(個室) 5病棟1111号室

病院到着後、直ちに医師の診察を行った
そして、
担当スタッフが集り、カンファリング・合同評価を行ったのである
スタッフの自己紹介、
 主治医、看護師、薬剤師、
担当セラピスト、介護士、栄養士、そしてソーシャルワーカー
現在の動作、身体状況の確認等々
・・・
合同評価を終えた頃、
 私は到着した

先ずは一般病棟 ( 病人扱い ) において
全身状態の管理をする医師が病状・症状を把握し、看護師が全体的なケアをする、
そして、3人のセラピストによるリハビリ訓練を行うと言う
それは、理に適っている
・・と、納得すると共に 
それは、不安の中に居る吾々を安心させ、安堵させたのである

 ・
心機一転
千里の途の一歩が
此より・・始る

・・・

・・・後顧の憂い (六) ・ 千里の途2 セラピスト へ、つづく