遠くの浮雲
見つめるよりも
近くの私を
見つめてね
平日の水曜日
新淀川左岸水辺から対岸風景を撮影していた私
振向かば、斯の光景
後ろ姿は何を物語る
据付けられたカメラの先に夫
コンクリートの壁に向ひて何をするや
たぶん、私と同年代であらう
きっと彼は、己に 夢中なのであらう
そして
その様子を見つめる妻
彼女は今、何想う・・・
私は
哀愁漂う 彼女の後ろ姿に
吾が妻を見た
彼の夢中なる姿は、まさしく私
吾が妻も亦
独りよがりの私を
こうして
眺めているのであらう
・・・と