上り坂
下り坂
まさかの坂に転げても
明日はきっと
立ち上がらん
9月と雖も、まだまだ盛夏 僅かなりとも、日影を慕う
千里の途 3
本日のスケジュール予定
第一、 リハビリは辛い
2011年9月1日(木)
8月12日に行ったCTの検査結果は、
くも幕下出血術後の状態は安定している、現在腦疾患は無い
・・と、
日々のリハビリは、
寝たきりから、坐ったり、立ったり、移動は車椅子で、等々
そんなリズムで進んでいる。
一 閉じたままの瞼
本日は前回 ( 8月23日 ) の仕切り直し
箕面市民病院眼科へ、病院が用意して呉れた介護タクシーは前回同様である。
而し、今回は車椅子での通院、想えば倅もずいぶんの回復ぶりである。
午後12:30 診察が始った。
ところが、
医師が、出血した硝子体をを覗こうとしても、
肝心要である瞼を閉じた侭、頑なまでに瞼を開こうとしないのだ。
「 瞳が裏返っている 」
「 これでは、診察にならない 」
瞳が裏返っている為、検査不能と医師、ヘラを使って眼球を回転させる・・と謂うのだ。
痛いのに決まっている。
それでも、倅は辛抱我慢すると言う
果してどれだけ理解した上で応えたかは分らないが、とにかく診察しなければならぬ
処置することになったのである。
気の小さい私、想像するだけでギブアップ
痛・・・みちゃ居れん
私は、いたたまれずに室から出てしまった。
・・・
医師が言う
「 瞼を閉じるのは、硝子体に出血したその痕が原因で、此が為、眩しいのだ
出血痕を取り除く為、全身麻酔を施しての手術が必要である
その場合、一ケ月の入院が必要である 」・・と
全身麻酔とは、一ケ月間の入院とは
冗談じゃない
リハビリは、最初の一歩を踏み出したばかりではないか
この重要な時期に、まさか リハビリを中断する訳にもゆくまい
事は、瞼だけの問題ではなからうに
「 今回は片目だけしか診察できなかった、(もう片方は拒んだ為である・・さもあらん)
痕は自然に消えるやも知れない、次回に両目を診察して、判断しやう 」
此の日は、暫らく様子を観ようという結論になった
結局、目の状況に進展無く、瞼は閉じたまま
9月29日再度検診・・と、なったのである
第二 リハビリ との、格闘
本日のスケジュール予定
セラピストの書込み
から、倅のリハビリの日々を推してみると
スピーチバルブ・・参考イメージ
嚥下造影検査(VF)
摂食嚥下障害の者に対し、レントゲン室でX線を照射しながら行う 飲込みの検査
バリウムを混ぜた飲食物を食し、口から胃へ、食物が運ばれる様子を確認する
飲込んだ植物が気管に入る 『 誤嚥 』、食堂からの逆流がないか等を確認する
この検査の結果によって、安全に食することができる食事を検討する・・ST
9月3日(土)
車椅子に座ることが平気になってきた。
殊に感動させられたは、小声で 「おとうさん」・・と、声を発する様になったことである
そして、明日から口から食事する練習、も始る
とは雖もやはり、リハビリはしんどいらしく、間は殆んど眠っている状態が続いている
「 6月14日の出血からの状況からしたら、驚異的な回復です 」
・・と、医師が言う。
そう聞かば、
『 なおるかも知れない 』・・と、惟う親心である
9月6日(火)
あまりたくさんは食べられませんでしたが 「 もう少し頑張れますか? 」 と問うと
うなづいて下さり、デザートのみ完食できました・・ST
9月7日(水)
左上肢ストレッチ 寝返り 座り練習 立つ練習
立つ練習・・本日声かけての反応は小さかったのですが、血圧の変動少なく
立つ練習では左膝の支えをお手伝いするだけで踏んばって下さいました・・PT
摂取量はあまり増えてはいませんが、昨日まで全然食べなかったご飯 ( 軟食 ) を
少しだけ食べて頂けました・・ST
第三 サングラスの効果の程
昼間の生活の為にと、サングラスを購入した
これで、眩しさも少しは緩和されるであらう
9月8日(木)
ソファ上での整容動作(くし、顔ふき、手ふき 実施)
サングラスをかけると少し目を開かれていました・・OT
昨日夜、お部屋にて真っ暗な環境で「目を開けて下さい。」と お声かけしたところ、
お1人で、ゆっくり約3mm 目を開かれました。
サングラス ありがとうございます。
立つ練習等、明るいところで実施するトレーニングでは、ぜひ使わせて頂きたいです・・PT
9月11日(日)
午後2時15分頃、リハビリに立会う
ソファーに座る訓練をしている
車椅子よりきついようである
「どや、調子は 元気か? しんどいか? 痛いところは無いか?」・・との、問い掛けに
「しんどい」 と、小声で応える
やっとの想いでの訴えであらう
毎日のリハビリは相当しんどい様子である、而し、頑張るのみである
40分間の立位訓練では
「頭、顔をあげるんやで」 との、私の声に素直に頷いてくれた
而し、会話したのは これだけで その後の1時間半 ずっとリハビリに立会ったものの
声をかけても それに一々返事 ( 頷き ) する余裕は無かった
午後4時、今日の最後のリハビリが終了した後直ぐに、眠りに着いた・・いつもの通り
挫けるなよ・・と、祈る想いであった
9月12日(月)
右手で手すりにつかまる練習
本日1回だけ、左膝右膝ともにお手伝いなく(体は支えています) 20秒立つことができました・・PT
9月13日(火)
15:30~ カンファレンス
覚醒状態に関しては依然として不安定であるも離床時間の延長と共に、
室外でも全身状態の変動がすくなくなってきています
以後も離床時間の延長と共に生活リズムの構築を図っていきます
全身性の筋力低下や筋緊張、痙性も徐々には改善を認めていますので、
継続して行い筋力アップ、持久力向上を図りながら介助量の軽減、
可能な動作の獲得を目指します
検査上は経口摂取可能であるので継続して訓練を行いながら、
機能の向上を図ります
発話などに関しても機能評価、練習を行っていきます
入院から1カ月、
スタッフ一同から現状の説明を受ける。
医師の説明によると
くも幕下出血術後は順調で、全身麻酔による眼の手術も可能な状態までになっている
痰も出なく成ってきた、
眼の治療経過をみて、鼻と気管の挿入チューブを取り外すことを準備する
29日眼科医師の判断待ち、実施するとのこと。
ようよう、チューブがとれる
まともに、口から食事がとれる、鼻から呼吸ができる
回復の度が目に見えてきたのである。
9月15日(木)
15:16
トイレにすわる練習しました 徐々に体がかたむいてきました・・PT
食事は200㎉程度 摂取できました
促しにて、発声、発信がありました・・ST
この三週間 ( 特に2週間 ) 本人と口を聞けてない
問いかけても返答 ( うなづき、横首振り等 ) が無い
一般病棟に居た頃よりその数は減少(激減)している
気がかりではある・・が、毎日3時間のリハビリがキツイようだ
しんどくて、体を休めるだけで精一杯なのであらう
9月16日(金)
食事は350㎉摂取できました
生年月日や、お父さんの名前など促して教えてくれました・・ST
左手ストレッチ、ソファ座位での姿勢調整、立ち上がり 立位保持
車いすの上で着がえ(ズボンは立ち上がって行いました)
立ち上がり 立位保持
声かけに対して、お話やうなずきは、ほとんどありませんでした
立つ時に、すっと右手で介助者の肩をつかもうとされるなど、
声かけは、しっかり聞こえていると考えております
本日もお疲れの中、30秒立位保持を10回がんばってくださいました・・PT
9月17日(土)
昼食 508㎉ 食べられました・・ST
8:18
9月18日(日)
午前8:00頃 小声で 「腰がイタイ・・・」 と、言い出した
心配すらばきりがない
・・と、分っていても、やはり、心配である
立ち上がり練習 関節トレーニング 座る練習
車椅子への乗り移り練習を実施しました・・OT
昼食
初めて全量摂取出来ました。水分は250cc摂取
(今日のメニューでは500㎉です)・・ST
座位、立位練習を行いました。立位時の脚の力がかなり認められるようになりました。
また、立位練習後には、「疲れたから寝かせてもらってもいいかな?」
という発言がありました・・PT
10:52
9月19日(月)
昼食 全量摂取
昨日までは70分かかっていましたが、今日は60分でした・・ST
9月20日(火)
イスに座る練習・・OT
昼食 全量摂取
お茶が飲みたい時は手でコップをもつジェスチャーをしていました。
(今までは何もうったえなし)
発生で伝えるように促しましたが、食事中はうなずきと首振りのみでした・・ST
9月22日(木)
① コミュニケーション(痛みにyes,noうなづき確認)
② 上下肢のマッサージ(左手温タオルで手良浴、緊張の緩和を行いました。)
③ 座位練習(ベッド上端座位で10分行いました。
起き上がる時に自己にて体を起し 上肢で支える場面が見られました。)
④ 興味関心課題の提供(ギターなど乗り気)
食事全量摂取 水分もしっかり飲めています・・PT
9月23日(金)
14:27
午後3時から1時間、リハビリに立会った
体のあちこちが痛い様で
(問い掛け⇔頷き)
「痛いんか」・・「・」
「痛いけど我慢しているんか」・・「!」
午後4時 リハビリ後、
「おとうさん これで帰るからな」・・「!」
と、頷いてくれたので
退室すべく室のドアを開けた
と、そのとき
「ありがとう」
と、大きな声を搾りだしたのである
9月24日(土)
摂取は8割程度でしたが、「うまい」 「まずい」 の表出がみられるようになりました
食事以外でも会話する場面がみられています
今日はたくさん話して下さいました・・ST
9月25日(日)
8:38
多くの患者も居るリハビリ室は、コミュニケーションの場でもある
看護師、介護士が見守っている中、ソファーに坐る倅
座位の練習も兼ねている
この姿勢相当しんどいらしく、とてもコミュニケーションどころではない
従って、こうして眠っている
これで精一杯なのだ
・・とは雖も
まあ、なんやかんや謂っても、
よくぞここまで座れるようになったのである
9月26日(月)
最初の声掛けて「静かにして!!」 と表出確認
上下肢のリラクゼーション、座位練習 行いました。
「音楽つけて欲しい」 「背中がかゆい 起きるの助けて」という表出がありました・・OT
9月28日(水)
声かけには反応多く、発話もみられました。 昼食9割摂取です・・ST
トイレ・背中・肩をもんで欲しい・顔をふいて・・・etc
多くの自己表出発話がありました
外気良浴、上下肢リラクゼーション、起居動作、etc 行いました・・OT
われ等の祈りよ届け・・と、千羽鶴
中学の頃の友達による物
病気の事 周り回って知ったらしく 仲間の皆が折って呉れた
仲間とは、ありがたいものである
連絡メモに
「返答が無くってもできるだけ話しかけてやって下さい」
・・と、書込みをしたところ
『夜はこちらの声かけに対して、「ばっちし」や「大丈夫」と返事してくださいました』
・・と、介護士の返答の書込んで呉れる
此のチームスタッフ共通の誠実に、心うたれた私である
9月29日(木)
箕面市民病院で眼科受診
病院が用意して呉れた介護タクシーは前回同様である
只、今回は女性の介護士のかたの付添いであった
診察は午後一時から始まった
前回 ( 9月1日 ) は、
「 ・・・片目だけしか診察できなかった、( もう一方は拒んだ為である・・さもあらん )
痕は自然に消えるやも知れないし、次回に両目を診察して、判断しやう
暫らく様子を観ようと・・・」 ・・と、
その続きとなる
今日こそは、両眼開眼といきたいものである
医師が言う
「 眼球内の出血の痕が小さくなっている
状態が良くなっている
此れなら、手術をしなくても済むかもしれない
眼が開いたら視力も戻る
これまで同様、目薬による治療で、一か月間更に様子を見よう 」
・・と
9月30日(金)
昼食 本日は約6割くらいで満腹だったようです
続くようであれば主治医・栄養士と相談します・・ST
着がえの練習しました・・OT
この坂を越えたなら
幸せが待っている
「 久しぶりに来ました
まだ眠っているので会話が思うようにできませんでした
残念です」
午前9時25分 花田・母
連絡メモへの、妻の書込みである
・・・リンク→ 後顧の憂い (八) ・ 千里の途4 コスモスは風に揺れていた に、つづく