武蔵野を歩く

元社会人兼ロースクール生の日記

IDS(Information Disclosure Statement)

2006年09月28日 | 備忘録
米国特許出願をする際に、出願人は、自己が知っている先行技術文献を審査官に提出する義務を負う。
情報開示を怠った場合は、不公正な行為または詐欺(fraud)として、権利行使が認められない。
IDSは米国独自の制度であり、日本の実務家には判断が難しい。

今回ファミリー出願の引用文献を提出し忘れていたため、提出した方がよいかについて現地代理人(米国弁護士)に問い合わせたところ、有益な回答を頂いたので備忘録として記す。


Q1)○○国では、請求項1を補正することなく特許となっているため、客観的には特許性に関連の無い文献であると思われます。しかしながら、米国においてフロードと判断される基準に該当するかの判断に自信が無いため、この○○国引用文献を提出すべきかどうかにつきアドバイスを頂きたいと思います。

A1)重要性は、相対的なものです。すでに提出されたものや審査官の引例に比較して明らかに劣るものは、重要ではないでしょう。外国の特許庁の引例を提出しなかったからといって、行使不能になるわけではありません。
実質的に判断すればよいと存じます。


Q2)仮に提出するとした場合、手続はどのように進みますでしょうか。翻訳期間を考慮すると、特許発行料の納付後の開示となってしまうと思います。

A2)仮に提出するとした場合
 翻訳期間を考慮すると、特許発行料の納付後になってしまうのであれば、RCEを先に提出して、進行の一時停止を請求することも可能ですが、多少の費用もかかります。特許発行料を納付しても無駄になるわけではありませんので、特許発行中止申請とともに継続手続出願をするのも、悪い選択ではありません。

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