○技法俳句029・オノマトペ04「ほろと」・高浜虚子
○「天地の間にほろと時雨かな」(『六百句』1947)(高浜虚子01)
○季語(時雨・初冬)
【鑑賞】:広大な天。揺るぎのない地。その間に時雨が舞い始めました。「ほろと」というオノマトペが時雨の柔らかさ、軽さを引き立てています。なんとここで高浜虚子の初登場となりました。
○高浜虚子(たかはまきょし)(1874~1959)
○好きな一句「去年今年貫く棒の如きもの」(『六百五十句』1955)02
○季語(去年今年・新年)
【Profile】:松山藩士池内庄四郎政忠の四男として松山市長町新町(現湊町)に生まれた。俳聖→正岡子規の高弟としてその遺業を大成した。9歳の時祖母の実家高浜家を継ぐ。1988年伊予尋常中学校に入学。1歳年上の→河東碧梧桐と同級になり,彼を介して子規を知り,1891年子規から虚子の号を受ける。1898年,松山で→柳原極堂が発行していた俳誌「ほとゝぎす」を東京にひきとり「ホトトギス」を主宰する。碧梧桐の「新傾向」に反対し「守旧派」として対抗した。墓は鎌倉寿福寺にある。
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高浜虚子掲載句
03茎右往左往菓子器のさくらんぼ(『六百五十句』1955)(さくらんぼ・仲夏)〈技法42・擬人4〉2011/5/27
04彼一語我一語秋深みかも(『六百五十句』1955)(秋深し・晩秋)〈次元61・深い(時間)1〉2011/11/6
05凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり(墓参・初秋)〈例句〉2014/8/9
06野菊むら東尋坊に咲きみだれ(野菊・三秋)〈例句〉2018/9/21
07大空に羽子の白妙とゞまれり(羽子・新年)〈例句〉2020/9/20
08畑打つて俳諧国を拓くべし(畑打・三春)〈例句〉2021/6/26
09流れ行く大根の葉の早さかな(大根・三冬)〈例句〉2021/7/4
10其中に金鈴をふる虫一つ(虫・三秋)〈特集553今年の漢字2012〉2021/10/23
11桐一葉日当りながら落ちにけり(『五百句』1937)(桐一葉・初秋)〈方法663・スローモー視点4〉2024/8/26
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