○技法俳句001・オノマトペ01・中村苑子
「技法」とは俳句を作る際に使われた「わざ」です。「方法」とは俳句を作る理由に近いものであり、技法よりもより根源的なものです。
技法の第1弾は「オノマトペ」です。オノマトペとは擬声語および擬態語のことをいいます。
onomatopee[フランス語] ものの音や声などをまねた擬声語(ざあざあ、じょきじょきなど)、あるいは状態などをまねた擬態語(てきぱき、きらきらなど)をさすことば。(出典Wikipedia)
○「おんおんと氷河を辷る乳母車」(中村苑子01)
○季語(無季)
【鑑賞】:乳母車が氷河をすべっていきます。そのときの音が「おんおん」ということです。むしろ音というよりは「声」というべきでしょう。
○中村苑子(なかむらそのこ)(1913~2001)
○好きな一句「わが春も春の木馬も傷みたり」02
○季語(春)
【Profile】:静岡県出身。1944年「馬酔木」「鶴」に投句を始め、以後→久保田万太郎の「春燈」、後に→三橋鷹女に師事。→高柳重信らと「俳句評論」創刊に加わった。1975年第22回現代俳句協会賞受賞。
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中村苑子掲載句
03桃のなか別の昔が夕焼けて(桃・秋)〈次元・昔(時間)〉2010/10/2
04火を消して一つの顔を覚えおく(無季)〈五体・顔〉2010/11/23
05野遊びの傷舐めて血の甘かりし(野遊び・春)〈五感・味覚(甘)〉2011/3/28
06黄泉に来てまだ髪梳くは寂しけれ(無季)〈次元・超次元(彼岸)〉2012/9/9
07胎内の水音聴いてゐる立夏(立夏)〈五感・聴覚〉2014/5/5
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