○方法俳句467・遺留品6・井上啞々01・2020-02-27(木)
○「引鴨の松風ばかり残りけり」(井上啞々01)
○季語(引鴨・初春)(→「俳句季語一覧ナビ>松風を使用した俳句」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:ひょうひょうと松の樹林を吹く風は、北へ帰る鴨が残していったものである。「松風ばかり」に寂寥感が漂う。
○井上啞々(いのうえああ)(1878~1923)
○好きな一句「居酒屋に靄たちこむる葱鮪かな」02
○季語(葱鮪・三冬)※葱鮪(ねぎま):「鮪鍋(まぐろなべ)」とも。(「575筆まか勢」より引用)
【Profile】:愛知県名古屋市出身。籾山書店、毎夕新聞社などに勤務する。漢字に詳しく、俳句も作っており、→巌谷小波の木曜会に参加し、のち→永井荷風の「文明」「花月」に協力。荷風の小説『祝杯』のモデル。
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●遺留品俳句・18句!20200227
01「「遺品あり岩波文庫『阿部一族』」(鈴木六林男02)(無季)(好きな一句)
02「鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ」(林田紀音夫02)(無季)(好きな一句)
03「春嵐遺影遺骨に後れとる」(透次062)(春嵐・三春)(弔句)
04「冬を生き人の遺品を身に纏ふ」(岩田昌寿02)(冬・三冬)(好きな一句)
05「一本の冬木のこして雲去れり」(下村非文01)(冬・三冬)(方法116・遺留品1)
06「冷麦の器残りぬ大いなり」(増田龍雨01)(冷麦・三夏)(方法135・遺留品2)
07「遺書以後もある風呂桶の楕円かな」(佐藤三保子02)(無季)(好きな一句)
08「梨咲いてこの世にのこる化粧匣」(永井由紀子)(梨の花・晩春)(方法223・遺留品3)
09「遺骨との旅の終りの牡蠣フライ」(柴田千晶01)(牡蠣・三冬)(五体242・骨6)
10「花冷や姉妹が遺骨持ちかふる」(山本つぼみ02)(花冷・晩春)(好きな一句)
11「新涼の碧き畳に遺る聲」(透次0308)(新涼・初秋)(挿絵俳句294)
12「秋潮や遺伝子一つ躁ぎ立つ」(植田紀子02)(秋潮・三秋)(好きな一句)
13「遺句集を手向ける墓に法師蝉」(中里行雄02)(法師蝉・初秋)(好きな一句)
14「なまはげの去りたる藁を拾ひけり」(小畑晴子01)(なまはげ・新年)(方法俳句412・遺留品4)
15「硯洗ふ父の遺せしくぼみかな」(藤崎さだゑ02)(硯洗ふ・初秋)(好きな一句)
16「遺骨にも帰る家あり八重桜」(荻原都美子01)(八重桜・晩秋)(五体429・骨10)
17「熱海まで行くか日傘の忘れ物」(後藤章01)(日傘・三夏)(方法俳句435・遺留品5)
18「引鴨の松風ばかり残りけり」(井上※唖々01)(引鴨・初春)(方法俳句467・遺留品6)↑