
映画も公開されるというので話のタネに読んでみたのですが、ちょっと信じがたいほどの駄作!文藝賞受賞時の選考委員の絶賛「思わず嫉妬したくなる程の才能」って、いったいどこにあるんですか?なお、文庫本の高橋源一郎の解説も相当ひどい!やっぱり、信用できないね、源一郎ってさ!
・映画『人のセックスを笑うな』公式HP
19歳の男の子と39歳の人妻の恋を扱ったこの小説。高橋源一郎は解説で、女性作家が女性化した男の子の一人称を使っていることに戦略があるようなことを言っているんだけど、本当にそうですか?
古くは宇野千代の『色ざんげ』があったし、少女漫画の読者でもある高橋源一郎が何を今更言っているのっていう気もしてしまいますよね。
しかも、女性化した男性の視点でいうなら、近年のBL系から出発した優れた漫画家よしながふみの人間観察眼からは百万光年離れたレベルにこの小説はある。
・『執事の分際』 よしながふみ 著(わたしの感想)
たまたま、このヒロインと同年代くらいの女性が周りに多いわたしからみても、この女性って、リアリティも存在感もまるでないし、主人公の男の子の方も、鷺沢萌や長野まゆみの小説の「僕」に比べれば「架空の少年」ではないにしても、前述した近年のBL系マンガの到達点からは、あまりに遠い陳腐なレベル。
それにもまして呆れてしまったのは、併録されている短編「虫歯と優しさ」と表題作の二つで、似たようなイメージが出てくるという芸のなさなんですよね。
黒い飛翔物のイメージと老人が出てくる癒し系の夢。
とりあえず、タイトルとペンネームだけが非凡だったんじゃないですか?でも、ミスマッチっぽい単語を並べるタイトルの付け方って、どっかの小説講座で教えてでもいるのか、珍しくもない感じだけど。(「サイドカーに犬」みたいなパターン。)
とりあえず、映画はマシなことを祈りますよ。
でも、映画の方の太文字推薦人って蓮實重彦なんだって?!やっぱり、信用できないな、高橋源一郎同様にね!
☆ ☆ ☆
PS:後で知ったんだけど、この小説って、以前わたしが酷評した『野ブタ。をプロデュース』と新人賞同時受賞なんだってね。『文藝』って大丈夫なの?
・『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄 著(わたしの感想)
因みに、高橋源一郎の文庫の解説は、半端に蓮實重彦のスタイルを真似たような、ちょっと迂回気味の文章で、さすがに蓮實重彦だと芸のある納得のさせ方をさせるけれど、見事に話の着地点が甘いんですよね。
もう21世紀なんだし、半端に記号論めいた解説は流行らないからやめたほうがいいんじゃないかな?(ペンネームの安っぽい分析のこと。)
それと、高橋源一郎の書評って結構浅いものが多くて、学生時代はあっさり感化を受けた『ジェームス・ジョイスを読んだ猫』も今読むと・・・。
書評家としては実力にはてなマークがつくな、わたしは。
(おまけ)
・映画『人のセックスを笑うな』公式HP
19歳の男の子と39歳の人妻の恋を扱ったこの小説。高橋源一郎は解説で、女性作家が女性化した男の子の一人称を使っていることに戦略があるようなことを言っているんだけど、本当にそうですか?
古くは宇野千代の『色ざんげ』があったし、少女漫画の読者でもある高橋源一郎が何を今更言っているのっていう気もしてしまいますよね。
しかも、女性化した男性の視点でいうなら、近年のBL系から出発した優れた漫画家よしながふみの人間観察眼からは百万光年離れたレベルにこの小説はある。
・『執事の分際』 よしながふみ 著(わたしの感想)
たまたま、このヒロインと同年代くらいの女性が周りに多いわたしからみても、この女性って、リアリティも存在感もまるでないし、主人公の男の子の方も、鷺沢萌や長野まゆみの小説の「僕」に比べれば「架空の少年」ではないにしても、前述した近年のBL系マンガの到達点からは、あまりに遠い陳腐なレベル。
それにもまして呆れてしまったのは、併録されている短編「虫歯と優しさ」と表題作の二つで、似たようなイメージが出てくるという芸のなさなんですよね。
黒い飛翔物のイメージと老人が出てくる癒し系の夢。
とりあえず、タイトルとペンネームだけが非凡だったんじゃないですか?でも、ミスマッチっぽい単語を並べるタイトルの付け方って、どっかの小説講座で教えてでもいるのか、珍しくもない感じだけど。(「サイドカーに犬」みたいなパターン。)
とりあえず、映画はマシなことを祈りますよ。
でも、映画の方の太文字推薦人って蓮實重彦なんだって?!やっぱり、信用できないな、高橋源一郎同様にね!
☆ ☆ ☆
PS:後で知ったんだけど、この小説って、以前わたしが酷評した『野ブタ。をプロデュース』と新人賞同時受賞なんだってね。『文藝』って大丈夫なの?
・『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄 著(わたしの感想)
因みに、高橋源一郎の文庫の解説は、半端に蓮實重彦のスタイルを真似たような、ちょっと迂回気味の文章で、さすがに蓮實重彦だと芸のある納得のさせ方をさせるけれど、見事に話の着地点が甘いんですよね。
もう21世紀なんだし、半端に記号論めいた解説は流行らないからやめたほうがいいんじゃないかな?(ペンネームの安っぽい分析のこと。)
それと、高橋源一郎の書評って結構浅いものが多くて、学生時代はあっさり感化を受けた『ジェームス・ジョイスを読んだ猫』も今読むと・・・。
書評家としては実力にはてなマークがつくな、わたしは。
![]() | 人のセックスを笑うな (河出文庫)山崎 ナオコーラ河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
(おまけ)
ジェイムス・ジョイスを読んだ猫 (講談社文庫)高橋 源一郎講談社このアイテムの詳細を見る |
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